永井荷風×令和パパ活女子 軽薄な男たちと奔放にたくましく生きる女たち描く「つゆのあとさき」予告編&ポスター
2024年5月29日 18:00

永井荷風が1931年に発表した同名小説を原案とし、舞台をコロナ禍の渋谷に置き換え、パパ活をすることになった女性の青春と友情を描く映画「つゆのあとさき」の予告編とポスターが公開された。
小説は昭和初期の銀座のカフェーを舞台に、自由奔放だが逞しく生きる女給の主人公と彼女と関係を持つことになる軽薄な男たちを描き、大文豪・谷崎潤一郎に「文学史上に我が昭和時代の東京を記念すべき世相史、風俗史とでも云ふべき作品」と激賞された名作であり、「昭和初期の銀座の風俗史」ともいえる作品だ。映画は、小説の持つ普遍性を踏襲しながら、時代をコロナ禍の渋谷に置き換えパパ活で自分たちのことを体目当てにしか考えていない男たちを相手に、奔放さと逞しさを持って生き抜こうとする女性たちの生き様を描く。監督は山嵜晋平、脚本は「戦争と一人の女」(12)や「さよなら歌舞伎町」(14)、「花腐し」(23)の中野太。
“パパ活をする女性達”の配役をオーディションで選出し、主人公の琴音には、約200名の中から主演に選ばれた新人の高橋ユキノ。出会い系喫茶で知り合い、友人となるさくら役には、ムロツヨシ演出・出演の舞台「muro式.がくげいかい」で注目を集めた西野凪沙。琴音の友人でホストに貢ぐためにパパ活を続ける楓役には、若者の支持を集める吉田伶香が演じる。そして“パパ活をする男たち”は、前野朋哉、渋江譲二、守屋文雄、松㟢翔平、テイ龍進の個性派俳優が顔を揃える。
キャバクラで働いていた琴音は、コロナ禍で店が休業、一緒に住んでいた男に家財を持ち逃げされ、家賃を払えなくなり、行き場を失ってしまう。そんな中、知り合った楓の 紹介で出会い系喫茶に出入りするようになり、男性客とパパ活をすることで日々を切り抜ける生活をしている。ある日同じくパパ活をする大学生のさくらと出会い、生まじめで何事も重く受け止めてしまうさくらと琴音は不思議とウマが合い、友情を深めていくのだった。軽薄な男たちと、生活のため、ホスト通いのため、学費のため、様々な理由でパパ活をする女性達の対比で物語は進んでいく――。
「つゆのあとさき」は6月22日ユーロスペースにて公開。
(C)2024BBB
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