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オードリー・ヘプバーンを語る息子ショーン「母を笑わせることが僕の喜びだった」

2022年5月5日 18:00

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オードリーの息子ショーン・ヘプバーン・ファーラー
オードリーの息子ショーン・ヘプバーン・ファーラー
Photo_Simona Susnea

初主演作でアカデミー主演女優賞を受賞した「ローマの休日」で彗星の如く現れ、「ティファニーで朝食を」「マイ・フェア・レディ」など数々の傑作に主演、“銀幕の妖精”として今なお、世界中に数多くのファンを持つオードリー・ヘプバーン。しかし実生活では、幼少期に父親による裏切りに遭い、ナチス占領下のオランダという過酷な環境で育ち、映画スターとして輝かしいキャリアを築きながらも度重なる離婚を経験。そんな過去の悲しみを乗り越え、晩年はユニセフ親善大使など慈善活動に積極的に取り組み、愛を信じ、自ら愛を与えることを貫いた伝説的女優の名声の裏側に隠された真実を映したドキュメンタリー「オードリー・ヘプバーン」が、5月6日から公開される。本作製作にかかわった、オードリーの息子ショーン・ヘプバーン・ファーラーが、オンラインインタビューに応じた。

画像4(C)Pictorial Press Ltd / Alamy Stock Photo
――あなたがこの映画で伝えたかったオードリーの姿を具体的に教えてください。

例えば、現在活動しているモデルや女優がオードリーをお手本にして、例えばアカデミー賞に何を着ていこうか迷った時、オードリーならどうするか真っ先に考える、というような話も聞きます。僕はよく母とエリザベス・テイラーを比較しますが、エリザベス・テーラーはいわゆるハリウッドのゴージャスな女優で手の届かないような存在。一方オードリーは、同じアパートの向かい側に住んでいるような女の子、いわゆる私達と同じような人間という例え方をします。特段美しくセクシーでもないけれど、勇気を持っていて、黒いドレスで颯爽と外に出て行く――そういった部分に我々は共感を覚えるのだと思います。

ですから、彼女を語る際にはそういう面を伝えたいです。強さと繊細さが共存していて、イデオロギーを持たず、文化を大切にしてきた人です。ハリウッドで活躍していながらも、いわゆるハリウッド的な生活ではなく、母親として普通の日々、一緒に朝食を食べて、買い物に行って、学校に送り迎えして――そういうギフトを僕達に与えてくれた女性像を見てもらいたいです。

画像2
――お母さまが大女優だということはとても誇りであると思いますが、同時に母の名声が人生の重荷になるようなことはありませんでしたか?

母が僕と弟にくれた最大の贈り物が普通の生活だったので、彼女が大スターだということは、幼い頃はよくわからなかったんです。ですから僕にとっては まず母親であり、その次に女優だったのです。家族でヨーロッパに住んでいたので、たまに母の出演作がテレビで放送されて、誰かから連絡がくる程度で、それほど大女優だという意識もありませんでした。

当時はDVDなどなかったので、16ミリフィルムが出演者に提供されました。それを家の中で見つけて、屋根裏部屋にシーツを張ってプロジェクターで見たことが女優としての母との出会いでした。しかし、母が世界中の人々に強い影響を与えてきたことを実感したのは死後でした。亡くなって30年ほど経ちますが、今でも新しい世界に影響を与えていますし、すべての世代のアイコンだと思っています。母が女優であったことでのプレッシャーや苦悩はありませんでした。

画像3(C)Pictorial Press Ltd / Alamy Stock Photo
――あなた自身は、どのような子どもでしたか? 母、オードリーのように映画に携わるようなお仕事がしたいと思われていたのでしょうか?

僕は自分の家族のことを「サーカスファミリー」と呼んでいるのですが、何でもいろんな話をする家族だったんです。子どもの頃の僕にとって一番の幸せは母を笑わせることでした。ものまねをしたり、おかしなアクセントでしゃべってみたり。彼女は離婚などを経験し、さまざまな苦労や悲しい時があったので、そういう時にこそおなかを抱えるくらい笑わせることが、僕にとっての喜びでした。

遺伝的な要素もあるのかもしれませんが、ストーリーテリングに興味があって、執筆や監督業にも興味を持っていました。しかし、僕自身は彼女のレガシーを引き継ぐこと、亡くなった彼女からバトンを受け取り、レースを終えることに専念することにしました。夢は常に変わり続け、自身と共に成長し続けるものだと思います。ですから、ティーンエイジャーの頃の夢とはもちろん違ってはいますが、今がもっとも大切です。そして、そのバトンは僕の子どもたちがいずれ引き継ぐことになると思います。

画像5(C)PictureLux / The Hollywood Archive / Alamy Stock Photo
――この映画でオードリーの人生の困難も赤裸々に映すことについて、息子として葛藤はありませんでしたか?

葛藤はなく、これは私の選択でした。これまでレジェンドとして崇められてきた彼女の人間性にも光を当て、ある程度のバランスを取り、彼女の理念、哲学 思考を人々に知ってもらうことが重要だと思ったのです。このドキュメンタリーでは、バレリーナや女優としてのオードリーではなく、新たな母の姿を見せ、どんな人物であったかというところに焦点を当てたかったのです。彼女の存在は、その内面の美しさも強い印象を残したと思います。その優しさの根源はなにかを説明する必要があると考え、2年間かけてプロデューサーや監督と一緒に構成を考え、編集を重ね、オードリーの真実を伝えたいという思いがそのまま形になった映画に仕上がりました。

 5月6日から、TOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国公開。

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