新海誠監督作「すずめの戸締まり」中国で上映された日本映画の歴代興収1位に 記録ずくめの快進撃を振り返る
2023年4月6日 10:00
新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」が中国映画市場で好評を博し、「中国で上映された日本映画の歴代興行収入1位」(5.94億元:約113億円/4月4日時点)に輝いた。本記事では、数々の記録を打ち立てることになった“中国映画市場での軌跡”を振り返っていく。
新海監督の約3年ぶりとなる新作「すずめの戸締まり」は、日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく旅をする少女・岩戸鈴芽の解放と成長を描く冒険物語。原菜乃華がすずめ、「SixTONES」の松村北斗が、“災い”をもたらす扉を閉める「閉じ師」の青年・宗像草太の声を務める。そのほか声優キャストとして、深津絵里、染谷将太、伊藤沙莉、花瀬琴音、花澤香菜、神木隆之介、松本白鸚が参加している。
中国では、2023年3月16日にチケットの予約がスタート。当日の売り上げは1000万元(約1.9億円)を突破し、この日は新海監督も中国を訪れて、プロモーション活動を開始。コロナ以降、中国に映画の宣伝活動へ訪れた“初の海外映画監督”でもあった。また、3月17日には、中国のソーシャルメディア「Weibo(ウェイボー)」にて、「すずめの戸締まり」関連のハッシュタグが35種類もトレンド入りを果たした。
公開前日の3月23日には、予約段階での興収(一部の先行上映分を含む)が1億元(約19億円)を突破。公開当日の3月24日の興収は、9493万元(約18億円)に。この数字は、中国における「日本映画の初日興収」の最高記録を更新するものだった。
3月26日には、動員1000万人に到達。3月27日に「Weibo(ウェイボー)」で同作関連のハッシュタグが42種類トレンド入り。3月28日には、動員1100万超を記録。4月2日には、10日連続興収1位となり、累計興収は5.5億元(約105億円)を超えた。
そして、4月4日の昼頃、新海監督作「君の名は。」の興収5.75億元(約111億円)を抜き、中国における歴代日本映画興収1位となった。ちなみに、中国における日本映画の興収ランキングは、1位「すずめの戸締まり」、2位「君の名は。」、3位「STAND BY ME ドラえもん」、4位「千と千尋の神隠し」、5位「天気の子」となっている。
中国最大のSNS「微博(ウェイボー)」のフォロワー数280万人を有する映画ジャーナリスト・徐昊辰(じょ・こうしん)は、今回の記録樹立に関して「『すずめの戸締まり』が中国における日本映画の歴代興収を更新したことは、非常に素晴らしいことです。改めて、中国市場のパワー、そして中国における日本映画の可能性を感じました」と言及。「今回の中国での大成功は、新海誠監督が宣伝活動や観客との交流などに尽力した結果でもあります。ハリウッド映画の世界的影響力が弱くなっている今、日本映画業界がしっかりと海外戦略を立てることができれば、想像を超えた未来が待っていると思います」とコメントを寄せた。
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