「GODZILLA」VFX徹底解明! ギャレス監督“着ぐるみ愛”を激白!! : 清水節のメディア・シンクタンク (3)

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コラム:清水節のメディア・シンクタンク - 第8回

2014年7月25日更新

第8回:「GODZILLA」VFX徹底解明! ギャレス監督“着ぐるみ愛”を激白!!

■ゴールデンゲートブリッジの周囲は写真合成

全長2737メートルのゴールデンゲート・ブリッジの場面では、122メートル分の橋のセットを建造したという。では、残りの橋の部分と、周囲の街並みはすべてCGによるものなのだろうか。

「キーフレーム・アニメーションによる怪獣たちが破壊する箇所はセットで、残りの橋は3DCG。その周囲はスチル写真なんです。実際の街に行って周辺のパノラマ写真をたくさん撮ってきました。時間の節約になり、正確な街を再現できる写真合成は有効な手段ですよ。あの場面では、急に必要になったら3分でパッと膨らませてすぐに使用可能になるグリーンバックを使いました。今回カナダ人スタッフによって発明された素材なんです」

■動物的なゴジラから人間的なゴジラへ

さて、最大の見せ場であるバトルシーン。その戦いは凄絶を極める。日本のゴジラシリーズでは、伝統的に着ぐるみによって撮影されてきた場面だが、今回はもちろんフルCG。どんな撮影設計を立てて臨んだのか。

「3つの方向性があって試行錯誤しました。野生的な戦い、怪獣プロレス、人間的な格闘。当初ゴジラは動物的な存在だと考えて、自然界の動物の生態をベースにし、熊が動物を襲う映像や、犬同士が戦う映像などを参考にしてCGアニメーションを作りました。しかし何か違和感がある。動物もののドキュメンタリーには必ずナレーションが入りますよね。彼らは、いいストーリーテーラーではないからだということに気づきましたよ(笑)。何を考えているのか、野生動物たちの動きからは伝わらない。観る者は感情移入が出来ないんです」

画像1 (C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC

1955年に製作されたシリーズ第2作にして初の“VSもの”「ゴジラの逆襲」で、キャメラの回転ミスから微速度撮影になり、ゴジラとアンギラスが野生動物のような素早く激しい格闘を見せるシーンがある。円谷英二はこれもまた面白いと考え採用したものの、その後多用されることはなかった。同じ理由だったのかもしれない。

「不思議なことに、最終的な判断はゴジラ自身が行ったんです。方向性としては、より人間らしく、何を感じているのかを想像できるようなゴジラに変わっていきました。動物的なゴジラから、人間的なゴジラに変わっていったわけです。通常のモンスター映画では、クリーチャーが野生的で動物的。でもゴジラの場合は、魂のこもった人間的な部分がある。感情さえ抱いているのではないかと思わせる存在を描くことが、ゴジラ映画です」

■約20ショットにアンディ・サーキスが参加

その人間的な動きには、あるキーマンの存在が欠かせなかった。英国俳優アンディ・サーキス率いるチームに協力を仰いでいるのだ。そう、「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム、「キング・コング」のコング、「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」のシーザーといったキャラクターをボディスーツを着て演じ、身体の動きをデータとしてコンピュータ内に取り込む上で重要な役割を果たしたモーションアクターの草分け的な名優である。

「怪獣たちは、キーフレーム・アニメーションによる描写がほとんどです。しかしポストプロダクションの期間がとても短かった。効率よく作業を進めるには、人間に動いてもらうのが一番。アンディ・サーキスに連絡を取ってみると、運よくスケジュールが空いていたので、制作終盤に参加してもらうことになりました。クライマックスで、ゴジラがとても人間的な動きをする場面を中心に20ショットくらいお願いしているんです。特に、ゴジラが眼を通して何かを表現する場面では、アンディの演技はなくてはならないものでした」

>>次のページ:怪獣に人間性を求めれば「着ぐるみ」に辿り着く 

[筆者紹介]

清水節

清水節(しみず・たかし)。1962年東京都生まれ。編集者・映画評論家・映画ジャーナリスト・クリエイティブディレクター。日藝映画学科中退後、映像制作会社や編プロ等を経て編集・文筆業。映画誌「PREMIERE」やSF映画誌「STARLOG」等で編集執筆。海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」日本上陸を働きかけ、DVD企画制作。著書に「いつかギラギラする日/角川春樹の映画革命」、新潮新書「スター・ウォーズ学」(共著) 。WOWOWのノンフィクション番組「撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画制作でギャラクシー賞、民放連賞最優秀賞、国際エミー賞受賞。

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