BAUS 映画から船出した映画館

劇場公開日:

BAUS 映画から船出した映画館

解説・あらすじ

2014年に惜しまれながらも閉館した映画館・吉祥寺バウスシアターをめぐる歴史と家族の物語を描いたドラマ。1925年に吉祥寺に初めて誕生した映画館・井の頭会館が、ムサシノ映画劇場、バウスシアターへと形を変えながら、多くの人々に愛される文化の交差点になっていく長い道のりを描く。

1927年。活動写真に魅了されて青森から上京した兄弟ハジメとサネオは、吉祥寺初の映画館・井の頭会館で働きはじめる。兄ハジメは活弁士、弟サネオは社長として劇場のさらなる発展を目指すが、戦争の足音がすぐそこまで迫っていた。

染谷将太がサネオ役で主演を務め、兄ハジメをロックバンド「銀杏BOYZ」の峯田和伸、サネオの妻となる女性ハマを夏帆が演じた。バウスシアター元館主・本田拓夫の著書「吉祥寺に育てられた映画館 イノカン・MEG・バウス 吉祥寺っ子映画館三代記」を原作に、2022年に逝去した青山真治監督があたためていた脚本を、青山監督の教え子でもある「はだかのゆめ」の甫木元空監督が引き継いで執筆し、メガホンをとって完成させた。大友良英が音楽を担当。

2024年製作/116分/G/日本
配給:boid、コピアポア・フィルム
劇場公開日:2025年3月21日

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(C)本田プロモーションBAUS/boid

映画レビュー

3.5お客さんを選ぶタイプかも

2025年3月21日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

まず物語要素のアンバランスさに戸惑った。映画館を擬人化して例えるならこんな感じ。ちょっと知っていた故・バウス君を偲ぶ会があると聞いて見に行ったら、冒頭から祖父イノカン氏についての思い出が延々と続き、会の半ばを過ぎる頃に父MEG氏の話に移ってからもそれなりのボリュームのエピソードが語られる。ようやくバウス君の番かと思ったら、最期の日に仲間たちが集まってにぎやかに見送ったよ、と報告があってお開き、解散。体感の時間配分では、イノカン6割、MEG3割、バウス1割だろうか。

タイトルに「BAUS」を冠しているものの、実はバウスシアターが主題ではない。吉祥寺初の映画館・井の頭会館で働き始め後に社長となる本田實男(さねお)氏を中心に、ムサシノ映画劇場、バウスシアターと形を変えた箱を通じて約90年にわたり当地の映画文化を支えた“家族の物語”に重きが置かれている。

インディペンデントの精神を具現化した作品とも言える。商業映画のようなウェルメイドと大衆受けを狙わず、低予算を逆手に取った画作りで引っかかりを生む。井の頭会館の建物前面がハリボテであることを敢えて見せたり、おでん屋台のシーンで周囲を真っ暗にして舞台劇のように演出したりしているのもそうした意図だろう。予算が限られているので、シーンによってはセットや背景をリアルに作り込む代わりに、チープさや作り物っぽさが“味”になるよう工夫するのもインディーズならでは。

バウスシアターに足繁く通ったようなシネフィルなら、さまざまな要素に愉しみを見出せるのだろう。町の小さな劇場が地元の人々と歴史を生きる、映画に夢と未来を見た少年が大人になり回想する、といった要素が「ニュー・シネマ・パラダイス」に類似するが、あちらのようなわかりやすい感動作を期待すると当てが外れる。一見さんお断りというほど敷居が高いわけではないものの、とっちらかった感じさえ大らかに愛せるのでなければ、心から楽しむのは難しそうだ。

私自身、バウスシアターを数回訪れちょっと知っていた程度なので、バウスの誕生や最盛期や閉館の事情などをもっと描いてほしかったなと物足りない思いも。名称の由来は気になっていたので、ヨットの船首のバウ(bow)と船尾のスターン(stern)を合わせた「バウスターン(bow stern)」をもじってバウス・タウン(Baus Town)」になり、そこからバウスシアターが生まれたとの説明があったのはよかった。

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高森 郁哉

2.5映画と煙は光と共に

2025年3月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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uz

2.0文化の発信地

2025年3月23日
Androidアプリから投稿

単純

難しい

幸せ

2014年に閉館した吉祥寺バウスシアターの前身であるMEGをつくった本田實男と家族の物語。

1928年兄と共に青森から上京した本田兄弟が、吉祥寺の劇場「井之頭会館」社長に声をかけられ働きはじめて巻き起こっていくストーリー。

バウスシアターは数回しか行ったことないけれど、今では有名な爆音上映の発祥の地ということで、期待していたのだけれど…。

上京前の様子こそ映画への思いをみせていたけれど、その後はただの映画館の従業員、若しくは、経営者という感じだし、単なる映画館経営者の家族の話しですかね…。

映画や映画館への思いが語られない訳ではないけれど、そこに対する熱量みたいなものをみせる感じでもないし、終盤はなんだかファンタジーだし、しかもタイトルであるバウスシアターはほぼ描かれていないし。
決してつまらなくはないけれど、何が言いたいのか良くわからない雰囲気映画という印象だった。

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Bacchus

2.0戦前、戦後を駆け抜けたある映画館の物語。3人のドラマ部分が良かった。が、現代パートはシュールなカッコ付けと内輪受けが気になり残念。

2025年3月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
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ITOYA