平野勝之
ぴあフィルムフェスティバル一般公募部門に「狂った触覚」(84)、「砂山銀座」(85)、「愛の街角2丁目3番地」(86)が入選し、アマチュア時代から注目される。AV監督として「由美香の発情期」(89)でプロデビューし、官能的であることにとらわれない作品を数多く発表。自転車旅行を記録した“自転車3部作”の1作目で、当時の恋人だったAV女優・林由美香との北海道旅行を題材にした「由美香」(97)は劇場で公開された。「流れ者図鑑」(98)に続く完結編「白・THE WHITE」(99)はベルリン国際映画祭に出品されたが、その後は勢いを失う。「由美香」のあとに破局し、05年に逝去した林との15年にわたる記録と新たに撮った映像で喪失と再生を描いたドキュメンタリー「監督失格」(11)が約11年ぶりの長編監督作となった。