望まぬ妊娠をした大学生がたったひとりで戦う12週間 ベネチア金獅子賞「あのこと」12月公開&予告披露
2022年9月9日 08:00

第78回ベネチア国際映画祭の金獅子賞を獲得した「Happening(英題)」が、「あのこと」の邦題で、12月2日から公開されることが決定。あわせて、ポスタービジュアルと予告編が披露された。
「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督が審査員長を務めた第78回ベネチア国際映画祭。圧巻の審査員満場一致で最高賞となる金獅子賞に輝いたのが「あのこと」だ。監督を務めたのは、本作をきっかけに世界中から注目された女性監督オドレイ・ディワン 。主演は子役時代に「ヴィオレッタ」で美しすぎる娘役を怪演し、本作でセザール賞を受賞したアナマリア・バルトロメイ。原作は、ノーベル賞に最も近い作家とリスペクトされるアニー・エルノーが、自身の実話を基に書き上げている。
舞台は、1960年代、法律で中絶が禁止され、処罰されていたフランス。望まぬ妊娠をした大学生のアンヌ(バルトロメイ)が、自らが願う未来をつかむために、たったひとりで戦う12週間が描かれる。本作の特筆すべき点は、作品と対峙した観客が「観た」ではなく「体験した」――それもアンヌと身も心も一体化し、「恐怖と怒りと情熱」を体感したと語っていること。全編アンヌの目線で描かれており、観ている者の主観がバグるほどの没入感をもたらし、溺れるほどの臨場感に見舞われるはずだ。
予告編は、前途有望なアンヌの妊娠が発覚し、狼狽するシーンからスタート。「違法行為になる」と医者から突き放される様子や、「妊娠したら、大学を辞め働くしかない」「刑務所に入りたいの?」と話す友人の会話が、60年代当時のアンヌを取り巻く社会を物語っている。しかし、アンヌの選択はただひとつ。未来のために命がけであらゆる方法を模索しながら、迫りくるタイムリミットの中で焦燥し、どんどん孤立し追い詰められていく様が映し出されている。
ポスターは、主人公アンヌがこちらを見据える強いまなざしが印象的。中央に配置されたタイトルは「表立って具体的に口外できない事件・禁忌」を思わせ、4文字を2列に分け置かれている点も意味深だ。「あなたは<彼女>を体験する。」というコピーからは、単なる鑑賞を超えた“体験型の作品”であることがうかがえる。
「あのこと」は、Bunkamura ル・シネマほか全国順次公開。
(C)2021 RECTANGLE PRODUCTIONS - FRANCE 3 CINEMA - WILD BUNCH - SRAB FILM
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

日本よ、これが本物の“悪”だ
【拷問、殺人、裏切り、粛清】超刺激的な“史上最大ヒット作”、観たらすごかった…!
提供:JCOM株式会社

何だこのむちゃくちゃ“刺さる”映画は!?
【尋常でなく期待してる】“命より大事な誰か”のためなら、自分の限界を超えられる。
提供:ディズニー

キャンドルスティック
【予告編だけでこんなに観たくなること…ある!?】阿部寛、10秒でAIを騙す――狂おしいほど面白そう
提供:ティ・ジョイ

たった“1秒”で爆発的に話題になった映画
【個人的に“過去最高”】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた注目作、実際に観てきた
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映