2024年の荒廃した地球を舞台にしたSF黙示録ブラック・コメディ「少年と犬」5月公開 とにかく犬が可愛い予告も
2023年3月30日 10:00
西暦2024年を舞台にしたSF黙示録ブラック・コメディ「少年と犬」が、5月19日より劇場公開されることが決定。1975年製作の本作は、日本では劇場未公開だったが、「この世が終わるとされる2024年が来年に迫っていた→来年には観ることができなくなる可能性がある」という理由で緊急初公開に至った。あわせて、ポスターと予告編も披露されている。
原作は、アメリカのSF作家、鬼才ハーラン・エリスンが1969年のネビュラ賞中長編小説部門を受賞した同名小説。1000を超える小説を執筆し、TVシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」「アウター・リミッツ」のほか「宇宙大作戦(スタートレック)」などTVの脚本家としても活躍した彼の作品の中でも、斬新な設定が人気を博した一作だ。
西暦2024年、第4次世界対戦での核ミサイルの応酬により、地球上は荒廃。遺伝子変異により女性は生まれなくなっていた。生き残った者たちは地上と地下シェルターに二分され、地上は食欲と性欲を満たそうとする輩が奪い合いを繰り返し、荒れ放題。テレパシーで会話することが出来る犬ブラッドはいつも腹を空かし、少年ヴィックは女性を求め、さまよっていた。ある日、地下から来た少女クイラを見つけたヴィックはブラッドの忠告も聞かず、彼女を追って地下世界へ。そこは理想郷(ユートピア)なのか、はたまた……。
監督は、巨匠サム・ペキンパー監督作品の常連俳優として知られるL・Q・ジョーンズ。世界観や設定、登場キャラクターなどが「マッドマックス」シリーズに影響を与えたとも言われており、ゲーム「Fallout4」の元ネタのひとつにもなっているなど、現在まで特異な存在感を放っている。
少年ヴィックを演じるのは、当時25歳のドン・ジョンソン。のちに主演を務めたドラマ「特捜刑事マイアミ・バイス」で渋さと色気を振りまき一躍スターダムに。彼の若く初々しい姿が確認できる点にも注目だ。テレパシー犬ブラッドの深みある声を担当しているティム・マッキンタイアは、声の出演以外に音楽も担当。エンディングでは歌唱も披露している。
ポスターのビジュアルを描いたのは、70年代から80年代にかけてハリウッド映画のポスター・アートワークの多くを手掛けたロバート・テネンバウム。サム・ペキンパー監督「戦争のはらわた」、ジョン・カーペンター監督「要塞警察」、全米大ヒットを記録した「ウォーキング・トール」や「ダーティ・メリー クレイジー・ラリー」など、数々の印象に残るポスターを世に残しており、80代を迎えても精力的に活動している大御所イラストレーターだ。
予告編は「緊急初公開」の文字に続き、けたたましい爆発音が鳴り響く。核ミサイルの爆破映像とともに「西暦2024年、第4次世界大戦後」「この世は終わり、犬が喋りだす。」という、あまりにも衝撃的な言葉が記される。やがて描かれていくのは、ヴィックとブラッドのさまよえる旅。ラストには鼻歌を歌うブラッドの姿が収められており、とにかく犬が可愛い内容となっている。
「少年と犬」は、5月19日よりシネマート新宿ほか全国順次公開。なお、3月31日から全国鑑賞券(1500円)も販売。特典は「近未来予習型・予言ステッカー」となっている。
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