「ワイルド・スピード」最終章「ファイヤーブースト」で注目すべきポイントと興収見通しは?【コラム/細野真宏の試写室日記】
2023年5月20日 09:00

映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)(文/細野真宏)
2001年から始まった「ワイルド・スピード」シリーズが5月19日公開の「ワイルド・スピード ファイヤーブースト」で遂に最終章を迎えます。
そこで本作の注目点を“ネタバレなし”で簡単に確認してみます。
まず、この「ワイルド・スピード」シリーズは、日本も含めて世界中で大ヒットをしていて、「ユニバーサル・ピクチャーズ作品で最も稼いでいるシリーズ」になっています。
これは、一言でいえば「継続は力なり」ということで、この22年間のうちに(スピンオフ作品を除いて)本作で第10作目となるくらい、かなりのスピードで作られ続けていることが背景にあります。
そして、「作れば世界中で大ヒットする」という珍しいシリーズであることも重要です。車を使った圧巻のアクションシーンが満載で、見れば自然と引き込まれる作品となっているのです。
とは言え、登場人物が回を追うごとに増え続けていたり、メインキャストのポール・ウォーカーがプライベートで事故死したりと、シリーズ作品を作り続けるハードルが上がっています。
(C)UNIVERSAL STUDIOS「ドル箱シリーズ」になっている「ワイルド・スピード」シリーズですが、本作「ワイルド・スピード ファイヤーブースト」で最終章に突入し、次作で終結の予定となっています。(スピンオフ作品は除く)
ちなみに、これまでは次作が完結編のはずでしたが、ここにきて3部作構想が出ていたりして、最終章は、「前編」「後編」の2部作なのか、「前編」「中編」「後編」の3部作となるのかは、未定のようです。
いずれにしても、本作は、「最終章の前編」という位置付けなのです。
(C)UNIVERSAL STUDIOS最終章のテーマは、「最狂」の敵・ダンテ・レイエス(ジェイソン・モモア)から、ドミニク・トレット(ヴィン・ディーゼル)が「ファミリー」を守るということです。
この「最狂」の敵・ダンテというのは、2011年の第5作目「ワイルド・スピード MEGA MAX」で登場した「ブラジルの麻薬王エルナン・レイエス」の息子なのです。
本作でも「振り返り映像」として登場しますが、「ワイルド・スピード MEGA MAX」の「巨大金庫の強奪シーン」で思い出す人も多いでしょう。
車を使っての「巨大金庫の強奪シーン」では、リハーサルの段階で本物の車を190台規模で破壊していくという力の入れようで、あの大迫力アクションシーンにおける「敵役」がダンテの“ファミリー”だったわけです。
(C)UNIVERSAL STUDIOS
(C)UNIVERSAL STUDIOSここまでは公開前に解禁されている情報でしたが、私は「あれ、シャーリーズ・セロンが演じる“サイバー攻撃を仕掛ける頭脳派”のサイファーは?」という疑問が出てきました。
というのも、第8作目「ワイルド・スピード ICE BREAK」、第9作目「ワイルド・スピード ジェットブレイク」で“超強敵ぶり”を発揮していて、このまま「サイファーVSファミリー」という構図で終わると思っていたからです。
もちろん、本作でもサイファーは登場しますが、どのような感じで登場するのかは見どころの1つでしょう。
また、今回から「キャプテン・マーベル」などで有名なブリー・ラーソンが「ミスター・ノーバディの娘」という設定で、「秘密諜報機関の工作員」として登場します。
(C)UNIVERSAL STUDIOS私が本作において気になっていたのは、「ワイルド・スピード」シリーズを牽引していたジャスティン・リン監督が途中降板し、「トランスポーター」シリーズのルイ・レテリエ監督に変わったことでした。
ただ、本作を見て確信したのは、良くも悪くも「ワイルド・スピード」シリーズは、登場人物などを覚えていなくても、基本、大迫力のカーアクションシーンが満載であればファンは満足なのだということ。
もはや「何でもアリ」レベルのアクションシーンが頻発していて、ストーリーに関しては、シンプルに「最狂の敵・ダンテVSファミリー」という軸だけ押さえておけばいいと思います。
(C)UNIVERSAL STUDIOS
(C)UNIVERSAL STUDIOSさて、本作の興行収入ですが、前作の第9作目「ワイルド・スピード ジェットブレイク」では、2021年公開でコロナ禍の影響がありながらも興行収入36億6700万円となっています。
これまでのシリーズ最高は、最高傑作として名高い第7作目「ワイルド・スピード SKY MISSION」で火がつき、40億5000万円を記録した第8作目「ワイルド・スピード ICE BREAK」です。
そのため、最終章として有終の美を飾るべく、「興行収入40億円コンテンツ」にするためにも本作では興行収入40億円突破が大きなミッションでしょう。
この「ワイルド・スピード」シリーズは、地方は車社会ということもあり、通常の映画よりも「地方の映画館が元気になる作品」という特徴があります。
地方経済を盛り上げるためにも、最終章という「ブースト」効果に期待したいと思います!
(C)UNIVERSAL STUDIOS
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
WEAPONS ウェポンズ
【問題】子ども17人が同時に行方不明に…このヒミツ知りたい? ネタバレ厳禁考察ミステリー緊急公開
提供:ワーナー・ブラザース映画
WIND BREAKER ウィンドブレイカー
【この冬、一番かっこいい男たちに会いに行こう】ビジュ限界突破。ぜ~んぶがクリティカルヒットした話
提供:ワーナー・ブラザース映画
昼、母親。夜、ドラッグの売人。
【衝撃の感動作】大切な人のためならどこまでも頑張れる。たとえそれが、どんなに危険なことでも。
提供:松竹
この冬、絶対に観る映画はありますか?
【私はこれを絶対に観ますね!!】心の底から推す理由が、たんまりあります!
提供:ディズニー
人生にぶっ刺さる一本
すべての瞬間が魂に突き刺さり、打ち震えるほどの体験が待っている。
提供:ディズニー
日本で実際に起きた“衝撃事件”を映画化
【前代未聞の事件】そして鑑賞後、あなたは“幸せ”の本当の意味を知る――
提供:KDDI