スカーレット・ヨハンソン、ウェス・アンダーソン監督作品の魅力は? 「アステロイド・シティ」インタビュー独占入手
2023年7月24日 16:00
スカーレット・ヨハンソンが、ウェス・アンダーソン監督作品に初出演を果たした「アステロイド・シティ」の撮影現場を振り返るインタビューを、映画.comが独占入手(※「犬ヶ島」への声の出演を除く)。ヨハンソンは、「みんなで交響曲をつくったような感覚です」と、充実した撮影を語った。
アンダーソン監督と盟友ロマン・コッポラが共作で原案を担い、アンダーソン監督が単独で脚本を手がけた。アメリカでの先行公開3日間で、1劇場あたりの興行収入13万2000ドルをあげ、「ラ・ラ・ランド」以来の最高記録を樹立。さらに拡大公開後初週の週末3日間の興収が、アンダーソン監督作品史上最高記録を達成した。
時は1955年、アメリカ南西部に位置する砂漠の街、アステロイド・シティ。隕石が落下してできた巨大なクレーターが最大の観光名所であるこの街に、科学賞の栄誉に輝いた5人の天才的な子どもたちとその家族が招待される。子どもたちに母親が亡くなったことを伝えられない父親、マリリン・モンローを彷ふつとさせるグラマラスな映画スターのシングルマザー。それぞれがさまざまな思いを抱えるなか、授賞式が幕を開けるが、祭典の真最中に宇宙人が到来。予想もしなかった大事件で、人々は大混乱に陥る。
ヨハンソンは、アンダーソン監督の撮影現場について、「セットで完全なる世界を作ってくれるので、まるで舞台に立っているかのような感じがします」と明かす。サウンドステージで撮影する作品は、トレーラーでの待機時間が多いそうで、「そうするとテンションが下がります。退屈して、『こんなところで時間を潰している場合かしら?』と人生を振り返ってしまうことも(笑)。それはどうしようもないことなのですが、ウェスの現場はとても生き生きしているから、そんな疑問が頭をもたげることはありませんでした。共演者の演技を見ているのも楽しいし、監督はユニークな現場を作ってくれる。舞台のライブ感があるので、とても充実感があるし、ワクワクします」と、セットを実際に建てることにこだわるアンダーソン監督の現場ならではの楽しさを語った。
さらにヨハンソンは、「仲間意識の強さ」にも言及。「みんな運命共同体だという意識があるからなのか、お互いの芝居をサポートする姿勢がすごくあります。だから、ひとりひとりの演技が引き立つ。みんなで交響曲をつくったような感覚です」。特に、アンダーソン監督作品の常連であるジェイソン・シュワルツマンとの共演を、「いつでも頼れる感じ。彼は徹底的に準備してきた感じがしました。共演してみて、まるで気持ちの良いポケットにすっと滑り込めるかのような、とても良い居心地で、それはめったにないことだと思います」と述懐した。
第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門での公式上映以来、ヨハンソンへ絶賛の声は絶えない。「黒髪のカツラをかぶり、いつもマティーニを飲んでいるヨハンソンは、アンダーソンが描く中米の雰囲気にぴったりだった」「ヨハンソンの映画スターとしての演技に熱狂した!」など、称賛が寄せられている。
「アステロイド・シティ」には、ほかアンダーソン監督作品でおなじみのエドワード・ノートン、ティルダ・スウィントン、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォーらが出演。さらに、トム・ハンクス、マーゴット・ロビー、スティーブ・カレルら、豪華キャストが顔をそろえた。9月1日から東京のTOHOシネマズ シャンテ、渋谷パルコ8F ホワイト シネクイントほか全国で公開。