西川美和
早稲田大学在学中、是枝裕和監督「ワンダフルライフ」(99)にスタッフとして参加し、大学卒業後はフリーランスの助監督として4年間活動。オリジナル脚本の「蛇イチゴ」(02)で映画監督デビューした。長編2作目「ゆれる」(06)は第59回カンヌ国際映画祭監督週間に正式出品され、僻地医療を題材にした「ディア・ドクター」(09)も日本アカデミー最優秀脚本賞を受賞するなど高い評価を得る。オリジナル脚本の長編映画を撮り続ける一方で、小説やエッセイを執筆し、「ディア・ドクター」のための取材をもとにした小説「きのうの神様」は第141回直木賞候補に選出。16年の「永い言い訳」は、映画製作に先行して出版した同名小説が第154回直木賞候補となり、それを自身のメガホンで映画化する形となった。初めて小説原案の作品として、佐木隆三のノンフィクション小説「身分帳」を「すばらしき世界」(21)として映画化。同作では第45回日本アカデミー優秀作品賞や優秀監督賞を受賞している。