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笑福亭鶴瓶&原田知世、重岡大毅&上白石萌音は奈良で初めて顔を揃えた日に何を語り合ったか?【「35年目のラブレター」現場ルポ】

2025年3月5日 12:00

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奈良の撮影現場での笑福亭鶴瓶と原田知世
奈良の撮影現場での笑福亭鶴瓶と原田知世
(C)2025「35年目のラブレター」製作委員会

笑福亭鶴瓶原田知世が夫婦を演じた「35年目のラブレター」の撮影現場が2024年3月、奈良県奈良市の荒池園地で報道陣に公開された。映画.comでは鶴瓶と原田、若き日のふたりに扮した重岡大毅上白石萌音がロケ地・奈良で初めて顔を揃えたこの日、どのような対話がなされたのかに迫る。

今日も嫌がらせ弁当」の塚本連平監督がメガホンをとった今作は、2003年に朝日新聞で紹介され、創作落語にもなるなど話題を集めた実話に惚れ込んだ塚本監督とプロデューサーの森谷雄氏(「ミッドナイトスワン」)が映画化したもの。主人公の西畑保役には鶴瓶しかいないと、森谷氏が脚本の改稿を重ねながら口説き続け、1年越しで出演快諾を取り付けたという。


【ストーリー】
戦時中に生まれて十分な教育を受けることができず、文字の読み書きができない65歳の西畑保と、いつも彼のそばにいる最愛の妻・皎子(きょうこ)。貧しい家に生まれ、ほとんど学校に通えないまま大人になった保は、生きづらい日々を過ごしてきた。
画像5(C)2025「35年目のラブレター」製作委員会
やがて皎子と出会い結婚するが、幸せを手放したくないばかりに読み書きできないことを彼女に打ち明けられずにいた。半年後、ついに事実が露見し別れを覚悟する保だが、皎子は彼の手をとり「今日から私があなたの手になる」と告げる。どんな時も寄り添い支えてくれた皎子に感謝の手紙を書きたいと思った保は、定年退職を機に夜間中学に通い始める。

荒池園地で撮影が行われたこの日は、ベンチでたこ焼きを分け合って食べていたが、保が半分以上食べたことに気づいた皎子が「許せん! 食べもんの恨みは怖いで! 死んでも出たる!」と怒り、保を置いてその場を去るというシーンを撮影。鶴瓶と原田はベンチに座り、セリフの読み合わせをするなど準備に余念がない。「死んでも出たる!」と口ずさむ原田に対し、鶴瓶が「おお、そうそう。バッチリや。死んでも出たる。そうや」と細い目をさらに細めて絶賛するなど、息の合ったやり取りを確認することができた。

画像2(C)2025「35年目のラブレター」製作委員会

本編中で、同じシチュエーションが現代と過去の両方で描かれるため、昼食を挟んで午後からは若き日の西畑夫妻(重岡と上白石)が現場入り。クランクインしてから初めて現在と過去の西畑夫妻が顔を揃える機会となった。

重岡と上白石がベンチに座ると、周囲を散歩するエキストラの衣装も午前中とは打って変わって70年代のものに変更。上白石が原田と同じく「死んでも出たる!」とまくしたてると、重岡は「えええ!」とオーバーリアクションを披露。周囲のスタッフから「どことなく鶴瓶さんを彷彿(ほうふつ)させるよな」という声が漏れ聞こえるほど、リンクするひと幕も見られた。

画像3(C)2025「35年目のラブレター」製作委員会

荒池園地には天然記念物の鹿たちが思い思いに過ごしており、スタッフが「鹿がいなかった日はない」と言い切るほど。ただし、必要なときにいてくれるとは限らない。フードコーディネーターがたこ焼きにソースを塗っているあいだに鹿がいなくなることも……。この日は報道陣も鹿せんべいを片手に鹿を呼び込む手伝いを買って出るなど、どこまでも穏やかな撮影現場であったことが本編からも伝わるはずだ。

撮影が終了すると4人が取材に応じたが、鶴瓶を中心に笑いの絶えないものとなった。演じるうえでカギになったのは、関西弁だったという。

上白石「重岡さんに関西弁をいっぱい教えていただきました」
重岡「すごく上手なんですよ。なんでか知らんけど、現場にも関西の方が多くて」
上白石「そうなんですよ。関西弁にあふれた現場で楽しかったです」
原田「関西弁は難しかったのですが、関西出身のスタッフさんが本当に多くて、あちこちから助け船を出していただきました」
鶴瓶「ややこしくなるもんなあ(笑)」
原田「鶴瓶さんにも本番直前まで何度も『これで大丈夫ですか?』って聞いていただいて、本当に心強かったです」
鶴瓶「俺がもう関西弁、分からなくなってくんねん。さっきもタイムキーパーの人に怒られたんや。“僕”のイントネーションが違うてな」
画像4(C)2025「35年目のラブレター」製作委員会

上白石にとっては、周防正行監督作「舞妓はレディ」以来、実に11年ぶりの関西弁での芝居となった。ネイティブな関西弁を話す鶴瓶と重岡は、それぞれの“伴侶”の話す関西弁の上達具合を聞いた。

鶴瓶「原田さんは関西弁、うまいですよ。歌をうたっているからなのか、耳がいいからなのかわからへんけど、すごくうまいんですよ。関西でもいろいろありますからね。ところによって言い方も変わるんやけど、それを一生懸命やってはる。かわいいで、関西弁をしゃべる原田さんは」
重岡「萌音ちゃんも関西弁、とても上手ですよ。歌もうたうからですかね」
鶴瓶「うん。歌やな、やっぱ」
重岡「関西弁も好きなんだよね?」
上白石「はい、嫌がられるくらい聞きます(笑)」
鶴瓶「たとえば?」
重岡「『池に突き落とすよ!』って関西弁でなんて言うの? とか(笑)」

鶴瓶が放つ唯一無二の穏やかな雰囲気があればこそ、現場全体を和やかなものに包み込んでいくのだろう。上白石は芝居を通して、重岡と鶴瓶がリンクすることが何度となくあったと明かす。

上白石「シーンの中でニヤッと笑ったときの顔が『いまの鶴瓶さんみたい』と感じることがありました。重岡さんらしさはもちろんあるのですが、何度か鶴瓶さんと重なる瞬間があってドキッとしました」
鶴瓶「あかんで、それはあかん(笑)。自分の職業に戻さなあかん」

豪快に笑い飛ばす鶴瓶が座長として牽引した今作の“優しい”世界観を、劇場で体感してもらいたい。映画は、3月7日から全国で公開。

執筆者紹介

大塚史貴 (おおつか・ふみたか)

X(Twitter)

映画.com副編集長。1976年生まれ、神奈川県出身。出版社やハリウッドのエンタメ業界紙の日本版「Variety Japan」を経て、2009年から映画.com編集部に所属。規模の大小を問わず、数多くの邦画作品の撮影現場を取材し、日本映画プロフェッショナル大賞選考委員を務める。

Twitter:@com56362672


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