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窪塚洋介の“18年ぶり”を引き寄せた圧倒的熱量 「Sin Clock」牧賢治監督とは何者なのか?

2022年12月4日 09:00

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窪塚洋介が18年ぶりに長編邦画単独主演を飾る「Sin Clock」製作秘話
窪塚洋介が18年ぶりに長編邦画単独主演を飾る「Sin Clock」製作秘話
(C)2022映画「Sin Clock」製作委員会

窪塚洋介が18年ぶりに長編邦画単独主演を飾るサスペンスノワール「Sin Clock」(読み:シンクロック)。同作で商業映画デビューを果たしたのが、新鋭・牧賢治監督だ。窪塚だけでなく、各界のトップランナーを巻き込みながら“監督人生を賭けて挑んだ”企画を実現へと結びつけた。そんな圧倒的な熱量を宿した牧監督とは、一体何者なのだろうか?

本作は、最低の人生を生きる男たちが思いもよらぬ偶然の連鎖に導かれ、たった一晩の人生逆転計画へ挑むさまを、スリリングに描く物語。「Sin Clock(罪なる時計)」が象徴する綿密な犯罪計画と、「シンクロニシティ(不思議な偶然の一致)」が絡み合い、想定外の結末へと向かう。社会からも家族からも見放されたタクシードライバー・高木(窪塚)。奇妙な偶然が、彼に巨額の黒いカネを手にするチャンスを呼び寄せる。鍵を握るのは、1枚の絵画。高木はたった一夜での人生逆転を賭け、同僚たちと絵画強奪計画を決行する。だが、運命の夜はさらなる偶然の連鎖に翻ろうされ、男たちの思惑をはるかに超えた結末へと走り出していく。

牧賢治監督
牧賢治監督

牧監督はコピーライターやCMプランナーとして活動しつつ、自主制作で精力的に監督作を発表。これまでに、米ヒューストン国際映画祭短編部門のゴールド賞を受賞した「japing」、仏ニース国際映画祭の新人監督賞を獲得した長編第1作「唾と蜜」などを製作してきた。

Sin Clock」の原点となったのは、1981年に梁石日氏が著した小説「タクシー狂躁曲」。タクシードライバーの悲哀や、多様な職業を持つ乗客たちとの出会いの中で繰り広げられる人間模様。かつて会社員として勤務していた頃、牧監督は深夜にタクシーを利用していた。小説に描かれていた内容は、自身がタクシー運転手との会話を通じて感じたことであり、その経験は自らが書き上げる脚本のベースとなっていった。

そこにクエンティン・タランティーノや、平凡な男が賭博により裏社会を渡る姿を描いた福本伸行氏の漫画「銀と金」の世界観など、長年敬愛してきたエンタメ作品の生みの親達のエッセンスを織り交ぜていった。やがて、タクシー営業所での取材を敢行し、自身の目で見たドライバーの実情を加えることで、エンタテインメント性と生々しいまでの現代の「リアル」を巧みにマッシュアップした映画が徐々に形作られていく。

画像3(C)2022映画「Sin Clock」製作委員会

映画評論家の松崎健夫氏は、本作を次のように語っている。

「「『Sin Clock』で描かれる多額の現金が絡む絵画強奪が、ジャック・ベッケル監督の『現金に手を出すな』(54)や、スタンリー・キューブリック監督の『現金に体を張れ』(56)など、かつての犯罪映画で描かれた背景とやや異なるのは、『もうこれ以外の方法がない』という切実な経済的困窮を伴っている点に起因する。犯罪組織や賭博組織が絡むことなく、社会制度的にも這い上がれないような生活苦に瀕しているのだ。また彼らは、デイトレーダーやYouTuberたちのように、どこか結果を急いでいる感もある。(中略)そういった点でも本作は、社会を映し出す鏡のような作品になっていることを窺わせるのだ」

画像4(C)2022映画「Sin Clock」製作委員会
画像5(C)2022映画「Sin Clock」製作委員会

映画化までの道筋は苦難の連続。光明のひとつとなったのが、窪塚との出会いだった。かねてより窪塚の出演を熱望していた牧監督は、主人公・高木シンジ役を“当て書き”。出演をオファーしたところ、窪塚は物語に組み込まれたシンクロニシティ(意味:ある偶然の一致)の要素に惹かれ、出演を快諾。18年ぶりの邦画長編単独主演作として、本作を選んだのだ。

画像6(C)2022映画「Sin Clock」製作委員会

しかし、肝心の出資者がなかなか決まらない。そこで牧監督は、自身と同じくヒップホップを愛好するサイバーエージェントの代表・藤田晋氏に一縷の望みを託して自らコンタクトを取った。本作の脚本を気に入った藤田氏から、やがてこんな言葉が届いた。

「動き出しましょう」

かくして、牧監督の商業映画デビュー作「Sin Clock」は現実となった。困難を乗り越え、映画さながら「一発逆転」に挑んだ牧監督の作品作りへの熱量とこだわり。窪塚と藤田氏の参加だけでなく、坂口涼太郎葵揚橋本マナミ田丸麻紀、Jin Dogg、長田庄平(チョコレートプラネット)、般若藤井誠士、風太郎、螢雪次朗らバリエーション豊かなキャストが集い、Awich、Jinmenusagiが劇中曲を提供、GEZANがテーマソングを担当。第一線で活躍する多彩なトップランナーたちが、牧監督の「熱量」に引き寄せられたことで、「Sin Clock」が誕生することになったのだ。

映画オリジナル「スマホ壁紙」
映画オリジナル「スマホ壁紙」
(C)2022映画「Sin Clock」製作委員会

なお、12月9日より発売開始となるムビチケ前売券(オンライン)の購入者特典内容が決定。ムビチケオンライン購入者限定で、ティザービジュアル(10種)、メインビジュアル(1種)、窪塚の特別限定ビジュアル(1種)の計12点の映画オリジナル「スマホ壁紙」を手に入れることが出来る。さらに、映画鑑賞後には、ムビチケデジタルカード(メインビジュアル:1種)がもらえる。

Sin Clock」は、2023年2月10日から新宿ピカデリーほか全国公開。

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