デビッド・リンチ監督が死去、78歳 昨年肺気腫を公表
2025年1月17日 05:47

「ツインピークス」「ブルーベルベット」などで知られる、デビッド・リンチ監督が1月15日(現地時間)に死去したとリンチ監督の家族が16日、SNSで発表した。78歳だった。死因は明らかにされていないが、リンチ監督は2024年8月に、長年の喫煙が原因での肺気腫であることを公表していた。
リンチ監督の家族は、「彼がいなくなった今、世界には大きな穴が開いた。しかし、彼が言うように、『穴ではなくドーナツに目を留めなさい』」とメッセージを残している。
1946年、アメリカ・モンタナ州生まれ。米コーコラン・スクール・オブ・アーツやペンシルベニア美術アカデミー、アメリカン・フィルム・インスティテュート(AFI)で絵画から映像制作にいたるまで広く学び、5年かけて完成させた映画「イレイザーヘッド」(1977)で鮮烈な監督デビューを果たす。
続く「エレファント・マン」(80)がアカデミー作品賞にノミネートされ、自身も監督賞、脚色賞(クリストファー・デボア&エリック・バーグレンと共同)の候補に挙がった。フランク・ハーバートの大長編SF小説を映画化した「砂の惑星」(84)を経て、「ブルーベルベット」(86)で再びアカデミー監督賞にノミネート。90年の「ワイルド・アット・ハート」はカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した。
TVドラマ「ツイン・ピークス」(90~91)は米国だけでなく日本でも大ヒットし、92年にはドラマ版の前日譚にあたる映画「ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間」を発表する。
01年の「マルホランド・ドライブ」では、カンヌ国際映画祭の監督賞をジョエル・コーエン(「バーバー」)とともに受賞し、3度目のアカデミー監督賞ノミネートを果たした。その後「インランド・エンパイア」(06)でも不条理な世界観を幻想的に描出。映画だけでなく、現代アートや音楽の分野でも独自のセンスを発揮している。16年には「ツイン・ピークス」の続編となるTVドラマを監督。
俳優としてもスティーブン・スピルバーグ監督の自伝的作品「フェイブルマンズ」(22)にジョン・フォード監督役で出演。主人公のサミー・フェイブルマンに映画製作のアドバイスをするという印象的なカメオ出演だった。
私生活では、「ブルーベルベット」に出演したイタリア人女優イザベラ・ロッセリーニとの交際が有名。最初の妻ペギー・レンツとの間に生まれた娘ジェニファー・チェンバース・リンチも映画監督になり、2番目の妻メアリー・フィスクとの間にもうけた息子オースティン・リンチも映像作家として活動する。その後2度再婚している。ヒンズー教の指導者マハーリシ・マヘーシュ・ヨーギー師が創始した瞑想法、超越瞑想に傾倒していることでも知られ、05年には子どもたちへの瞑想教育を支援するために非営利の団体「デビッド・リンチ財団」を設立した。
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