吉永小百合&大泉洋、初共演で“親子役” 山田洋次監督作「こんにちは、母さん」製作決定
2022年10月3日 05:00
91歳となった山田監督の90本目の監督作「こんにちは、母さん」は、現代を生きる家族・親子の形や想いが心情豊かに描かれる。原作は日本を代表する劇作家であり、演出家としても数々の名優と舞台を創ってきた永井愛の同名戯曲。2001年と04年に新国立劇場で上演され、07年にはNHK土曜ドラマで映像化。多くの演劇ファンから人気を博した同作を、現代の下町を舞台に映画化する。
大会社の人事部長として日々、神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、大学生になった娘との関係に頭を悩ませる神崎昭夫は、久しぶりに母・福江が暮らす東京下町の実家を訪れる。「こんにちは、母さん」。しかし、迎えてくれた母の様子が、どうもおかしい…。割烹着を着ていたはずの母親が、艶やかなファッションに身を包み、イキイキと生活している。おまけに恋愛までしているようだ! 久々の実家にも自分の居場所がなく、戸惑う昭夫だったが、お節介がすぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う“母”と新たに出会い、次第に見失っていたことに気付かされてゆく。
72年に公開された「男はつらいよ 柴又慕情」をはじめ、「母べえ」「おとうと」「母と暮せば」など約50年間に渡って、山田作品に出演し、日本映画界をともにけん引し続けてきた吉永。映画出演123本目となる本作では、下町に暮らす母・福江役を演じることになった。
数々の映画やNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」での好演が記憶に新しい大泉は、さまざまな問題に悩む息子・昭夫役を担当。なお、山田監督の映画作品出演は初となった(ドラマでは、山田監督が脚本を務めた「あにいもうと」に参加している)。
なお、本作は「母べえ」「母と暮せば」に続く「母」3部作となり、却本には山田監督とともに、朝原雄三がクレジットされている。9月末にクランクインし、11月にクランクアップを予定。山田監督、吉永、大泉のコメントは以下の通り。
隅田川沿いの下町、古びた家並みの向こうにスカイツリーが高々とそびえる『向島』にカメラを据えて、この江戸以来の古い町に暮らす人びとやここを故郷として行き来する老若男女たちの人生を、生きる喜びや悲しみを、スクリーンにナイフで刻みつけるように克明に写し取り、描き出したい。
山田学校に再入学し、原点に戻って監督の思いをしっかり受け止められる様、努めます。
大泉さんとは初めてなので、ちょっと心配でしたが、明かるくて、優しくて、リハーサルの時から励まされています。
すてきな親子になりたい…なります!
山田洋次監督の映画に、吉永小百合さんの息子役として出演することとなりました、大泉洋でございます。
まさか私がこのような光栄な挨拶をする日が来ようとは、夢にも思っておりませんでした。
役の重責に押し潰されそうではありましたが、リハーサルで、山田監督の力強くも細やかな演出を受け、海より深い愛情を湛えた吉永さんの母親としてのお芝居を目にし、今は感謝と、喜びと、期待でいっぱいであります。
正直申し上げて、あの吉永小百合さんから、大泉洋は生まれない。私もそう思います(笑)
しかし、決してそうは思わせない山田監督の演出、吉永さんの演技、映画とは偉大だと改めて感動しております。
今や私は吉永さんの息子としか思えません。
どうか皆さま、山田監督の描く、今も昔も変わらない、日本の下町で懸命に生きる、可笑しくもせつない、家族の物語を楽しみにしていてください。
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