【第96回アカデミー賞】ダバイン・ジョイ・ランドルフが助演女優賞! 「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」で初受賞
2024年3月11日 08:25

第96回アカデミー賞(2024)の授賞式が3月10日(現地時間)、米ロサンゼルスのドルビーシアターで行われ、「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」のダバイン・ジョイ・ランドルフが助演女優賞を初受賞。同部門初のノミネートで、オスカー像を手にした。
本作は、「サイドウェイ」(2004)のアレクサンダー・ペイン監督とポール・ジアマッティがタッグを組んだドラマ。物語の舞台は、1970年代の米マサチューセッツにある全寮制の寄宿学校。生真面目で皮肉屋で、学生や同僚から嫌われている教師ポール(ジアマッティ)は、クリスマス休暇に家に帰れない学生たちの監督役を務めることに。そんなポールと、母親が再婚したため、寄宿舎に居残ることになった学生アンガス(ドミニク・セッサ)、寄宿舎の食堂の料理長で、息子をベトナム戦争で亡くしたメアリー(ランドルフ)という、それぞれ立場の異なる3人が、疑似家族のように休暇を過ごす。
受賞の瞬間、感極まったように涙を流したランドルフは、「神は素晴らしい方です。私は、こんなキャリアを歩むとは思っていませんでした、最初はシンガーだったのです。母は私にこう言ったんです。『あの通りの向こうの演劇科に行きなさい、何かがあるはずだから』と。母に感謝します」と、声を震わせる。
そしてランドルフは、「私のそばにいてくださった人たち、導いてくださった人たち、ここにいる全ての美しい人たちに感謝します。長きにわたって、私はいつも異なる存在になりたいと思っていましたが、いまはただ、私らしくいればいいと気付いたんです。私のことを見てくださって、ありがとう」と感謝を伝える。そして、キャリアの初期に出会った教師との思い出を振り返り、「私がクラスで唯一の黒人の女の子だったのですが、(先生は)私を見てくれました、導いてくれました。私が自分自身を見られていないと伝えたときも、『大丈夫、これから自分の道のりを築いていこう』と言ってくれました」と、思いの丈を述べた。そして最後に改めて、「私のことを見てくれて、ありがとう」という言葉で、スピーチを締めくくった。
ペンシルベニア・フィラデルフィア出身のランドルフは、テンプル大学で声楽、オペラ、ミュージカルを学んだ後、イェール大学大学院ドラマ学部に進み、2011年に修士号を得る。翌12年にブロードウェイデビューを果たし、「Mother of George(原題)」(13)で映画に初出演。テレビドラマ「セルフィー」や映画「余命90分の男」(ともに14)などを経て、助演を務めたエディ・マーフィ主演作「ルディ・レイ・ムーア」(19)の演技で注目を集め、以降は「ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ」(21)、「ザ・ロストシティ」(22)などに出演する。
「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」でランドルフは、第81回ゴールデングローブ賞をはじめ、2023年のニューヨーク映画批評家協会賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、ボストン映画批評家協会賞、第58回全米映画批評家協会賞、クリティックス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)、第77回英国アカデミー(BAFTA)賞、第30回米俳優組合(SAG)賞、第39回インディペンデント・スピリット賞など、映画賞を総なめ。そして作品賞を含む5部門にノミネートされた第96回アカデミー賞で、助演女優賞を初受賞した。
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