「沈黙の艦隊」大沢たかおと玉木宏、海上自衛隊を前にトーク 毎週金曜にカレーを食べていたと明かす
2023年9月22日 05:00

大沢たかお主演で、かわぐちかいじ氏の人気漫画を映画化する「沈黙の艦隊」。9月29日の公開を前に、主演の大沢たかおと玉木宏が広島県の呉にある海上自衛隊呉資料館<てつのくじら館>で50人の海上自衛隊を前にトークイベントを実施した。
主演であり、本作のプロデューサーも務める大沢が日本初の原子力潜水艦に核を積み反乱逃亡する海江田四郎を演じ、玉木は逃亡した海江田を追う海自ディーゼル潜水艦艦長・深町洋を演じる。さらに、上戸彩、中村倫也、水川あさみ、ユースケ・サンタマリア、中村蒼、江口洋介ら実力派のキャスト陣が集結し、重厚な世界観を熱演。監督は「ハケンアニメ!」(22)の吉野耕平。制作は「キングダム」や「銀魂」などを手がけるクレデウス。
潜水艦の町とも呼ばれる広島県呉市。本編撮影時には<てつのくじら館>に展示されている潜水艦<あきしお>の非公開エリアでの撮影が行われ、主演の大沢は本編撮影前に広島県・江田島にある幹部候補生学校を訪れ、候補生との交流や所作指導を受け、役作りに活かした。
大沢と玉木は海上自衛隊呉地方総監 海将・二川達也氏、第1潜水隊群司令1等海佐植田康照氏の案内の元、<てつのくじら館>の展示を見学。さらに、潜水艦<あきしお>の中を見学し、潜水艦の狭さや機能に触れた。
トークイベントは、自衛官を前に「本日ようやく直接ご挨拶に伺えて嬉しく思いますし、楽しみにしておりました。このような場では黄色い声援を頂くことが多いのですが、今日はそれが全くなく、『来る場所を間違えてしまったのかなぁ…』と思いましたが(笑)、皆さんの凛々しい姿を見て納得しました」(大沢)、「本日お越し頂いた皆さんの中には原作を読んでいない方はいらっしゃらないですよね(笑)」(玉木)と、和やかな雰囲気で行われた。
所作指導や撮影協力時のエピソードでは「江田島の幹部候補生学校で、みなさんの起床時刻の6時から生活の様子を見学させて頂きました。何故か途中から僕の制服があって、訓練に参加することになって(笑)。あの場で制服を着てみなさんと敬礼をしたり、時間を共にしたことで、海江田の役作りの核を掴めたのでとても感謝しています」(大沢)、「僕は今回は横須賀の基地のほうで潜水艦の中に入って、各役割によってどのような所作をするのかという部分を指導頂いて、艦長としての対応などを伺いました」(玉木)と振り返る。また自衛隊の習慣にならい、撮影現場では毎週金曜日にカレーを食べていたこと明かした。
自衛官との質疑応答も行われ、今年の春先まで呉の潜水艦で副長をしていた自衛官から「発令所は作戦の中枢になるため特別ですし、身の引き締まる空間だと思います。映画の中でも精巧な発令所のセットで撮影されていていかがでしたか?」と問われると、「美術さんが実物は中々見ることが出来ない中、ネットや様々な情報を集めてセットを作ってくださって。さらに現場にはずっと自衛官の方に居て頂きご意見を伺いながら撮影ができたので、架空のものではあるものの皆さんのお墨付きが頂けるレベルのものを作り上げられたのではないかと思います。以前、呉で艦長をなさっていた方とお話した際、艦長は厳しい存在なのかと思っていたら、やはり狭い空間で長期間一緒に過ごすので、不安にさせないようになるべく表情に出さず、家族のように過ごすとおっしゃっていました。ただ僕は自衛隊の皆さんを裏切って逃亡する役なので…(笑)。理想的な艦長は玉木くんに任せました」(大沢)
「今作の中では海江田と深町の対比が重要だと思っていました。艦長はいかなる状況であれ焦りや不安を見せてはいけない存在だと思いますが、作品の中では海江田が“静”の存在でそれに対比する深町は“動”の存在でありたいなと思い、発令所の中では動き回って、隊員に寄り添うことを意識して演じていました。疑似的な潜水艦の空間で撮影するだけでも中々厳しい環境だと感じたので、実際に海に出られる方々は相当な覚悟を持っていると感じました」(玉木)と真摯に回答していた。
そして、最後に大沢が「映画は様々な手法で撮影がされていますが、実際に潜水艦にカメラをつけて撮影するなど世界に先駆けて行えたことは本当に感謝しております。この作品は僕らの映画というよりも皆さんと一緒に作った作品だと思っております。是非皆さんも制作者のひとりと思って観て頂けるとより楽しんで頂けると思います。本当にありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えていた。
「沈黙の艦隊」は、9月29日から全国公開。
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