黒沢清監督、仏・芸術文化勲章オフィシエを受章 「身に余る光栄」と感謝 最新作「蛇の道」6月14日公開
2024年6月11日 14:00

「岸辺の旅」「スパイの妻 劇場版」などを手掛け、最新作「蛇の道」が6月14日に公開を控える黒沢清監督が、フランスの芸術文化勲章オフィシエを受章し、6月10日に仏大使公邸で叙勲式が行われた。
1957年に創設された同章は、芸術・文学の領域で創造・普及に傑出した功績のあった人物に授与されるもの。日本人では過去に北野武や草間彌生、市川海老蔵、坂本龍一らが受章している。
叙勲式では、駐日仏大使のフィリップ・セトン氏が、黒沢監督の幼少時代までさかのぼった経歴と、映画監督としての功績を紹介。会場のスクリーンでは、黒澤監督がオール外国人キャスト、全編仏語で撮りあげた初の海外作品「ダゲレオタイプの女」に出演したタハール・ラヒムやコンスタンス・ルソー、黒澤監督と親交のあるアルノー・デプレシャン監督、クレール・ドゥニ監督ら映画人からのお祝い映像が流れ、最新作「蛇の道」に出演したマチュー・アマルリックも「日本で撮られる映画に出られるなら、飛んでいきますからね! そしてフランスでもまた映画を撮ってくださいね!」とメッセージを寄せた。

黒沢監督は「(お祝い)映像を想像もしていなかったので準備してきたものを読むべきかどうか……」とためらいながらも、「いくつかの幸運が重なって、映画を作る立場になり今日まで続けております。気づくと自らゆっくりとフランスに接近していたのか、フランスの方から近づいてきたのか、真相はわかりません。いずれにせよ、映画を続けるうちに、とうとう今夜のような名誉をフランスからいただくことになりました。驚くべきことです。身に余る光栄です」とコメント。
そして、フランスに接近しはじめたのは、映画評論家の蓮實重彦氏に「ジャン=リュック・ゴダールを真似するべし」と言われたことがきっかけだと明かし、会場に駆けつけた蓮實氏に感謝を述べた。そして、映画評論家の梅本洋一氏、映画プロデューサーの吉武美知子氏には「全身全霊で」サポートを受けたと話し、「フランス在住の多くの友人ができたことはかけがえのない思い出」だと語った。大学時代に知り合い、常に黒沢監督を支えた妻にも感謝を伝え、「いろいろな人との出会いがあり、想像もしなかった晴れがましい出会いがあることを知りました。ありがとうございます」と挨拶を締めくくった。
黒澤監督の最新作「蛇の道」は、98年に劇場公開された同名タイトルをセルフリメイク。柴咲コウを主演に迎え、全編・仏ロケ、仏語で撮影した。
8歳の愛娘を何者かに殺されたアルベール・バシュレ(ダミアン・ボナール)は、偶然出会ったパリで働く日本人の心療内科医・新島小夜子(柴咲)の協力を得ながら、犯人探しに没頭。復讐心を募らせていく。だが、事件に絡む元財団の関係者たちを拉致監禁し、彼らの口から重要な情報を手に入れたアルベールの前に、やがて思いもよらぬ恐ろしい真実が立ち上がってくる。
「蛇の道」は6月14日全国公開。
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