自主制作アニメ映画「轍を越えてゆけ」10月10日から1週間限定公開 「ポンポさん」平尾隆之監督が応援コメント寄せる
2025年8月24日 09:00

コロナ禍にインターネット上で集まった約100人によるクリエイター集団「スタジオDOT」による自主制作アニメーション映画「轍を越えてゆけ」が、10月10日からテアトル新宿で1週間限定レイトショーで公開されることが決定した。予告編と本ポスターデザインが公開されている。さらに、「映画大好きポンポさん」の監督として知られる平尾隆之が応援コメントを寄せている。

同作は、戦争を生き残った少女たちが、死後に怪物になってしまうという世界で、友人の死や依存する弱さと向き合い、それぞれに自立していく姿を描く約30分の短編アニメーション作品。イラストレーターのVab.pngが監督に初挑戦し、脚本と原画も兼任した。7月に開催された「ファンタジア国際映画祭2025(第29回)」でワールドプレミア上映を行い、今敏賞(アニメーション部門)にノミネートされたほか、観客賞の最優秀短編アニメーション部門で銅賞を受賞している。世界大戦後に戦争犯罪人となった主人公・ライヒトは、放置された生物兵器「鉄傀」の掃討任務をこなすなかで、上官であり恩人でもあるエススに想いを寄せていた。だが、ある日エススは任務の途中、ある男を追って吹雪の中へと姿を消してしまう。さまざまな葛藤を抱えながら、ライヒトもまた吹雪の中へ足を踏み入れていく。


ライヒト役を威戸れもね。、エスス役をあさみほとり、グロース役を渡部優衣、コメート役を大森綺星、ロンメル役を川瀬陽太、整備長役を小林真奈が担当。主題歌は若手作曲家の虻瀬犬が2月にリリースしたボーカロイド楽曲「かもめ」の別バージョンで、VTuber、VSingerとして活動する小鳥遊ややが歌唱を担当する。


「かもめ(feat. 小鳥遊やや)」が流れる予告編では、エススを探し求めるライヒトの姿をボイス付きで収録。「その一歩で、すべてが変わる。」というコピーが添えられた本ポスターには、エススの手を引くライヒトの姿が描かれている。
スタッフからのコメントと、「映画大好きポンポさん」の平尾監督からの応援コメントは以下の通り。
思えば、今回起用いただいた「かもめ(feat. 小鳥遊やや)」と「轍を越えてゆけ」には幾多の共通した観念があるように思います。
ことの発端は、私の地元、仙台の海を眺めるひとりの男を題材として曲を書き始めたことです。いくら手を動かしても変わらない実情、かつて浜を襲った災害を思いながら、鳥という偶像に現実を託し、祈っているさま。
「轍を越えてゆけ」に起用いただけることが決まり、小鳥遊ややさんに歌っていただいたことで、主題歌としての輪郭が確かに顕れました———ややさんの声は、「轍を越えてゆけ」そのものを音の漣にしたような。音楽の精神性と彼女の歌声の身体性が、この映画のなかで、廻るように響きます。
改めまして。
この作品に参加できたことをココロから嬉しく思い、また、長く羽ばたき続けるであろうことを祈りながら、筆を置かせていただきます。
主題歌の歌唱は、思い切って監督に声をかけ起用していただきました。
「越えてゆけ」という思いが背中を押し、主題歌を担当するという長年の夢が叶いました。
初めて「かもめ」を聴いたとき、胸の奥でまだ言葉にならない感情がざわめき、波のように押し寄せました。
その音に自分の声を重ねられることに、震えるほどの喜びを覚えました。
物語を観て湧き上がる感情を、曲の余韻が静かに心に刻む。
そんなかけがえのない体験をこの作品が与えてくれました
ぜひ大きなスクリーンで映画を観て、その余韻を音で刻まれるひとときを味わっていただけたらうれしいです。
「轍を越えてゆけ」で、初めてプロデューサーとして携わりました。
それまで制作側にいた私は、右も左も分からない場所で「何ができるのか」や「何をするべきなのか」をひたすら考えていました。誰かが残した足跡をたどることもあれば、自らが足跡を残さなければならない局面もありました。
自分で開拓した道の先にあるものは往々にして「孤独」です。それを恐れて他と交わると、待ち受けているものは「衝突」ということもあります。
スタジオDOTは特殊さが少しありますが、自主制作のプロデューサーは「孤独と衝突」の繰り返しで前へ進んでゆくのだと、今の私は思います。
長かったようで短かった制作を経て、「轍を越えてゆけ」がついに公開です。ぜひ劇場にてご覧ください。
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース





