戦後ドイツを代表する芸術家アンゼルム・キーファーをヴィム・ヴェンダースが3Dで映す「アンゼルム」6月21日公開
2024年3月8日 08:00

ヴィム・ヴェンダース監督が、戦後ドイツを代表する芸術家であり、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られるアンゼルム・キーファーの生涯と、その現在を追ったドキュメンタリー「Anselm」(原題)が、「アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家」の邦題で、6月21日公開される。日本版ポスタービジュアルと場面写真2点が披露された。
「PERFECT DAYS」(23)で第76回カンヌ国際映画祭 主演俳優賞(役所広司)を受賞し、第96回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたことも記憶に新しい、ドイツの名匠ヴェンダース。「パリ、テキサス」(84)、「ベルリン・天使の詩」(87)などの劇映画だけでなく、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」(99)、「Pina ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」(11)、「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」(14)などドキュメンタリーも手掛け、世界各国から高い評価を受けてる。

アンゼルム・キーファーは、ナチスや戦争、神話などのテーマを、絵画、彫刻、建築など多彩な表現で壮大な世界を創造する、戦後ドイツを代表する芸術家。1991年、高松宮殿下記念世界文化賞・絵画部門を受賞。ヴェンダース監督と同じ、1945年生まれであり、初期の作品の中には、戦後ナチスの暗い歴史に目を背けようとする世論に反し、ナチス式の敬礼を揶揄する作品を作るなど“タブー”に挑戦する作家として美術界の反発を生みながらも注目を浴びる存在となった。1971年からは、フランスに拠点を移し、わらや生地を用いて、歴史、哲学、詩、聖書の世界を創作している。彼の作品に一貫しているのは戦後ドイツ、そして死に向き合ってきたことであり、“傷ついたもの”への鎮魂を捧げ続けている。また、日本では2025年3月下旬から6月下旬まで、世界遺産・二条城でアンゼルム・キーファーの大規模個展が開催されることも決定している。

本作の製作期間には2年の歳月を費やし、3D&6Kで撮影。従来の3D映画のような飛び出すような仕掛けではなく、絵画や建築を、立体的で目の前に存在するかのような奥行きのある映像を再現し、ドキュメンタリー作品において新しい可能性を追求した。「先入観を捨てて、この衝撃的なビジュアルをただ楽しんでもらいたい」とヴェンダース監督は語る。キャストには、キーファー本人のほか、自身の青年期を息子のダニエルが演じ、幼少期をヴェンダース監督の息子、アントンが務めている。
6月21日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国順次公開。
関連ニュース


「東京画」から40年。東京の変化を見つめ続けるヴィム・ヴェンダースに聞く 東京国際映画祭と新作「PERFECT DAYS」
2023年10月28日 12:00




映画.com注目特集をチェック

ガンニバル
【衝撃の問題作】なぜ世界は「ガンニバル」にハマるのか? “絶対的支持”の理由を徹底解説!
提供:ディズニー

BETTER MAN ベター・マン
【観ないとぜっったい後悔する】「グレショ」監督最新作!ラスト5分の破壊力に、感動を超えて放心状態
提供:東和ピクチャーズ

シリーズ未見の人が観たら…
【大好きなやつでした】不覚にも“秒”で沼にハマって大変なことになった話
提供:ツインエンジン

すごすぎて言葉にならない映画
【社会現象「パラサイト 半地下の家族」の次はこれ】“超痛快逆襲エンタメ”でアドレナリン全開
提供:ワーナー・ブラザース映画

映画料金2000円は高すぎるだろ!!!!
【…というあなたに】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます
提供:KDDI

35年目のラブレター
【感動実話に“とんでもない絶賛”の嵐】噂を聞きつけ実際に観てきたら…忖度なし正直レビュー!
提供:東映

聞かせてくれ、「ガンニバル」の感想を――
【感想投稿で豪華賞品が当たる】ちょっとでも観たことある人、今すぐ参加して!(提供:ディズニー)