コラム:FROM HOLLYWOOD CAFE - 第235回

2013年8月16日更新

FROM HOLLYWOOD CAFE

第235回:ディズニーコンベンション「D23 EXPO」に潜入!新作情報も明らかに

「D23 EXPO」の模様
「D23 EXPO」の模様

米アナハイムで開催された「D23 EXPO」に参加してきた。D23 EXPOとは、ディズニーファン向けのコンベンションで、ディズニー主催のコミコンみたいなものだ。2009年の開始以来、2年に1度実施されていて、今回は3度目にあたる。ディズニーファンにとってみれば、会場の展示物を見てまわったり、自慢のコスプレを披露する機会だが、一般の映画ファンにとって最大の魅力は新作映画のプレゼンテーションだ。この場では、新作のフッテージが初披露されるからだ。

さて、D23 EXPOの開幕となる8月9日には、アニメ作品のプレゼンテーションが行われた。ディズニーのロバート・アイガー会長の挨拶のあと、ジョン・ラセター監督が登場。ピクサー、ウォルト・ディズニー、ディズニー・トゥーンズと3つのアニメスタジオでチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)を務める彼は、それぞれのスタジオの待機作を発表。来年公開のピクサー映画「ザ・グッド・ダイナソー(原題)」のフッテージ上映や、「ファインディング・ドリー」や「ビッグヒーロー6(原題)」などのプレゼンテーションが行われた。個人的に感銘を受けたのは、「モンスターズ・インク」や「カールじいさんの空飛ぶ家」のピート・ドクター監督による最新作「インサイド・アウト(原題)」のプレゼンテーションだった。少女の頭のなかを舞台にした映画ということは知っていたものの、果たして物語がどのように展開するのか想像もつかなかった。今回はストーリーボードの形でワンシーンが披露され、僕はたちまちその物語世界に魅了された。

「インサイド・アウト」のビジュアル
「インサイド・アウト」のビジュアル

この映画は引っ越しをしたばかりで、新生活にうまく馴染めない女の子ライリーの頭のなかが舞台だ。頭のなかには、怒り(anger)、反感(disgust)、恐怖(fear)、喜び(joy)、悲しみ(sadness)という5つの感情のアバターがいて、彼らがライリーの行動を操っている。言ってみれば、性格の異なる5人がコクピットにいて、巨大ロボットであるライリーを操っているのだ。抽象的思考や創造性、思考の流れ、といった概念がそのままビジュアル化された野心作で、たったワンシーンだけでも笑いと感動を提供してくれた。こちらは、2015年6月19日に全米公開予定だ。

翌日はウォルト・ディズニー・スタジオのアラン・ホーン会長が実写映画のプレゼンテーションを指揮した。いきなりルーカスフィルムの買収と「スター・ウォーズ エピソード7」の話題を持ち出したので、J・J・エイブラムスの登場やキャスティングの発表でもあるかと思ったら、なんにもなし。実際、会場に詰めかけた記者のほとんどが「スター・ウォーズ」に関する発表を期待していたので、なんの報告もなかったことが逆にサプライズだった。

アンジェリーナ・ジョリー
アンジェリーナ・ジョリー

マーベルの「マイティ・ソー ダーク・ワールド」と「キャプテン・アメリカ ザ・ウィンター・ソルジャー(原題)」のフッテージ上映や、「マレフィセント(原題)」でのアンジェリーナ・ジョリーの登場には会場が沸いたが、僕がもっとも興味を惹かれたのは「トゥモローランド」のプレゼンだった。これは、ジョージ・クルーニー主演、ブラッド・バード監督(「レミーのおいしいレストラン」「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」)の謎のプロジェクトとして知られている。バード監督は脚本家のデイモン・リンデロフ(「LOST」「プロメテウス」)とともに会場に登場し、「トゥモローランド」が生まれるきっかけとなった箱を披露した。ディズニー内の<死体安置所>と呼ばれる倉庫で発掘された古い箱のなかには、暗号や偽造写真、謎のアニメーションなど不思議なものが詰まっていた。当時、ウォルト・ディズニーは一体何をしていたのか? この謎が「トゥモローランド」のインスピレーションとなったのだという。映画に関する内容はいっさい明かされなかったものの、「LOST」ファンとしてはこれらのヒントがあれば十分だ。2014年12月19日の全米公開まであれこれ想像しながら楽しむことができそうだ。

なお、次のD23 EXPOは2015年に開催予定。

筆者紹介

小西未来のコラム

小西未来(こにし・みらい)。1971年生まれ。ゴールデングローブ賞を選考するハリウッド外国人記者協会(HFPA)に所属する、米LA在住のフィルムメイカー/映画ジャーナリスト。「ガール・クレイジー」(ジェン・バンブリィ著)、「ウォールフラワー」(スティーブン・チョボウスキー著)、「ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたのか」(エド・キャットマル著)などの翻訳を担当。2015年に日本酒ドキュメンタリー「カンパイ!世界が恋する日本酒」を監督、16年7月に日本公開された。ブログ「STOLEN MOMENTS」(http://www.miraikonishi.com)では、最新のハリウッド映画やお気に入りの海外ドラマ、取材の裏話などを紹介。

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