ファミリー・ディナー

劇場公開日:

ファミリー・ディナー

解説・あらすじ

体型にコンプレックスを抱える少女が料理研究家の叔母の家で体験する、悪夢のようなイースターの祝祭を描いたオーストリア製ホラー。

ふくよかな体型に悩む10代の少女シミーは、著名な料理研究家で栄養士の叔母クラウディアに健康的なダイエットを手助けしてもらうため、彼女の家でイースターの休暇を過ごすことに。しかし叔母の食事指導は思いのほか過激で、さらに従兄弟フィリップはシミーに敵意剥き出しで嫌がらせを繰り返し、得体のしれない叔母の新しい夫シュテファンの存在もシミーを不安にさせる。イースターの祝祭が近づくにつれ、美しい料理に彩られた食卓は悪夢へと変わっていく。

オーストリアの名門ウィーン・フィルムアカデミー出身の新鋭ペーター・ヘングルが長編初監督・脚本を手がけ、家庭内に潜む暴力性、ルッキズム、食と祝祭における宗教観の変化といった題材を、静謐かつスリリングに描き出す。

2022年製作/97分/PG12/オーストリア
原題または英題:Family Dinner
配給:クロックワークス
劇場公開日:2023年12月8日

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映画レビュー

4.0イースターのごちそう

2025年3月31日
PCから投稿

どういう話かだいたい想像つくが、落ち着いた丁寧な描写で見入った。くせっぽさや、いやなところもぜんぜんなかった。

imdbは5.7だったが、imdbに載っていたユーザーレビューに共感できる言及があった。
そのレビューは、これは平均的映画で本当の評価は6~7点だと言いつつ、10点をつけていた。そして彼はこう続けた。
『誰かが言ったように、ミニマリストの映画だ。全体的には間違いなく平均的な映画だ。この映画がどこに向かうかは早い段階でわかるが、決して退屈にはならないし、予想がつきすぎることもない。あるいは、予測はつくが、どこに行くのか期待しながら見続けても飽きない、とでも言おうか。これは目新しいものではないし、超傑作というわけでもない。しかし、演技は見事だし、設定も何もかもがうまくはまっている。雨の日曜日の午後にはいい映画だ。』(DeepL翻訳)

同感だった。なんなら見終わってもとくに思い出すところもなく、翌朝にはけろっと忘れているが、なんていうか映像の勉強をした人が、映像の方法論にもとづいてつくった映画という感じがした。
Peter Hengl監督は(短編製作の来歴はあるものの)これがデビュー作になっているが、将来頭角を出してくる予感がする、素地・土台のしっかりしたホラーだった。

トマトメーターは採点者が少なかったものの100%だった。この映画は刺激も驚きもないが、だめなところもまったくない。その辺りをしっかり見て取っているのはさすが批評家だと思った。

映画はやせていない女の子がダイエット関連の著作がある叔母さんの農場でイースター前の休暇を過ごす──という話。
ホラー描写はないが、うさぎの皮を剥ぐ描写がけっこうはっきりと尺をとってあり、そこがいちばんグロテスクだったかもしれない。
出演者の演技も確かだが、お料理描写がいい。叔母さんは管理栄養士兼シェフという感じで、おいしそうなお料理をつくる人だった。したがってこの映画でもっとも残酷なのは、ダイエット敢行中のやせていない子が、食べないのに食卓につかされるシーンだったと思う。わら

オーストリア映画で言語はドイツ語。
国民の半数以上がカトリックだというオーストリアではキリストの復活を祝うイースターは、クリスマス同様の大きなイベント日だそうだ。移動祝日で「春分の日以降、最初の満月の日の次に迎える日曜日」と決められ、4月下旬があたる。
うさぎと卵(イースターバニー・イースターエッグ)は誕生を表すモチーフ・装飾として使われるのであり、とくに兎肉と卵を食べるというわけではなく、もっといいものを食べる。それが食人だったとしたら・・・とは、誰もが想像できるイースターホラー展開ではあるが、斬新さがなくても映像法則を解っている人がつくると、しっかりしたものができる証明のような映画だった、と思う。

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津次郎

3.0雰囲気は良い映画

2025年3月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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lanachama

3.0演出はなかなか。

2025年3月18日
iPhoneアプリから投稿

僕が5〜6歳の頃、はじめて従兄弟の家で夕食を頂くことになった。そのときはカレーをみんなで作って食べることになったのだが、あのとき僕の中には何とも言い難い違和感を感じていた。

カレーの味はもちろんのこと、中に入っている具材(肉、野菜)は僕の家のカレーとは全然違ったからだ。

誰しもこんな経験はあるだろう。親戚や友人の家に行った時に、それまで自分の中にあった常識とはまた違ったものがそこにはある。今思い返せばたいしたことではない。しかし当時の僕からしたら少しの違いでも、かなり奇妙に感じたものだ。

この映画「ファミリー・ディナー」もまた、そんな異文化に出会したときの違和感や気味の悪さをを教えてくれる。誰もが異常だと認める「シキタリ」も、当人たちからして見れば、それは常識なのだ。

映画の演出は素晴らしい。しかし、ストーリーは少し物足りない。それは時間が経って痛んできた「肉」を、他の具材と混ぜて味付けしたカレーのようだ。

どんなストーリーでも、味付け次第ではここまでカッコよくなると学べる映画でもある。見て損はないだろう。

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風のビリー

2.0雰囲気はいいんだが

2025年3月15日
Androidアプリから投稿

母親の行動に説得力がまったくないのです。狂信的なダイエット信者(むしろ教祖?)というのは途中まではしっくりくるのです。だからここからどう展開するのかなとおもったら、さすがにそれには結びつかないよという展開。ステファノも何かキーマンになるのかと思ったけど全然サブキャラ、全体的にもったいないなー、という映画でした。

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三毛猫泣太郎