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トム・クルーズ、初のオスカーで感動のスピーチ「映画はわたしそのもの」【スピーチ全文】

2025年11月19日 18:00

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アカデミー名誉賞を受賞
アカデミー名誉賞を受賞
Photo by Gilbert Flores/Variety via Getty Images

米映画芸術科学アカデミーが主催する第16回ガバナーズ賞が開催され、トム・クルーズがアカデミー名誉賞を受賞した。

授賞式は米ロサンゼルスのレイ・ドルビー・ボールルームで11月16日(現地時間)に行われた。2026年10月公開予定のタイトル未定の新作でクルーズと初タッグを組んだアレハンドロ・G・イニャリトゥがプレゼンターを務めた。

クルーズは登壇後、映画製作に携わるすべての仲間たち、そして映画という文化の力を讃える、熱のこもったスピーチを披露した。

「映画は世界中へ私を連れていってくれる。違いを理解し、尊重することを教えてくれる。そして私たちが多くの部分で同じ人間であることを示してくれる。劇場という空間では、出自がどこであろうと、皆で笑い、感じ、希望を抱く。それこそが映画の力だ」と語り、「映画をつくることは、私が何をしているかではなく、私が誰であるかそのものだ」と締めくくった。

クルーズはこれまで「7月4日に生まれて」「ザ・エージェント」でアカデミー主演男優賞、「マグノリア」で助演男優賞、「トップガン マーヴェリック」ではプロデューサーとして作品賞にノミネートされたが、いずれも受賞には至らなかった。

式典では、振付師のデビー・アレン、美術監督ウィン・トーマスにも名誉賞が贈られた。ジーン・ハーショルト人道賞を受賞したドリー・パートンは、体調の都合で欠席し、事前収録した喜びのメッセージが会場で上映されたことを、米バラエティが報じている。

クルーズのスピーチ全文は以下の通り。

「本当にありがとうございます。ありがとう、アレハンドロ。本当にありがとう。あなたがここにいてくれることは、私にとって本当に大きな意味があります、友よ。
ご存じの通り、私たちは皆、25年前に『アモーレス・ペロス』を見ました。それ以来、私はあなたの作品をすべて見てきたように思います。あなたは並外れた人だ。あなたの作品は美しく、真実味があり、とても人間味にあふれています。あなたは常に卓越さを追求し、あなたと映画を一緒につくれたことは、私のキャリアにおける大きな特権のひとつです。本当にありがとう。
来年、皆さんにその映画を見ていただくのが待ちきれません。彼が何を成し遂げたかを見てほしいのです。そして私は、少し時間を取って、共に受賞された方々を称えたいと思います。
ウィン・トーマス。あなたはニューヨークの演劇界でキャリアをスタートさせ、その真実を見抜く目を映画へと持ち込みました。これは言っていませんでしたが、私は『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』を見ました。スパイク・リーと共にニューヨークでつくった最初の映画です。1986年8月8日、ブリーカー・ストリート・シアターで。私はその映画のまさに初回上映にいたのです。
そしてそれは映画界における特別な一章を刻みました。なんと素晴らしいキャリアでしょう。あなたは、アメリカ文化を形成した映画のルックやフィーリングを定義し、私たちのためにその技術を高めてくれた、記念碑的なプロダクション・デザイナーです。あなたはインスピレーションの源です。ありがとうございます。
ドリー・パートン。まさにアメリカが生んだ唯一無二の存在。伝説的な歌手、ソングライター、女優、ストーリーテラー、そして人道主義者。あなたのパフォーマンス、歌、仕事、そして魂。あなたは、私たちの人生という織物そのものの一部です。そしてあなたは、思いやりと創造性が別のものではなく、同じ燃えるような光であることを示してくれました。ありがとうございます。
デビー・アレン。あなたは女王です。私たちの業界で、この世界で、あなたが成し遂げたことは偉大だ。あなたは単なるダンサー以上の存在です。俳優、振付師、監督、プロデューサー以上の存在です。あなたは、一生に一度出会えるかどうかの、優しさと芸術的表現の力そのものです。そしてあなたは、数え切れないほどの若いアーティストたちが自分の声や規律を見つけ、夢を叶えるための扉を開いてきました。
そしてあなたは、その手本と卓越さ、そして心によって、何世代もの人々を引き上げてきました。あなたは、あなたの素晴らしい母ビビアンが書いた言葉『勇敢であれ、美しくあれ、そして自由であれ』の体現そのものです。愛しています。私たちは皆、あなたを愛しています。皆さんと、そしてこの部屋にいるすべての人と今夜を共有できることは特権です。ここから皆さんがどう見えるか、お見せしたいぐらいです。なんという会場でしょう。ああ神様、本当に信じられません。
スタジオの方々、エージェンシー、アーティスト、ストーリーテラーの皆さん。感謝します。私は皆さんの仕事を見ています。信じてください、皆さんは私にインスピレーションを与えてくれます。私に挑戦を与え、私が可能だと考えることの枠を広げてくれます。そして皆さんは私の友人であり、今夜ここに皆さんとご一緒できることを光栄に思います。ありがとうございます。
そして、今夜私を招いてくださり、この名誉を与えてくださったアカデミー理事会に感謝します。この瞬間を持てたことに心から感謝しています。おかげで、私を助けてくれたすべての人々、幸運にも共に映画をつくることができたすべての人々に感謝を伝えることができます。なぜなら、この旅路のすべてのステップは皆で共有してきたものだからです。
私の映画への愛は、とても幼い頃に始まりました。物心ついた頃からです。暗い映画館にいた小さな子供だった頃、あの一筋の光を覚えています。それが部屋を横切り、見上げると、まるでスクリーン上で爆発したかのように見えました。すると突然、世界は私が知っていたものよりもずっと大きくなりました。あらゆる文化、人生、風景、そのすべてが私の目の前で展開されていったのです。
それが私の中で何かに火をつけました。渇望に火をつけたのです。冒険への飢え、知識への飢え、人間性を理解したい、キャラクターを創造したい、物語を語りたい、世界を見たいという飢えです。そしてそれは私の目を開き、私の想像力を開いてくれました。自分の人生で当時認識していた境界をはるかに超えて、人生は広がり得るのだという可能性に向けて。あの一筋の光が私の中に欲望を開花させ、私に世界を開いてくれました。それ以来、私はずっとその光を追い続けています。
小さな子供だった頃、入場料を稼ぐためにあらゆる仕事をしたことを覚えています。お金が足りない時は、まあ、なんとかしてその映画館に入る別の方法を見つけ出したものです。
映画は私を世界中に連れて行ってくれます。そして違いを認め、尊重することを助けてくれます。また、私たちがどれほど多くの点で似ているかという、共通の人間性をも示してくれます。出身がどこであろうと、あの劇場の中で、私たちは共に笑い、共に感じ、共に希望を持ち、共に夢を見ます。それこそが、この芸術形式の力です。だからこそ重要なのです。だからこそ、私にとって重要なのです。
ですから、映画を作ることは私がすることではなく、私そのものなのです。そして私は、映画が一人でつくられるものではないことも理解し、尊重し、感謝しています。たった一つの演技、たった一つの声でつくられるのではありません。それはコミュニティによって、職人によって、アーティストによってつくられるものです。彼らはその知識を人から人へ、セットからセットへ、世代から世代へと受け渡していくのです。
私は並外れた監督たちから学びました。並外れた脚本家、俳優、撮影監督、編集者、デザイナー、スタントチーム、映画クルーから学びました。想像力から世界を構築してきた皆さん全員からです。そしてタレントエージェンシーからも学びました、ありがとうございます。劇場主や興行主の皆さん、観客が暗闇に集まり何かを共に体験することを可能にしてくれているここの皆さんからも学びました。そして観客そのものからも学びました。なぜなら、あなた方がいなければ、これらすべては私にとって何の意味も持たないからです。
ですから今夜、私の人生や仕事を共有し形作ってくれた人、この機会、この素晴らしい冒険をする機会を与えてくれた人たちの名前をすべて挙げることはできません。この芸術形式についてより深く理解するための扉を開いてくれた人たち、人生についてより深く理解させてくれた人たちです。名前を挙げようとはしません。きっと誰かを忘れてしまうでしょうから。
しかし、私の前に道を切り開きインスピレーションを与えてくれた、知られざる、あるいは著名なすべてのレジェンドたちへ。そして私が共に働く特権を得た、スタジオや脚本家の部屋、あらゆるセット、編集室、ミキシングステージ、レッドカーペット、世界中のあらゆる劇場で共に立った、すべてのレジェンドたちへ。
お願いがあります。もし私と一緒に仕事をしたことがある方がいらしたら、今立ち上がっていただけませんか? お願いです、少しの間立ち上がってください。ケビン・ハベイン、立ってくれみんな、さあ。皆さん全員です。スタジオの方も、皆さんお願いします。全員です。お願いします。皆さんを見たいのです。
ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう。知ってほしいのです、私は皆さん一人一人を常に心に携えています。皆さんは、私がこれまでにつくった、そしてこれからつくるすべての映画の、すべてのフレームの一部なのです。
知っていてください。私はこの芸術を助けるため、新しい声を支援し擁護するため、映画を力強いものにしている要素を守るために、常に全力を尽くします。できれば、これ以上骨折することなくやれればいいですね。
そして約束します。私にできることをすると。もしかしたら、今この瞬間も必死に働いて入場料を稼ごうとしている、あるいは何とかして劇場に入り込む別の方法を考えている次の世代の子供たちに、インスピレーションを与えることができるかもしれません。この名誉に深く感謝します。本当にありがとうございます。おやすみなさい。ありがとう」

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