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【第46回日本アカデミー賞】岸井ゆきの、涙の初受賞!「ケイコ 目を澄ませて」で最優秀主演女優賞「私、映画が大好きなんです」

2023年3月10日 22:40

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岸井ゆきの
岸井ゆきの
写真提供: 東京写真記者協会

第46回日本アカデミー賞の授賞式が3月10日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われ、最優秀主演女優賞を「ケイコ 目を澄ませて」の岸井ゆきのが獲得した。「愛がなんだ」(第43回)での新人俳優賞を経て、初の最優秀主演女優賞受賞となった。

ケイコ 目を澄ませて」は、元プロボクサー・小笠原恵子の自伝「負けないで!」を原案に、様々な感情の間で揺れ動きながらもひたむきに生きる主人公と、彼女に寄り添う人々の姿を丁寧に描き出す。監督は「きみの鳥はうたえる」の三宅唱監督。岸井は、生まれつきの聴覚障害で両耳とも聞こえないプロボクサー・ケイコを演じた。

画像2写真提供: 東京写真記者協会

プレゼンター・有村架純から最優秀主演女優賞を告げられた岸井は、頭の中が真っ白になってしまった様子。やがてステージに立ち、ブロンズを受け取ると、声を震わせながら言葉を紡ぎ始めた。

「身に余る賞をありがとうございます。三宅組でなかったら……ひとりでも欠けていたら、私はここに立っていません。とても感謝しています。支えて下さった皆様、そして原案の小笠原恵子さんに感謝します。ありがとうございます」

岸井は、何度も何度も言葉を詰まらせ、零れ落ちそうになる涙をぬぐっていた。

画像3写真提供: 東京写真記者協会

「私、映画が大好きなんです。映画を観ることが大好きで……映画を観ている時は、何語でも喋れるし、どこへでも行けるし、何者でもないと思えるからすごく好きです。演じることも、常に役があって、他者があって。他者を演じることで“自分を見る”ことができる。現場から家に帰って、自分の生活を見つめた時に『あー、やっぱり私ってなんでもないんだ』って思えることが安心するんです。そういうことで“自分を見ている”ような気がしています」

「30年、40年前の映画を初めて観た時に『これを観るために、今までがあったんだな』と思うことがあって。映画はそこでずっと見つけてもらうのを待っている。そういう風に……まだ出会う前の誰かのために生きることができるのかなって思ったりして」と話したところではにかんだ岸井。最後に会場内の観客にこう呼びかけた。

「この作品には、私が見たことのない景色をたくさん見せてもらいました。まだ劇場でやっているんです。上映中なんです。ぜひ劇場で見て頂きたいなって思っています。今、それだけが私の望みです」

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