コラム:編集部コラム やっぱりアニメはヽ(´▽`)ノ日本が一番 - 第10回
2013年4月10日更新
第10回:異色作「惡の華」が登場 2013年春のテレビアニメ
春になり、興行収入ランキングでは「ドラえもん」「プリキュアオールスターズ」「ドラゴンボールZ」など、ディズニーの「シュガー・ラッシュ」も含めてファミリー向けアニメ作品が躍進。4月後半にはGW作品として、こちらも興収ランキング常連の「クレヨンしんちゃん」「名探偵コナン」の新作も封切られるので、しばらくはランキングをアニメ作品がにぎわせそうです。
3月末にはアニメの2大見本市「東京国際アニメフェア2013」と「アニメ コンテンツ エキスポ 2013」が相次いで開催され、それにあわせて新情報もいろいろ出てきました。今年の注目作品では「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」が8月31日に公開決定、「魔法少女まどか☆マギカ 新編」も秋公開が決まり、「劇場版ペルソナ3」も正式タイトル(「PERSONA3 THE MOVIE #1 Spring of Birth」)や公開時期が秋であることなどが発表されました。昨年は7月公開の「おおかみこどもの雨と雪」の大ヒットから夏秋のアニメラッシュへと続いていった印象ですが、今年も「おおかみこども」と同時期の東宝=日テレ作品「風立ちぬ」を皮切りに、夏から秋にかけて劇場アニメが最も充実しそうです。
前置きが長くなりましたが、そうしたわけで春の劇場アニメ市場はファミリー向けが中心。そこで今回は、この春放送開始のテレビアニメをいくつか紹介してみたいと思います。
4月の改編期でさまざまな新作が放送を開始していますが、要注目作品のひとつが「惡の華」(TOKYO MX/毎週土曜日深夜1時30分~ほか)。思春期の苦悩を描いた押見修造による同名漫画のアニメ化で、ボードレールに心酔する中学生の少年が、背徳的な衝動にかられて密かに思いを寄せる女子生徒の体操着に手を出し、その行動をクラスのある嫌われ者女子に目撃されていたことから、大きく運命が揺り動いていく様を描きます。
同作が話題になっている理由のひとつが、実写映像をアニメーションに起こす「ロトスコープ」という技法を用いて制作されている点。同様の作例ではリチャード・リンクレイター監督の「スキャナー・ダークリー」や「ウェイキング・ライフ」などがある程度で、日本のテレビアニメでは前例がなく、直前までキャラクターのデザイン画が伏せられるなど、放送前から話題を集めていました。4月6日に第1話が放送されて実像が明らかになり、当然ながら実写の人物をベースにしているため原作漫画と絵柄は大きく異なるのですが、息苦しい閉そく感がひしひしと伝わる映像世界は必見と言えます。放送後にはアニメ制作者関係のツイートがTogetterでまとめられるなど、業界内からも注目は高いようです。
また、2014年に実写映画化も決まっている大ヒットコミック「進撃の巨人」のアニメもスタート(TOKYO MX/毎週日曜夜11時30分~ほか)。昨年Production I.Gから独立し、今年6月には初の劇場用アニメ「ハル」の公開も控えている新鋭スタジオ、WIT STUDIOが手がけている点も注目したい作品で、こちらも第1話から熱量の高さがうかがえる出来栄えでした。
ちなみにこの2作、うららかな春の週末に、土曜深夜の「惡の華」でうっ屈した気持ちになり、明日から仕事だという週末終わりの日曜深夜に「進撃の巨人」で絶望感にひたるという、偶然にもスペシャルコンボな放送日程になっています(※東京での放送日程)。
その他、「まどマギ」の虚淵玄がシリーズ構成を手がける「翠星のガルガンティア」、ロボットアニメの雄・サンライズによるオリジナル作品「革命機ヴァルヴレイヴ」、「無限のリヴァイアス」「機動戦士ガンダムSEED」の平井久司キャラクターデザイン×「けいおん!」の吉田玲子シリーズ構成の「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」など、今クールはSFアニメの多さも目立ちます。とりわけ、1年前から全7章にわけた劇場先行上映が行われている「宇宙戦艦ヤマト2199」は、4月13日から第5章の劇場上映がはじまり、物語が佳境を迎えようとしている中での地上波放送開始(MBS・TBS系列/毎週日曜夕方5時30分~)という、これまでにないメディア展開の行方も見逃せません。
さらに、ニコ動で弾幕が吹き荒れた「(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!」がネット流行語大賞(銀賞)にもなった「這いよれ!ニャル子さんW」や、ギャグアニメ「よんでますよ、アザゼルさん。Z」、人気ラノベ原作「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」、劇場版が大ヒットした「とある魔術の禁書目録(インデックス)」スピンオフの「とある科学の超電磁砲(レールガン)S」など話題作の第2期も続々。ブランド化が定着したフジテレビ「ノイタミナ」は、WOWOWで過去に放送された西尾維新原作の大河アニメ「刀語」を1時間枠で再放送するという新機軸を打ち出すなど、制作手法や内容、展開的にもバラエティに富んだ作品がいろいろと始まっており、ぜひお気に入りの作品を見つけていただきたいところです。
※本文中で紹介した作品の放送日程等、詳細は下記公式サイトでご確認ください。
★「惡の華」公式サイト
★「進撃の巨人」公式サイト
★「翠星のガルガンティア」公式サイト
★「革命機ヴァルヴレイヴ」公式サイト
★「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」公式サイト
★「宇宙戦艦ヤマト2199」公式サイト
★「這いよれ!ニャル子さんW」公式サイト
★「よんでますよ、アザゼルさん。Z」公式サイト
★「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」公式サイト
★「とある科学の超電磁砲S」公式サイト
★「刀語」公式サイト