最新のフランス映画を紹介「第4回映画批評月間」開催 レア・セドゥ主演日本未公開作、デルフィーヌ・セイリグ特集など
2022年9月28日 16:00
アンスティチュ・フランセ日本が、フランスの映画媒体、批評家、専門家、プログラマーと協力し、選りすぐりの最新フランス映画を紹介する企画「第4回映画批評月間~フランス映画の現在をめぐって~」が10月1日から、渋谷・ユーロスペースで開催される。
4回目を迎える今年は、フランスのカルチャー誌「レザンロキュプティーブル」の編集長ジャン=マルク・ラランヌ氏がセレクションを担当し、2020年以降の最も刺激的なフランス映画をお披露目する。注目の新人監督作のほか、アナイス・ドゥムースティエ(「恋するアナイス」)、レア・セドゥ(「フランス」)、アデル・エグザルコプロス(「そんなの気にしない」「マンディビュル」)、ビルジニー・エフィラ(「ドン・ジュアン」)ら、フランス映画を牽引する女優たちが、恋愛、仕事観など新しく多様な生き方を模索する女性を体現する作品群、そのほか同性愛、クィアな生き方、ジェンダーの再検討といった現代ならではのテーマを扱う作品もラインナップされている。
会期中にラランヌ氏が来日し各作品の魅力を解説するほか、黒沢清監督、三宅唱監督、映画ライターの月永理絵氏らとのトークイベントも予定されている。
そのほか、「去年マリエンバートで」「ロバと王女」「夜霧の恋人たち」などで知られる女優デルフィーヌ・セイリグの特集も開催。マルグリット・デュラスから「フランスで、いや世界でおそらく最も偉大な女優」と評され、アーティスト、女性の権利、自由のために闘ってきたセイリグの代表作を上映し、ラランヌ氏によるレクチャーにて大女優の軌跡を辿る。
「第4回映画批評月間~フランス映画の現在をめぐって~」は、ユーロスペースにて、10月1日~10月21日。チケットは一般1500円、学生・会員・シニア1200円 ※「ロバと王女」上映のみ高校生以下500円。チケット販売時間:各上映日の3日前深夜0時よりユーロスペース公式HP(http://www.eurospace.co.jp)、および同日開館時よりユーロスペース劇場窓口にて販売。全席指定席。上映スケジュールは公式HP(https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/cinema20221001/)で告知している。本企画は京都、大阪、横浜、広島に巡回予定。
■Best of 2020~2022
「マイ・ベスト・パート」 ニコラ・モリー(20)
「セヴェンヌ山脈のアントワネット」キャロリーヌ・ビニャル(20)
「マンディビュル 2人の男と巨大なハエ」カンタン・デュピュー(20)
「愛の疑問」ポール・ベッキアリ(20)
「ヴォイス・オブ・ラブ」バレリー・ルメルシエ(21)
「恋するアナイス」シャルリーヌ・ブルジョワ=タケ(21)
「フランス」ブリュノ・デュモン(21)
「そんなの気にしない」エマニュエル・マール&ジュリ・ルクストル(22)
「ブリュノ・レダル、ある殺人者の告白」バンサン・ル・ポール(22)
「愛と激しさをもって」クレール・ドゥニ(22)
「ドン・ジュアン」セルジュ・ボゾン(22)
「去年マリエンバードで」アラン・レネ(60)
「ミリュエル」アラン・レネ(62)
「ロバと王女」ジャック・ドゥミ(70) ※こども上映会
「赤い唇」ハリー・クーメル(71)
「ジャンヌ・ディエルマンをめぐって」(75)
「インディア・ソング」マルグリット・デュラス(75)
「デルフィーヌとキャロル」カリスト・マクナルティー(19)
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内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。