2022年映画年間興収が歴代7位まで回復、邦画で興収100億円超3本は史上初
2023年2月1日 09:00
日本映画製作者連盟(映連)の新年記者発表が1月31日、都内ホテルで行われ、2022年(令和4年)の全国映画概況を発表。映連の島谷能成会長、松竹の迫本淳一社長、東宝の松岡宏泰社長、東映の手塚治社長、そしてKADOKAWAの夏野剛社長が登壇した。
昨年の年間興行収入は2131億1100万円で前年比131.6%となり、2000年の興収発表以降で7番目の成績。コロナ禍前の2019年の最高成績2612億円にはまだ及ばないが、それ以前の平均的な水準までもう少しというところまで回復してきた。内訳は邦画が1465億7900万円(前年比114.2%)、洋画が665億3200万円(前年比198.3%)で、構成比は邦画68.8%、洋画31.2%。邦画は2000年以降で2番目の好成績。年間の入場人員(観客動員)は1億5200万5000人で前年比132.4%となった。
邦画の興収1位は1月29日に終映を迎えた「ONE PIECE FILM RED」の197億円。2位は「劇場版 呪術廻戦0」の138億円、3位は上映が続く「すずめの戸締まり」の131億5000万円、4位は「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」の97億8000万円、そして5位は「キングダム2 遥かなる大地へ」の51億6000万円で、アニメ作品3本が100億円以上を記録した。興収10億円以上は26本(前年より6本減)で、合計1038億5000万円。
洋画の興収1位は「トップガン マーヴェリック」の135億7000万円。2位は「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」(63億2000万円)、3位は「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」(46億円)、4位は「ミニオンズ フィーバー」(44億4000万円)、そして5位は「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」(42億5000万円)が続いた。興収10億円以上は15本(前年より10本増)で、合計493億3000万円。邦画と洋画を合わせた興収10億円以上の合計は1531億7000万円(前年は1005億円)となっている。
年間の公開本数は2年ぶりに1000本を超え、1143本(前年より184本増)で、邦画が634本(144本増)、洋画が509本(40本増)。平均入場料金は1402円で前年より8円減。全国のスクリーン数は3634スクリーンで前年より14スクリーン減。新規オープンが24スクリーンで、閉館が38スクリーンだった。デジタル上映設備を備えている劇場は99%となっている。
また、劇映画のビデオソフトによる販売と劇映画鑑賞人口推定も発表。メーカー売上は551億円で前年比72.7%、小売店舗売上は802億円で前年比73.4%、映画鑑賞人口は1億0382万人で前年比86.2%。一方、映連加盟社とそのグループ会社の映画の輸出実績は4億2814万9000ドル(前年比113%)で、2000年以降の最高記録だった前年をさらに上回って記録を更新した。
島谷会長は「2022年はアニメのヒットが相次いだことにより、前年を上回ることができた。前年の邦画は50億円超えが3本だったが、2022年は5本。洋画の50億円超えはなかったが、2022年は2本でた。コロナ禍がまだ癒えていないにもかかわらず、興収100億円以上の作品が4本誕生するという快挙を成し遂げ、これは2004年、2019年と並ぶ歴代最多本数で、大変豊作の年となった。なお、邦画で100億円以上が3本となるのは史上初。100億円以上が3本ともアニメだったため、10億円以上に占めるアニメ興収のシェアが50%を超えたが、これは2000年以降では『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』があった2020年以来2度目のこととなる」と補足し、「2023年も邦画は強力なラインナップが揃っており、洋画では人気のシリーズものなど昨年と甲乙つけがたい期待作が目白押しなので、今年もビンテージイヤーのパート2になると考えている」と述べた。
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