エクソシスト、死霊館、IT…「カラダ探し」には、名作ホラーのオマージュ多数!
2022年10月9日 12:00
橋本環奈が主演する“ループ型ホラー”「カラダ探し」には、「エクソシスト」「死霊館」など、名作ホラーのオマージュが多数ちりばめられている。オマージュシーンをとらえた新場面写真2点とともに、羽住英一郎監督とプロデューサー陣が製作秘話を明かしたコメントを、映画.comが独占入手した。
本作は、小説投稿サイト「エブリスタ」(旧「E★エブリスタ」)で人気No.1の携帯小説として話題となり、2014年には村瀬克俊氏による漫画版が漫画誌アプリ「少年ジャンプ+」(集英社)で連載、同サービスで累計閲覧数1億回を初めて突破した同名作品を映画化するもの。高校生たちが、深夜の学校に現れる全身が血で染まった少女“赤い人”によって毎日殺害され、終わらない死のループに囚われるさまを描く。橋本をはじめ、眞栄田郷敦、山本舞香、神尾楓珠、醍醐虎汰朗、横田真悠ら若手キャストが共演した。
女子高生の森崎明日香(橋本)は7月5日、学校にいるはずのない幼い少女から「私のカラダ、探して」と不気味な依頼を受ける。そして、深夜0時を迎えた瞬間、気付くと明日香はクラスメイト5人とともに学校にいた――。そこへ突如、“赤い人”が現れ、6人全員を惨殺。全てが終わったかと思ったそのとき、明日香は家のベッドで目を覚まし、再び7月5日の朝を迎えていることに気付く。6人はその日から、同じ毎日を繰り返すことに。明日を迎える唯一の方法は、校内に隠された、ある少女のばらばらにされた“カラダ”を全て見つけ出すことだった。
劇中には、名作ホラーのオマージュが多数取り入れられており、SNS上でも話題になっている。企画・プロデュースを担った原祐樹は、「“赤い人”が迫ってくるシーンは、『エクソシスト』(1973)です。実は当初台本にはなかったのですが、撮影場所となった学校に井戸のような場所があり、映画冒頭のインパクトのあるシーンが出来ました。井戸と言えば、『リング』(98)ですよね(笑)」と言及する。
さらに原は、“赤い人”が肌身離さず持っているエミリー人形について、「『死霊館』(2013)のアナベル人形のようなアイコンを作りたいというところから始まり、『亡くなった少女の母親が手作りしたブードゥー人形のような人形』にしようとデザインが決まっていきました」と解説。そのほか、「IT イット」「悪魔のいけにえ」「13日の金曜日」「ハロウィン」など、傑作ホラーシリーズにオマージュを捧げているという。
本作は、ワーナーブラザースが手がける初の邦画ホラー。エグゼクティブプロデューサーの小岩井宏悦は、「私がワーナーでローカルプロダクションを始めて15年になりますが、唯一手がけていないジャンルがホラーでした。実はホラーが苦手で(笑)。でも、コロナ後の劇場への吸引という意味では、ホラー映画は暗い中、大画面、大音量で友だちや恋人と共有体験ができる。特に『カラダ探し』のように青春ドラマもある新しいタイプのホラーなら、ワーナーが初めて着手するホラー作品として意義があると思いました」と、満を持しての映画化であることを明かす。
企画の始まりを振り返り、原は「10~20代の若い人たちが楽しめる映画を作りたいという気持ちが強く、所謂Jホラーではなくて、ハリウッドでよく作られているティーンエイジャーを主人公にした青春ホラーを作りたいと思ったのが始まりです。80年代以降にアメリカで作られた、若者を主人公にしたジュブナイルホラーが子どもの頃から好きでした」と語る。「原作は圧倒的な脅威に若者たちが立ち向かっていく話で、青春要素もあり、更にヒットの定番ジャンルであるタイムループものの要素を持っていました。正に僕が求めていた原作でした」と述懐した。
「この企画を頂いた際に、アメリカンホラーのような、若い観客が大勢で劇場に来て楽しめるようにしたいという話に惹かれました」という羽住監督も、ホラーと青春を融合させた本作の魅力を、以下のように紐解く。
羽住監督「僕はこの映画を“ホラー映画”というよりは“アトラクションムービー”と捉えています。アミューズメントパークにはいろいろなアトラクションがありますが、並んで待つことも含めてエンタテインメントだと思うんです。ちょっと怖いアトラクションのようにホラー苦手なんだよねって言う友だちを誘って、結果面白かったねって一緒に帰るみたいな体験を劇場でしてもらいたいなと。また、どのくらい怖かったかという話にスポットがいきがちなホラー映画ではなく、もう少し間口が広い映画にしたいという思いがあったので、6人が演じる青春パートが重要で、キャラクターを膨らませることに注力しました」
「カラダ探し」は、10月14日に全国公開。
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