「ファンタスティック・プラネット」「時の支配者」「ガンダーラ」SFアニメーション界の鬼才「ルネ・ラルー ファンタスティック・コレクション」6月20日開催
2025年3月28日 11:00

カルト的人気を誇るSFアニメーションの金字塔「ファンタスティック・プラネット」を生み出したSFアニメーション界の鬼才ルネ・ラルーの長編全3作を一挙上映する「ルネ・ラルー ファンタスティック・コレクション」が、6月20日から渋谷HUMAXシネマほか全国で順次開催される。併せてコラージュアーティストQ-TA氏によるキービジュアルが披露された。
1929年にフランス・パリに生まれ、そのイマジネーションにあふれる世界観と唯一無二の独創性で、時代を超え熱狂的に愛されるSFアニメーション監督ルネ・ラルー。大人向けの長編アニメが皆無に等しかった1970~80年代のフランスで、ローラン・トポール、メビウス、フィリップ・カザという魅力的なアーティストたちとタッグを組み、予算の問題から自国フランスではなく、チェコスロヴァキア、ハンガリー、北朝鮮の制作スタジオを頼って、壮大なSF世界の視覚化に情熱を燃やし続けた鬼才だだ。日本とも縁深く、1998年開催の第7回広島国際アニメーションフェスティバルでは審査委員長を務め、2006 年には同フェスティバルでルネ・ラルー賞が設立された(広島国際アニメーションフェスティバルは2020年に終了。後継企画は、ひろしまアニメーションシーズン)。

今回の特集「ルネ・ラルー ファンタスティック・コレクション」では、ラルーが残した長編全3作を一挙上映する。アニメーションとして世界で初めてカンヌ国際映画祭の審査員特別賞を受賞、日本でも長きにわたってカルト的人気を博し、コロナ禍の2021年に行われた上映では満席回を全国各地で出した、デビュー作「ファンタスティック・プラネット」。本作はフレンチSFのパイオニアであるステファン・ウルの原作「Oms en Série」をもとに、ブラックユーモア溢れる幻想的な画風のアーティスト ローラン・トポールが4年の歳月をかけて原画デッサンを描き、<切り絵アニメーション>という手法でルネ・ラルーが映画化した。

2作目「時の支配者」では、再びステファン・ウルの「ペルディド星の孤児」を元に、日本の漫画家やイラストレーター、映画監督をはじめ、マーベルなど世界中のクリエイターに多大な影響を与えたバンド・デシネ界の巨匠メビウスを迎え、3年の歳月をかけてタイム・パラドックスSFを完成させる。メビウスがキャラクターデザインから、衣装、宇宙船、背景、色彩の設定、ストーリーボードの作成まで手がけたことで、ルネ・ラルーとの奇跡のコラボレーションが叶った作品だ。

3作目であり最後の長編作となった「ガンダーラ」は、平和な未来都市を舞台に、これからの世界の問題を予見していたかのような衝撃的な物語で、多くの観客を驚かせます。SF イラストレーターのフィリップ・カザがキャラクターデザインを担当し、音楽は「イングリッシュ・ペイシェント」「リプリー」「ベティ・ブルー 愛と激情の日々」で有名なガブリエル・ヤレドが手掛けている。なお「時の支配者」「ガンダーラ」はともに4K修復された素材による上映となり、この2作品のDCP上映は今回が初となる。6月20日から渋谷 HUMAXシネマほか全国順次開催。
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