カラスを鍋で煮込み、少女が禁断のタイムリープ!? 「ファイブ・デビルズ」謎めいた新場面写真&本編映像入手
2022年11月2日 12:00
香りの能力でタイムリープする少女と家族を描き、第75回カンヌ国際映画祭監督週間のクィア・パルムに選出されたスリラー「ファイブ・デビルズ」の新場面写真3点と本編映像を、映画.comが独占入手。映像には、カラスの死体を鍋で煮込み、香りを作り出した少女がタイムリープの先で見た母の記憶が切り取られている。
本作は、ジャック・オーディアールの「パリ13区」など、フランスの巨匠たちの脚本を手がけてきた新鋭レア・ミシウスの長編第2作。「アデル、ブルーは熱い色」のアデル・エグザルコプロスが主演を務めた。嗅覚に不思議な力を持つヴィッキー(サリー・ドラメ)は、こっそり母ジョアンヌ(エグザルコプロス)の香りを集めている。そんな彼女の前に突然、謎の叔母ジュリア(スワラ・エマティ)が現れる。その出来事をきっかけに、彼女のさらなる香りの能力が目覚め、自分が生まれる前の、母と叔母の封じられた過去へとタイムリープしていく。やがてそれは、家族の運命を変える予期せぬ結末へと向かっていく。
新場面写真は、ヴィッキーがカラスを鍋で煮込み香りを作る姿や、香りを集めた小瓶がたくさん並んだ部屋の様子を活写。本編映像には、そんなヴィッキーがタイムリープし、若かりし頃の母と父、その友人たちを目撃するシーンが切り取られている。どうやら彼らには、ヴィッキーの姿は見えていない様子。母の足元には、父の妹ジュリアが寝転んでおり、ふたりはまるで恋人のようで、母の声や表情は、見たこともないくらい穏やかで幸せに満ちている。すると次の瞬間、ジュリアとヴィッキーの目が合う。驚き、叫んで逃げ出すジュリアと、騒然とする母たち。なぜか、ジュリアにだけは未来から来たヴィッキーの姿が見えるようだ。緊張感たっぷりで、謎が深まっていくシーンとなっている。
ミシウス監督は、「香り」と「記憶」が鍵となる物語について、「最初は、香りと記憶の単純な関係を描こうと、マルセル・プルーストの “マドレーヌ”のイメージから出発しました。自分の記憶のなかに戻るという物語を持った映画は、イングマール・ベルイマンの 『野いちご』などほかにもたくさんありますが、私の物語で不思議なのは、ヴィッキーが彼女のものではない別の誰かの記憶の中に入るということです」と、プルーストの「失われた時を求めて」で描かれた匂いで記憶がよみがえるシーンが、着想の源になっていると明かした。
「ファイブ・デビルズ」は、11月18日から東京のヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほかで全国公開。
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