紀里谷和明、最後の監督作「世界の終わりから」完成! 真意も告白「伝えなければならないことは伝えきった」
2023年3月17日 13:00
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紀里谷和明監督の最新作にして、“最後の作品”として劇場公開される「世界の終わりから」の1回限りの特別試写会が3月16日、東京・新宿バルト9で行われ、多くの関係者が駆けつけた。
「CASSHERN」「GOEMON」「ラスト・ナイツ」などを手がけてきた紀里谷監督が、“最後の作品”に選んだテーマは「絶望」。事故で両親を失い、自らも生きる希望を失いかけている女子高生のハナに「空白」「さがす」で知られる伊東蒼が息吹を注ぐ。突然世界を救う使命を託されたことに困惑しながら、“信じてくれた人たちのため”という思いと、“こんな世界終わっちゃえばいい”という感情を同居させながら、孤独と絶望に満ちた世界を必死に生きる姿を描いている。
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本編上映後に登壇した紀里谷監督は、昨年7月30日にクランクインした後、コロナ禍に見舞われながらも「予算が少ないなか、スタッフの頑張りでここまでの作品に仕上げることができた」と明かす。そして「原点に帰る思いだった。僕は最初からすごい予算で映画を作らせてもらってきたので、初心というものが分かっていない男でした。人と一緒に映画を作るということがどういうことなのか、ゼロから学びながら作りました」と穏やかな眼差しで客席に語り掛ける。
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「絶望」というテーマに関しては、「脚本を書き始めたとき、僕は色々な意味で絶望していました。世界で、そして日本で起こっていることに疑念があったんです。絶望だらけじゃないですか」と吐露。さらに、「これを若者の視点で……と考えているうちに、ひとりの女子高生が僕の中に現れた。ハナを追いかけていったら、こういう話になりました。現代、過去、未来を描きながら、なぜ人は争うのか、どうしてこんなに苦しいことばかり起こるのかに迫りました」と説明した。
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“最後の作品”の真意についても、誠実な口調で話し始める。
「2004年に監督デビューして、来年で20年になります。その間、撮れたのは4本だけ。5年で1本ということは、オリンピックよりも間隔があくわけです。振り返ると、デビューから色眼鏡で見られてきたこともあり、苦しみの連続でした。
来月で55歳になるのですが、残りの人生で、映画ではない領域も見てみたいと思いました。とっても愛している恋人、それが映画。好きなんだけど手がかかって、お金もかかって、ケンカもしてきました。1度、違う道へ行ってみて、戻ってきたいと思うかもしれない。でも、これを最後にしないと、僕は先に進めないんです。こうやって発表しないと、自分の心の整理がつかないんです」
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4月7日に封切られるが、全国30館での公開。これには意欲を燃やし、「そこからどれだけ皆様に伝わっていくのか……。僕はこの作品の力を信じています。プロモーションやマーケティングではなく、作品の力だけでどこまでいけるのか見てみたいんです」と手応えをにじませる。
そして、「最近の映画は『感じる』じゃなくて、『情報』になってしまっている。誰が出ていようが、どんな話だろうが関係なく、とにかく観ていただきたいんです。僕は言葉で伝えられないから映画にしている。心で感じていただきたい。伝えなければならないことは、この映画で伝えきった。これ以上、伝えることはないと思って作りました」と声を震わせながら、深々と頭を下げた。
同作には伊東のほか、毎熊克哉、朝比奈彩、冨永愛、高橋克典、北村一輝、夏木マリなど日本を代表する豪華キャストが集結。さらに増田光桜、岩井俊二、市川由衣、又吉直樹、阿見201、柴崎楓雅らが出演している。
(C)2023 KIRIYA PICTURES
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