美しき仕事

劇場公開日:

美しき仕事

解説

「白鯨」などで知られるハーマン・メルビルの小説「ビリー・バッド」を下敷きに、フランスの名匠クレール・ドゥニが手がけた作品で、青くまばゆいアフリカの海岸を背景に、フランスの外国人部隊と、それを率いる指揮官の送る日々を描いたドラマ。

フランス、マルセイユの自宅で回想録を執筆しているガルー。かつて外国人部隊の上級曹長だった彼は、アフリカのジブチに駐留していた。暑く乾いた土地で過ごすなか、いつしかガルーは上官であるフォレスティエの多くの資質に対し、羨ましい思いを抱くようになる。ある時、部隊にサンタンという新兵がやってくる。社交的な性格でたちまち人気者になったサンタンに対し、ガルーは嫉妬や羨望を抱き、いつしかサンタンを破滅させたいと願うようになる。

主演は「汚れた血」「ポンヌフの恋人」などのレオス・カラックス作品の常連として知られるドニ・ラバン。日本では長らく未公開だったが、2024年に4Kレストア版で劇場初公開。

1998年製作/93分/PG12/フランス
原題または英題:Beau Travail
配給:グッチーズ・フリースクール
劇場公開日:2024年5月31日

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(C)LA SEPT ARTE - TANAIS COM - SM FILMS - 1998

映画レビュー

5.0高尚さも超えたエロチック

2025年1月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

不完全な体験だったので感想も不完全になってしまうが完全な体験などないので勇気を持ってレビューする
といえのも、寝落ちしてしまった
映画が眠りに誘ったのではなく、体調的に眠らざるを得なかったからだ
よって不完全なレビューになる
映像も音響も構成も優れていた
中盤のシークエンスは抜け落ちているが
掴みは最高だったことは保証する
唐突な踊り、男の内省的な語り、多くの民族の顔と砂漠、男性の上裸、上腕の筋肉
男性が女性の砂浜での姿を撮ったかのようなエロティックな感覚が軍人の訓練のシーンに見られた
下品な感じは受けず高尚さも超えていた
微妙な嫉妬の感覚や馴れ合い切れなさは女性的に感じた
ラストのダンスシーンは確かに圧巻だった
クライマックスを圧巻にすることは映画において非常に困難だがそれをやってのけた
中盤のシークエンスを観たとしてもクライマックスがベストショットだと思う
映像が美しい映画は往々にして絵画的になってしまうことが多い
悪いことではないが、この映画はムービーとしての映画を保っていた
編集の力、映画の力は保たれていて好印象だった
また観たいが視聴手段がなく悔しい

追記:サブスク、BDも来たので観られます

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悠

2.5美しい映像と雰囲気を味わう映画

2024年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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はりー・ばーんず

4.0考えるな感じろ!

2024年8月2日
Androidアプリから投稿

感性に訴えかける映画。
あんまり考えちゃだめな映画だと思う。
カミュの異邦人における海と太陽と泳ぐ肉体を目の当たりにする。
音楽と映像、鍛え上げられた肉体や海、躍動感のあるダンスを海で漂うように、砂漠でさ迷うように楽しんだ。

外国人部隊というところに設定の妙がある。戦うための訓練はお国のためではなく美しき仕事なのだ。

規律正しいこと、折り目正しいことと人間的に正しいこと、倫理的に正しいことはだいぶ違う。
しわくちゃな感情があったっていいじゃないか、人間だもの。

あんなに綺麗に制服にアイロンかけたり、あんなに綺麗にベットメイキングしたり、大雑把でふわふわ浮遊して生きている人種に属する私には超人技に見える。

コンパスが無くなると方向を見失う。当たり前のことだが、全世界のほとんどの人は方向なんて気にしてもいない。
自分がどこに向かっているのか、会社がどこに向かっているのか、自国がどこに向かっているのか、考えもせずに決まったルールに従って今日も明日も明後日も今所属する集団の訳の分からない理不尽なルールにも従う。
時に誕生日を祝ってもらうような楽しみもあったりするから余計にその集団の居心地が良くなり麻痺してしまう。

世界がどこに向かっているかもわからないコンパス行方不明の時代。
方向を決めるのは自分だ!
今いる集団の中の規律以外にも別にも美しき仕事はあるのかもしれない。
頭が麻痺して心まで歪んできた時には、
一旦、自由になって規律のないダンスを楽しめ!

案外、コンパスを見失って野垂れ死にかけても、誰かがいのちを助けてくれるかもしれない。

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momo

3.0"Djibouti"

2024年7月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

ベース音から不穏な音楽が流れ何かが起こる雰囲気を醸し出しながら何も起こらない、そんな音楽と場面が何度も繰り返される印象的ながら不思議な感覚、レオス・カラックスの描いた危なっかしくて奇妙なドニ・ラヴァンしか知らない、最後のダンスは意表を突く展開から物語に影響は及ばない、淡々とガルーの心情を読み解きながら兵士たちの訓練とその日常、アフリカの女たちに物語の起伏を感じながら戦争映画やLGBTQ映画とジャンル付けはできない??

興味はありながらクレール・ドゥニの作品は『ハイ・ライフ』を劇場で観たのみ、独特で不思議な世界観が雑多な種類として散らばる作品群と勝手な想像、ここからクレール・ドゥニを堪能したい。

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万年 東一

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