「CGに間違われないか心配」 田中圭「ハウ」俳優犬ベックが魅せた“名優級の演技”
2022年7月16日 12:00

田中圭が犬好きの青年を演じる犬童一心監督作「ハウ」が、8月19日に公開される。人と犬の絆を描く本作で主演を務めたのは、人ではなく“俳優犬のベック”だ。SNS上では「モフモフのハウが可愛すぎてなでなでしたい」「ハウが可愛すぎて言葉が出ない」「ハウに劇場で会えるの楽しみすぎる」と話題を集めてきた。
しかし、その愛らしい見た目とは裏腹に、実は抜群の演技力を誇るベック。「南極物語」「ハチ公物語」「クイール」「犬と私の10の約束」に参加したドッグトレーナー・宮忠臣氏の指導を受けたベックは、演技初挑戦ながら、スタッフたちをも唸らせる“名優級の演技”を次々と披露している。本記事では、ベックにまつわるエピソードを紹介しよう。

ベックが演じたのは“ワンと鳴けない”真っ白の大型犬・ハウ。飼い主に捨てられ保護犬になってしまったハウは、ある日、人生最悪な時を迎えていた青年・赤西民夫(田中圭)と出会う。多くの時間を共に過ごし、次第に強い信頼関係を築いたハウと民夫。互いにとってかけがえのない存在となっていくのだが、そんな幸せな日々が終わりを告げる。永遠に続くかと思われたある日、ハウは、大好きな民夫の元を離れてしまった。意気消沈しながらも愛しのハウを探し続ける民夫、「もう一度、きみに会いたい!」と民夫への強い想いを頼りにひたすら走り続けるハウ。その道中で、ハウは心に傷を負った人々に出会い、次々と、彼らの心を癒していく。
民夫役の田中のほか、旅先で出会うさまざまなキャラクターを演じる俳優陣と肩を並べ、堂々たる演技を見せつけているベック。犬好きの田中とは、撮影初日から息ぴったり。ベックはいきなり実力を発揮し「田中がベックの顔をのぞき込む→ベックが田中にキスをする」といったミラクルな瞬間が生み出している。

ベックの演技力を堪能できるのが、若手女優・長澤樹との共演シーンだ。民夫と離ればなれになってしまったベック。偶然行き着いた先で、震災の風評被害に心を痛める女子中学生・麻衣(長澤)と出会う……という展開だ。
ベックは、麻衣の顔をベロベロ舐めたり、ドーナツを食べる彼女をじっと見つめたり、当たり前のように停車した電車にスッと乗り込んだり……といったさまざまな動きを、ドッグトレーナー・宮氏の指示通りスムーズにこなしていく。絶妙なタイミングで麻衣の目を心配げに覗き込んだり、しっぽを振ったりと、どこまでがナチュラルな行動なのか、演技なのかがわからない!
長澤とのシーンでは、特に注目してほしい場面がある。それが駅のホームでのダンスだ。長澤の周りを、まるで踊るようにジャンプをするベック。同シーンは、前日から入念なリハーサルを繰り返し、撮影が行われている。本番を迎えると、ベックは宮氏の指示通り、長澤の背中の上を躊躇なくジャンプ! 難易度の高い撮影を難なくこなし、これには犬童監督も「よかった!」と笑顔を見せていた。

ベックのすごさは、「動」の演技だけではない。「静」の演技でも、しっかりと実力を発揮している。
注目すべきは、愛する夫を亡くし、ひとりで傘屋を営む老女・志津役を演じた宮本信子との共演シーンだ。志津のもとを訪れたハウが、彼女に寄り添い一緒に眠るという心温まるシーンだが、実は非常に難易度の高いパートだった。“普通の犬”であれば、人が大勢いるところで静かに伏せをすることも難しい。
そんな状況下、ベックと宮氏が絆を見せつけた。「走る」「ジャンプをする」というアクティブな指示をする時とは異なり、穏やかなトーンで「ベック、ダウ~ン、ダウ~ン……おやすみ」とまるで催眠術のように声をかけ続ける宮氏。するとベックの瞼(まぶた)がゆっくりと下がり、うっとりしたような表情を経て、完全な寝顔に……! そのまま長回し撮影が続き、スタッフが「ベックは本当に眠ってしまった」と信じ始めた頃、ようやく犬童監督の「カット!」がかかる。するとベックは、何事もなかったかのようにピョンと飛び起き、すぐさま宮氏のもとへ。ベックと宮氏だからこそ実現した“奇跡的なシーン”となっている。

プロデューサーの小池賢太郎氏は「今回ハウに関しては一切CGを使っていないですが、あまりにベックの演技が凄すぎて、ハウ自体がCGと思われてしまうんじゃないかと心配です(笑)」と確かな演技力に太鼓判を押している。
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