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ハーケンクロイツのパイ、ナチス式敬礼をする妊婦…「ソフト/クワイエット」戦慄の予告編

2023年4月12日 11:00

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森達也「これほどひどい映画はちょっと記憶にない」
森達也「これほどひどい映画はちょっと記憶にない」
(C)2022 BLUMHOUSE PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

現代ホラー映画の旗手ブラムハウス・プロダクションズが放つ、全編ワンショットの“体感型”クライムスリラー「ソフト/クワイエット」の予告編と、場面写真12点が一挙公開。あわせて、思想家・武道家の内田樹、映画監督の瀬々敬久森達也からのコメントも披露された。

ゲット・アウト」「セッション」などで知られるブラムハウスが新たに手がけるのは、大胆な撮影手法とセンセーショナルなテーマを融合させた衝撃的な問題作。92分の全編をワンショットで映像化し、アメリカで社会問題化しているヘイトクライム(憎悪犯罪)の狂気をえぐり出す。新鋭ベス・デ・アラウージョ監督が長編デビューを果たした。

画像2(C)2022 BLUMHOUSE PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.
画像3(C)2022 BLUMHOUSE PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

ある郊外の幼稚園に勤める教師エミリー(ステファニー・エステス)は、「アーリア人団結を目指す娘たち」という白人至上主義のグループを結成。教会の談話室で行われた第1回の会合に集まったのは、主催者のエミリーを含む6人の女性だった。多文化主義や多様性が重んじられる現代の風潮に反感を抱き、有色人種や移民を毛嫌いする6人は、日頃の不満や過激な思想を共有して大いに盛り上がる。やがて彼女たちはエミリーの自宅で二次会を行うことにするが、途中立ち寄った食料品店で、アジア系の姉妹との激しい口論が勃発。腹の虫が治まらないエミリーらは、悪戯半分で姉妹の家を荒らすことを計画する。しかし、それは取り返しのつかない理不尽でおぞましい犯罪の始まりだった。

画像4(C)2022 BLUMHOUSE PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

予告編は、閑静な田舎町の森に囲まれた教会の談話室での会合から始まる。マイノリティへの偏見を持つ白人女性たちは、不穏な会話のなかで、徐々に白熱していく。ハーケンクロイツのパイや、ナチス式敬礼をする妊婦など、異様な光景も活写。遂には、アジア系の姉妹と口論の末に揉み合い、やがて拷問へと発展していく。平凡な日常が惨劇に変わる、見るもおぞましいシーンが、息詰まる緊迫感で切り取られている。場面写真では、白人女性たちの怒号が聞こえそうなすさまじい表情や、中指を突き立てる姿が確認できる。

ソフト/クワイエット」は、5月19日から東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開される。著名人のコメントは、以下の通り。


内田樹(思想家・武道家)

ワンショット・リアルタイムのスリラーと言えば、ヒッチコックの「ロープ」が映画史に残る傑作だけれど、本作はそれに挑戦している。途中から加速する登場人物たちの暴走と救いのない精神崩壊は「ロープ」を凌駕している。


瀬々敬久(映画監督)

黄昏の<逢魔が時>がリアルに過ぎる92分。暮れゆくワンカットの中、人々は狂気に陥り、魔物に出会ったと自ら信じ込む。それは「分断」の時代を生きる我々自身の姿だ。


森達也(映画監督/作家)

これほどひどい映画はちょっと記憶にない。でも絶対にあなたは最後まで目を離せない。悔しい。すごい。悲しい。怖い。すべてが凝縮されている。この映画だからこその全編ワンショット。一人でも多くの人に観てほしい。

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