英国の名優テレンス・スタンプさん死去
2025年8月18日 11:30

英国の俳優テレンス・スタンプさんが8月17日に死去したと、米ニューヨーク・タイムズが報じている。87歳だった。家族が死去を確認したが、死因や死去した場所については明らかにしていない。
スタンプさんは1938年7月22日、ロンドンの労働者階級の家庭に生まれた。62年、ハーマン・メルビルの海洋小説を原作とした「奴隷戦艦」で映画デビューを果たし、主演を務めた。当時24歳の青年は「心を打ち砕くブルーの瞳」と評され、この役でアカデミー賞助演男優賞にノミネート、ゴールデングローブ賞新人賞を受賞した。
その後も65年の「コレクター」では蝶を愛する孤独な青年が人間を捕獲するサイコパスを、67年のトーマス・ハーディ原作「遙か群衆を離れて」ではヒロインのジュリー・クリスティを虐待する残酷な軍曹トロイ役を演じるなど、印象的な役柄で存在感を示した。
60年代後半から約10年間、スタンプさんは映画界からほぼ姿を消した。1969年にインドの修行場に向かい、修行者となった。一部では恋愛関係の破綻が原因とされたが、本人は「仕事が見つからなかった」と語っている。30代前半にして、すでにキャスティング担当者たちは「若いテレンス・スタンプ」を求めていたという。
復帰のきっかけは、78年の「スーパーマン」だった。マーロン・ブランドとの共演を望んでオファーを受けたスタンプさんは、クリプトン星の悪役ゾッド将軍を演じ、ホワイトハウスの屋根を突き破って登場する強烈なキャラクターを創造した。かつて「60年代の顔」と呼ばれた青年は、後退した髪の生え際と悪魔的な顔ひげを蓄えた成熟した俳優として観客の前に現れた。
94年の「プリシラ」では中年のトランスジェンダー女性ベルナデット役で新境地を開拓。ぶら下がるイヤリングとグレイッシュ・ブロンドのボブヘア、上品な中間色の衣装で観客を驚かせた。99年のスティーブン・ソダーバーグ監督「イギリスから来た男」では、娘の死を巡って麻薬密売のレコードプロデューサー(ピーター・フォンダ)を追う元重罪者を演じ、特に高い評価を受けた。
最後の出演作となったのはエドガー・ライト監督の「ラストナイト・イン・ソーホー」(2021)。60年以上にわたるキャリアを通じて、常に観客に新たな驚きを与え続けた俳優だった。
私生活では60年代に英国のスーパーモデル、ジーン・シュリンプトンやジュリー・クリスティとの交際が話題となった。02年、64歳の時に29歳年下のオーストラリア人薬剤師エリザベス・オルークと結婚したが、08年に離婚している。
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