ケリー・ライカート監督作、“日本初”全国公開! 甘いドーナツで一攫千金を夢見る男たちの友情物語
2023年10月20日 10:00

“現代アメリカ映画の最重要作家”と称されるケリー・ライカート監督の“日本初”全国公開作で、A24が本国配給を担った「First Cow(原題)」が、「ファースト・カウ」の邦題で、12月22日に公開されることがわかった。第70回ベルリン国際映画祭金熊賞にノミネートされ、ポン・ジュノ監督、ジム・ジャームッシュ監督、トッド・ヘインズ監督、濱口竜介監督らが絶賛した。
1964年、米フロリダ・マイアミで生まれ、94年の「リバー・オブ・グラス」で映画監督デビューを果たしたライカート監督。その後長らく、日本で彼女の作品を見られる機会は限られていたが、2021年にケリー・ライカート監督特集上映が行われると、満席回が続出した。
本作は、ベルリン国際映画祭など、世界中の映画祭で計157部門にノミネート、27部門を受賞した。ポン監督(「パラサイト 半地下の家族」)は、「私には決して真似のできないものであって、とてつもなく、うらやましい」と、その才能を羨望。作家ファーストであり、オスカー常連でもあるA24が本国配給を担当し、独自の視点を追求し、一貫したスタイルで映画を撮り続けているライカート監督との初タッグが実現した。
物語の舞台は、西部開拓時代のオレゴン。アメリカンドリームを求めて未開の地にやってきた料理人のクッキー(ジョン・マガロ)と、中国人移民のキング・ルー(オリオン・リー)。ともに成功を夢見るふたりは自然と意気投合し、やがてある大胆な計画を思いつく。それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルクを盗み、ドーナツで一攫千金を狙うという、“甘い甘いビジネス”だった。
原作は、ライカート作品の脚本を多数手がけてきたジョナサン・レイモンドが2004年に発表した小説「The Half-Life」。ライカート監督が、男同士の友情を描いた物語に惚れ込み、長年の構想の末、映画化された。映画の冒頭では、詩人ウィリアム・ブレイクの言葉「鳥には巣、クモには網、人間には友情」が引用される。ドーナツ作りを通して、ふたりの男の間に少しずつ友情が芽生えていく過程を美しく描いたストーリーは、観客に「友情とは何か」と問いかける。
「ファースト・カウ」は、12月22日から東京のヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国で公開。
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