宮崎あおい、青山真治監督は「お父さんのような人生ですごく大事な人」 浅野忠信も神妙な面持ち
2022年10月25日 18:30
第35回東京国際映画祭「Nippon Cinema Now」部門の監督特集で、今年3月に亡くなった青山真治監督の2005年「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」が10月25日、丸の内ピカデリーで上映され、主演の浅野忠信と宮崎あおいがトークショーを行った。
浅野は青山監督の「Helpless」(1996)が映画初主演で、「僕にとっては印象深い監督。たくさん面白いことをやらせてもらって、もう一緒に作れないのは寂しいですが、素晴らしい作品を一緒に作れた。監督のことを語れる機会をいただいて感謝しています」と神妙な面持ち。宮崎も中学生の時に主演した「EUREKA ユリイカ」(00)で注目を集めただけに、「チャーミングで素敵な方でした」としのんだ。
「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」は、世界中に致死ウイルスが蔓延した2015年が舞台。感染を抑制できる音を奏でるミュージシャン役の浅野は、「今作るとなったら全然違う作品になると思うが、それを今日見るということはものすごく興味深い」と話した。宮崎も、「こういう時代になる前にこの作品があったというのはすごいことですよね」と感嘆の表情を浮かべた。
トークには、浅野とコンビを組む役どころの中原昌也も飛び入り。前日に作品を見返した宮崎が、「2人がずっとニコニコしているのが印象的だった」と感想を語ると、中原がすかさず「あれは俺の演出。監督が怒るまでニコニコしていようぜって言っていた」と告白。「え~っ」と驚く宮崎。浅野は、「そうそう」と同意の笑顔で応じた。
撮影は北海道で行われ、浅野は「皆で食事や飲みに行ったりしたけれど、僕はお酒が飲めないので、監督にどういうお酒なら飲めるか聞いたら焼ちゅうがいいと言われた。飲んだら次の日めちゃくちゃ二日酔いで、すごく気持ち悪い中、草原でギターを弾くシーンを演じた」と苦笑いで懐かしんだ。
宮崎も、「また青山組で仕事ができることがうれしく、14歳の頃に戻って接していた不思議な感覚がある」と述懐。そして、「初めて会った頃は私も子どもで、監督は大人の寡黙な監督という印象だった。年を重ねていき、監督が楽しそうにしていると感じるようになって、私のお祝いの席にも来てくれた。仕事を抜きにしても、お父さんのような、人生ですごく大事な人です」としみじみ話した。
第35回東京国際映画祭は、11月2日まで開催。
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