ユン・ソンニョル大統領「非常戒厳」宣布の背景とは?「ニュース打破」製作ドキュメンタリー「非常戒厳前夜」9月6日公開
2025年8月18日 14:00

韓国の調査報道専門の非営利独立メディア「ニュース打破(タパ)」が製作したドキュメンタリー映画「非常戒厳前夜」が、9月6日からポレポレ東中野で公開されることがわかった。映画配給会社アギィの第1回配給作品となり、公開初日にはキム・ヨンジン監督が来日し、ポレポレ東中野にて舞台挨拶を行う。あわせて、ポスターと場面写真、予告編が披露された。
2024年12月3日のユン・ソンニョル大統領による突然の「非常戒厳」宣布から始まった韓国の混乱。200万人規模のデモが重ねられ、立ち上がった市民たちは大統領弾劾を実現した。今年7月にユン前大統領が再逮捕され、8月12日にはキム・ゴンヒ前大統領夫人が逮捕された。なぜユン大統領は「非常戒厳」を宣布したのか?その背景には、日本のマスメディアがほとんど報じることのないユン政権によるメディア弾圧と、それに対抗したジャーナリストたちとのドラマチックな闘いがあった。本作はその一部始終を描いたドキュメンタリー映画となっている。
(C)KCIJ-Newstapa「ニュース打破(タパ)」は、イ・ミョンバク政権のメディア介入によって公共放送を不当解雇されたり、辞職したジャーナリストが中心となり立ち上げた調査報道専門の独立メディア。12年1月から報道を開始、13年に非営利民間団体探査ジャーナリズムセンター「ニュース打破」として設立。報道の独立性を確保するため企業広告をとらず、現在約6万人の市民からの支援で運営されている。日本でも「ニュース打破」製作のドキュメンタリー映画「共犯者たち」と「スパイネーション 自白」が18年に劇場公開されている。
(C)KCIJ-Newstapa
(C)KCIJ-Newstapaユン・ソンニョルが検察総長候補者に指名された19年から彼の不正を追及してきた非営利独立メディア「ニュース打破」は、ユン政権によるメディア弾圧の格好の標的となった。ソウル中央地検は、22年の大統領選挙で「ニュース打破」がユン候補を不利にする“フェイクニュース”を流したとして「大統領選挙介入世論操作特別捜査チーム」を編成。23年9月14日の朝、「ニュース打破」本部と記者2名の自宅への家宅捜査が行われた。ちょうどその日は、検察の「特殊活動費」に関する記者会見が行われる日だった。しかし「ニュース打破」はこれに屈せず、自ら受け続ける言論弾圧をキャメラに記録し、さらなる調査報道と法廷闘争によってユン・ソンニョル政権を追い詰めていく。
キム・ヨンジン監督のコメントは、以下の通り。

(C)KCIJ-Newstapa
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