スタジオポノック「屋根裏のラジャー」“経営危機”乗り越え完成へ 西村義明プロデューサー「大変な製作だった」
2023年8月21日 18:45

スタジオポノックの最新長編アニメーション映画「屋根裏のラジャー」の製作報告会見が8月21日、都内のホテルで行われ、百瀬義行監督と西村義明プロデューサー、声優として出演した寺田心、安藤サクラ、イッセー尾形が出席した。
ポノックとしては、2017年に興行収入32億9000万円の大ヒットを記録した「メアリと魔女の花」に続く2作目の長編として、当初は昨年夏に公開が予定されていた。しかし、コロナ禍による製作の遅れとそれに伴うクオリティ維持への懸念などから昨年1月に延期を発表。今年12月15日の公開が決まり、西村氏は「延期は私の一存で決められることではないが、製作を続行した場合に人件費もかかるし相当な金銭的な負担もあった。完成させるまでに、経営的な挑戦もあり大変な製作だった」と明かした。

その大きな要因になったのが、アニメ表現のために新たに取り入れた手法。主人公のラジャーは人間の想像が生み出したイマジナリと呼ばれるキャラクターで、西村氏は「フランスのアニメーターが使っている技術があれば、アニメを一歩前に進められる」と説明。百瀬監督も「絵のスタイルもキャラクターも、一つの作業を挟むことで肌に質感を与えるなど今までと違ったテイストの絵になっている。そのためにスケジュールを延ばしてもらった」と話した。

手描きのセルは10万枚以上に及び、現段階でほぼ完成に近い形にまでこぎつけたという。百瀬監督は、「より洗練された絵作りになっている。メインのスタッフに効果音、音楽などが入ったものを見てもらったが、皆が手応えを感じているようで心強かった。ホッとしている部分もある」と自信のほどをうかがわせた。

ラジャーの声を担当した寺田は、オーディションで役を勝ち取り「1枚の絵とセリフにふれ、イマジナリの世界に凄くひかれた。ほかの誰かではなく、自分が絶対に演じたいと思った。念願の役なので、決まった時は男ですけれど泣きそうになった」と笑顔。アフレコは声変わりに差し掛かる時期だったため、一部プレスコも採用されたが「僕の中にラジャーが入って、冒険をしている感覚だった。ひたすら楽しかった」と声を弾ませた。


ラジャーを生み出す少女アマンダの母リジー役の安藤は、「原作を娘に読み聞かせしたらゲラゲラ笑って喜んでいたので、早く映画を見せたい」と期待。ラジャーを追う謎の男ミスター・バンティング役の尾形も、「台本を読んでもよく分からなかったが、絵を見たら凄く親近感が湧いて私以外にはないと思った」と自信たっぷりだった。

西村氏の古巣であるスタジオジブリは、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」で鈴木敏夫プロデューサーが「宣伝をしない宣伝」を遂行。だが、西村氏は「早めにでき上がると思うので、多くの方が見た方がいいよとなるはず。宣伝したくなる宣伝をします」と言葉に力を込めた。
「屋根裏のラジャー」は、12月15日から全国公開。キャラクター&声優キャストの情報は、以下の通り。
少女アマンダの想像から生まれたイマジナリ。
本屋の2階に暮らす、ラジャーを生み出した少女。
アマンダの母。シャッフルアップ書店の店長。
イマジナリの町でラジャーが出会う少女。
ラジャーの前に現れる怪しげな猫。
田舎で暮らす、アマンダの祖母。
ラジャーをつけ狙う謎の男。
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