蜘蛛巣城

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劇場公開日:

解説・あらすじ

シェイクスピアの「マクベス」を日本の戦国時代に置き換え描いた、戦国武将の一大悲劇。謀叛を起こした敵を討ち城主の危機を救った鷲津武時は、帰城途中に出会った老婆から不思議な予言を聞く。その予言通りに大将に任ぜられると、今度は妻にそそのかされて主を殺害、自ら城主の地位に着く。黒澤監督は、欲望に刈られた魂が繰り返す殺戮と狂気を、能の様式美に乗せて見事に描いていく。三船=マクベスが無数の矢に曝されるラストシーンは圧巻。

1957年製作/110分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1957年1月15日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5シンプルなストーリーに重ねられた「蜘蛛の巣」のモチーフが魅力。

2020年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
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すっかん

3.5見応えのある映像を堪能

2025年2月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

知的

難しい

 言葉遣いが知的というか難しい時代劇。
 手塚治虫の漫画のように、人物や馬の動きに躍動感があり、顔の表情(感情)がわかりやすく、白と黒を意識した構図で見応えがある。
 内容は、ファンタジー要素が良い出汁になっていて、飽きさせない。
 BSの録画で字幕を付けて視聴できるのだが、画面を遮る文字が映像の邪魔になると思うくらい映像が良くて、セリフをしっかり聞く(字幕を見る)のを諦めた。

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共感した! 12件)
どん・Giovanni

5.0もう矢だぁ!もう矢だよぉ!

2025年2月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

脚本監督、黒澤明。
シェイクスピアの『マクベス』が作劇のベース。

【ストーリー】
戦国。
鷲巣武時(三船敏郎)と三木義明は、主君・都築国春の命により、"北の館"にて謀反を起こした藤巻を討伐する。
国春の根城、"蜘蛛の巣城"にもどる道すがら、"蜘蛛の手森"にて嵐にあい、そこで奇妙な老婆と出くわす。
老婆は言う。
「鷲巣は北の館の主となり、やがて蜘蛛の巣城の城主となるであろう。三木は一の砦の大将となり、その子供は蜘蛛の巣城の城主となるであろう」
気がつくと老婆は居なかった。
不気味さに怖気をおぼえつつ、二人は蜘蛛の巣城へとたどり着く。
二人に国春は言う。
「鷲巣は北の館を、三木は一の砦を守護せよ」
北の館に居を構えた鷲巣は、妻の浅茅にあの夜の出来事を話す。
浅茅は言う。
「であれば、都築を暗殺なさいませ」

マクベス読んでませんごめんなさい。
マクロスなら……あほう!
この超時空あほう!

終盤のあのシーン、本当に無数の矢にさらされて、主演の三船敏郎がのちにお宅までいって「死んじまえ黒澤!」ってキレまくったそうです。
なにせ大学の弓道部員を何人と用意して、打ちまくったそうで、本当に生きた心地しなかっただろうなあ。
すんごいおもしろいシーンなんですけど、演じる側はたまったもんじゃないよなあと。

クロサワ・お公家眉ヒロインでも最怖なのが、山田五十鈴演じる妻・浅茅。
能の動きをとり入れたすり足で、すべるように移動し、時武をそそのかし、謀殺にまで手を染めるその攻撃性と狂気。
クロサワ闇系ヒロインだぁ……。
よほど印象が強かったようで、ロンドン映画祭に呼ばれた際、『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラを演じたヴィヴィアン・リーに、メイクのことをやたらと訊かれたそうです。
ヴィヴィアン・リー、舞台でマクベス夫人を演じていたので、それつながりで気になったんでしょうね。
浅茅、こわいもんね。

あんまり浅茅がこわくてあんまり見返す気は起きないんですが、あの矢のシーンだけはくり返し見ちゃったりします。
悲劇にひたりたい夜なんかに、よかったらどうぞ。

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かせさん

4.0馬 馬 馬

2025年1月13日
PCから投稿

マクベスの翻案で、ラストが有名ですが、それ以上に馬のシーンの疾走感が爆発的。
「七人の侍」をパワーアップして、「隠し砦}や後年の「影武者」「乱」に繋がるダイナミズムが溢れます。

マクベスの精神を最も忠実に映像化した作品として英国でも大変評価が高いそうですが、そこまでですかね?

この前後の三船ちゃんは、菊千代以来オーバーアクション気味の演出方針が気になります。
しかし山田先輩すご過ぎ。

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越後屋