“幸せな家族”を発信する母。娘が育てる謎の卵が、家族の真の姿を浮き彫りにするホラー「ハッチング 孵化」場面写真10点
2022年3月1日 18:00

長女が見つけた謎の卵の孵化をきっかけに起こる恐ろしい事件により、家族の真の姿が浮き彫りになっていく様を描いたフィンランド製ホラー「ハッチング 孵化」。このほど、新たな場面写真10点が公開された。
北欧フィンランドで家族と暮らす12歳の少女ティンヤ。完璧で幸せな家族の動画を世界へ発信することに夢中な母親を喜ばせるため、すべてを我慢し自分を抑えるようになった彼女は、体操の大会優勝を目指す日々を送っていた。ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つける。ティンヤが家族には内緒で、自分のベッドで温め続けた卵は、やがて大きくなり、遂には孵化する。卵から生まれた「それ」は、幸福に見える家族の仮面を剥ぎ取っていく。監督は世界の映画祭で短編作品が高い評価を受け、今回が長編デビューとなる新鋭女性監督ハンナ・ベルイホルム。
このほど公開された場面写真は、ティンヤと母親の仲睦まじそうな姿を捉える一方で、母から押さえつけられたティンヤ、不思議な卵を自室のベッドで誰にも内緒で大事に育てていく様子、そして卵が巨大化して“それ”がついに姿を現した衝撃的な瞬間、ティンヤが母親の恋人と向かい合う様子などを捉えている。
本作のプロジェクトの始まりは、ベルイホルム監督が2014年に開催されたイベントでの本作の脚本家イリヤ・ラウチとの出会いだったという。そこで少年が鳥の卵を孵化させるというアイデアを聞いた監督は、主人公を少女にすることを提案し、ふたりは脚本開発にとりかかった。監督は、「物語は母と娘の2人の強い女性を中心に描いていて、この映画は鎧をまとい、対面を保つことをテーマにしています」と語る。さらに、「多くの観客、特に女性の方は、映画を通して誰かをコントロールしたい、喜ばせたいという衝動と、不完全な自分の姿を見せることへの恐怖に気づくことになると思います」と、本作が描き出すものを示唆している。
本作は、サンダンスでのワールドプレミア後に出品された第29回ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭(フランス)においてグランプリを受賞。海外メディアからは、「北欧発ボディ・ホラーの傑作」(VARIETY)、「精密に構築された恐怖に締め上げられる」(THE PLAYLIST)、「美しくおぞましい」(Thrillist)、「とてつもなく独創的なホラーが誕生した」(THE HOLLYWOOD REPORTER)など、映画本編への期待が高まる評が寄せられている。
(C)2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Vast
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