小出恵介主演「銀平町シネマブルース」映画愛に満ちた予告 全国のミニシアター12館からの応援コメントも
2023年1月14日 08:00
小出恵介が主演し、愛すべきミニシアターを舞台にした群像悲喜劇「銀平町シネマブルース」の予告編が公開。あわせて、全国のミニシアター12館からの応援コメントも披露された。
本作では、城定秀夫(「愛なのに」「ビリーバーズ」)が監督、いまおかしんじ(「れいこいるか」「神田川のふたり」)が脚本を担い、初タッグを組む。時代遅れの小さな名画座「銀平スカラ座」を舞台にした、“グランドホテル方式”ならぬ“グランドミニシアター方式”のオリジナルストーリーで、くすぶる映画青年と、映画好きの愛すべき人々の人間模様を描く。
小出が、さすらいの映画青年・近藤猛を演じるほか、吹越満が銀平スカラ座の支配人・梶原、宇野祥平が同映画館に通うホームレスの佐藤、藤原さくらと日高七海が、近藤のバイト仲間である足立と大崎に扮する。銀平町で暗躍する謎の女性・黒田役に浅田美代子、老練な映写技師・谷口役に故渡辺裕之さんを配した。さらに、片岡礼子、藤田朋子らベテラン俳優陣から、「愛なのに」の中島歩とさとうほなみ、「アルプススタンドのはしの方」の小野莉奈と平井亜門、ピンク映画やVシネマの常連俳優まで、城定作品でおなじみの面々も顔をそろえた。劇伴を担当し、出演も果たしているジャズミュージシャン・黒田卓也によるトランペットの音色が、物語を彩る。
予告編の冒頭では、一文無しの近藤が、銀平スカラ座にたどり着く。かつて青春時代に映画に夢中になった彼が、人情味溢れる支配人や映写技師、そして個性豊かな常連客と出会い、もう一度映画と向き合い始めるまでが切り取られている。借金を抱えながらも、あの手この手で劇場を運営する梶原支配人、客席で涙する佐藤、映写窓から客席の様子をのぞく谷口らの生き生きとした表情を活写。また、血飛沫を浴びたさとうほなみの姿など、劇中劇の一部も確認できる。「映画っていいじゃねぇか、いいもんだろ?」というセリフや、映画館の暗闇で涙を流す人々など、映画好きの心をくすぐる映像に仕上がった。
ミニシアターが舞台であることにちなみ、全国のミニシアター支配人および番組編成担当からは、続々と応援コメントが寄せられた。ロケ地となった埼玉・川越スカラ座の番組編成担当・飯島千鶴は、「こんなにリアルな映画館映画、見たことない! 映画愛、人間愛に満ちた傑作が自分の劇場で撮られたというこの上ない喜び。個人的には、劇中映画のクオリティの高さもツボです」と、喜びを明かした。
さらに劇場公開を記念し、川越スカラ座とのコラボTシャツの販売も決定。Tシャツのフロントには銀平スカラ座のロゴ、バックには「TWILIGHT CINEMA BLUES」とプリントされている。1月14日に、東京・新文芸坐での「城定秀夫シネ祭り」で先行販売後、本作の公開中は一部劇場で販売される(サイズはM・Lで展開/税込2500円)。
「銀平町シネマブルース」は、2月10日から東京・新宿武蔵野館ほか全国で順次公開される。全国のミニシアター12館からの応援コメントは、以下の通り。
毎日の様に来て下さる常連の方、ふらっと寄って下さる方、タイムテーブルに合わせて細かく日程を組んでハシゴして下さる方、監督や役者を目指しながら「いつかこの劇場で自分の作品を……」と思いながら通って下さる方……ミニシアターって、本当に色んなお客様が来て下さる場所だと思うんです。そんな正に“銀平スカラ座”のような劇場でありたいと思いながら、本日も劇場でお待ちしております。
日常の中、街の中にあり、全ての人をバラバラのまま包み込む映画館。同じ体験を味わう人同士の映画愛が、一つの空間を確かに作る時間。本当に素敵な、無くしてはならない場所です。鑑賞後は映画館の者としてぐるぐると、映画館のこれからについて考えてしまいました。
こんなにリアルな映画館映画、見たことない! 映画に登場するほとんどの映画館は焼けるか潰れるかなのでどちらにもならないだけでもありがたいのに、映画愛、人間愛に満ちた傑作が自分の劇場で撮られたというこの上ない喜び。個人的には、劇中映画のクオリティの高さもツボです。
「こんなんでやっていけるんですか?」とスタッフに冷笑されても、借金返せなくても、すぐにでもやめたいと思ってても、映画館を続けていく支配人。続けることは大変だ。だけど、続けていけば、“映画館”が誰かの特別な場所になっていく。だから余計やめるにやめられなくなるのだ。映画に絆されてしまったズブズブな愛すべき映画狂たちのブルースをぜひとも思い入れのある映画館でご覧いただきたい!
近藤や梶原支配人、足立さん&大崎さん、ホームレスの佐藤さんや常連さん、地元ファンたちが、大きさや距離は違えど銀平スカラ座を中心に回っている太陽系のような映画です。それぞれが引力を持ち、でも誰もが愛しい我が町の映画館のことを考えている。私たちはどうなのだろう。受付でお客様に聞いてみたくなりました。
高校生の時、「行ってきます」と家を出て向かうは映画館。映画を見るわけでもなくロビーに出入りする一癖も二癖もある大人たちと一日中過ごしたリアル「銀平町シネマブルース」の日々。映画館が好きになればもっと映画が好きになる。
そう! 「映画がないと死んでしまう!」という人種は本当にいるのだ。本作に登場するすべての人を知っているし、きっとここには私もいるのだろう。「この映画で入らないなんて世も末だね!」なーんてならぬよう、愛すべき街のみんなと本作を心ゆくまで堪能したい。 映画が、そして映画館という場所があって本当に良かった。
映画を見ながら、「当館も個性ゆたかな常連客の皆さんに支えられているなぁ。幸せだなぁ。」と今ある現実を改めて、再確認させてくれる素晴らしい映画だと思いました。キャストも演出もすべてが哀愁溢れてますね……しみじみしました。ちなみに、梶原支配人(吹越さんが演じる)のような支配人は、確かに20年以上前はいたように思います。とても危なっかしい(笑)、だけど、自由さや寛大さ、見習いたいと思います。
こんな映画が見たかった、こんな映画館の話が見たかった、こんなミニシアターの話が見たかった。城定さんがみんな叶えてくれた。いまおかさんの脚本素晴らしかった。僕の心の親友・宇野くんのお芝居とっても素晴らしかった。最高最強のミニシアター讃歌です。
大切なこと思い出した。クスッと笑った。気持ちが前向きになった。それって、良い映画ってことだ。僕だって、映画と映画館に救われたんだ。こんな、みんなの映画館でありたい。
自分たちの物語を見ているようで、こそばゆくもあり、愉快でもあり、心にグサグサ突き刺さった。これからどんな時代に変わっても、映画館という最後の砦は存在し続けてほしい。この映画がたくさんの人の心にも刺さってほしい。いや、絶対に刺さるはず。
映画の中のスカラ座のように、全国各地の名画座・ミニシアターがいつまでも在り続けますように。コロナの時に真っ先に連絡をくださった日高七海さん、劇場の支援のためにと、ごめんさんとの共作で作成いただいたイラストは日高七海さんが当館のカウンターに佇んでいるものでした。その節はありがとうございました。まさかの実写化に驚いています(笑)。