シャンタル・アケルマン
ベルギーのブリュッセル出身で、両親はアウシュビッツを生き延びたホロコースト生存者。手に職を持つことを母親に勧められ、15歳でゴダールの映画を見て映画製作者になることを志し、 18歳のときベルギーの国立映画演劇学校に入学する。初短編「街をぶっ飛ばせ」(68)の制作に専念するため同校を退学。
71年、オーバーハウゼン短編映画祭で同作がプレミア上映され、1年間ニューヨークに渡って同地の芸術を浴びる。帰国後の72年、長編第1作「ホテル・モンタレー」を発表。女性の性のイメージを更新した「私、あなた、彼、彼女」(74)で高い評価を得、「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」(75)でも女性の生き様を見つめて映画におけるフェミニズムの領野を開拓した。以降の監督作に「アンナの出会い」 (78)、「ゴールデン・エイティーズ」(86)など。
ドキュメンタリー作品も数多く制作し、後年は大学でも教鞭をとった。 2015年、仏パリにて死去。「ノー・ホーム・ムーヴィー」(15)が遺作となった。