俳優ヘルムート・バーガーさん死去、ルキノ・ビスコンティ監督作「ルートヴィヒ」などで活躍
2023年5月19日 15:00

オーストリア出身の俳優、ヘルムート・バーガーさんが5月18日(現地時間)、ザルツブルクで死去した。所属事務所が発表したと、欧州メディアが報じた。78歳だった。代表作は、イタリアの巨匠ルキノ・ビスコンティ監督作「ルートヴィヒ」(1972)、「家族の肖像」(74)など。
学生時代にローマで映画のエキストラとして働いていたバーガーさんは、ビスコンティ監督に見いだされ、オムニバス映画「華やかな魔女たち」(67)でスクリーンデビュー。その後、ビスコンティ監督作「地獄に堕ちた勇者ども」(69)や、ビットリオ・デ・シーカ監督作「悲しみの青春」(70)などに出演。エリザベス・テイラー主演作「別離(1974)」でハリウッド映画に初出演した。美男子のアイコンとして世界的な人気を博し、ビスコンティの歴史大作「ルートヴィヒ」では、バイエルン王ルートヴィヒ2世役で抜群の存在感を見せた。
ビスコンティ監督の最後の恋人としても知られており、ビスコンティの死去後はイタリアやフランスのテレビドラマなどに出演、1990年にフランシス・フォード・コッポラ監督の「ゴッドファーザー PART III」にも出演した。2007年のベルリン国際映画祭で、LGBTやクィアをテーマにした映画に与えられるテディ賞で、バーガーさんの過去の功績に対し特別賞を贈られた。
2019年11月に体調不良を理由に引退を宣言しており、バーガーさんの代理人は「彼は生涯を通じて“la dolce vita”(甘い生活)をモットーに生きました」とコメントを寄せている。
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