ハッチング 孵化
劇場公開日:2022年4月15日
解説
長女が見つけた謎の卵の孵化をきっかけに起こる恐ろしい事件により、家族の真の姿が浮き彫りになっていく様を描いたフィンランド製ホラー。北欧フィンランドで家族と暮らす12歳の少女ティンヤ。完璧で幸せな家族の動画を世界へ発信することに夢中な母親を喜ばすため、すべてを我慢し自分を抑えるようになった彼女は、体操の大会優勝を目指す日々を送っていた。ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つける。ティンヤが家族には内緒で、自分のベッドで温め続けた卵は、やがて大きくなり、遂には孵化する。卵から生まれた「それ」は、幸福に見える家族の仮面を剥ぎ取っていく。監督は世界の映画祭で短編作品が高い評価を受け、今回が長編デビューとなる新鋭女性監督ハンナ・ベルイホルム。
2021年製作/91分/PG12/フィンランド
原題:Pahanhautoja
配給:ギャガ
スタッフ・キャスト
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2022年4月15日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
フランス発の「TITANE」に続き、今度はフィンランドからまたもエッヂの効いた怪作がやって来た。やはり傾向の近いブランドン・クローネンバーグ監督作「ポゼッサー」も英・カナダ合作であり、身体とアイデンティティーをめぐるサスペンスホラーが欧州映画界でちょっとしたトレンドになっているようで興味深い。
スマホ動画を使った私生活の生配信で“リア充”アピールに執心の母親と、期待に応えようと必死で一流の体操選手を目指す12歳の娘ティンヤ。そんな親子の関係性自体は珍しくないが、いかにも北欧らしい明るく洒落たデザインのインテリアと、ティンヤ役の新人シーリ・ソラリンナの天使のようなルックスに、まずたいていの観客が引き込まれるのではないか。
しかし、一見幸福そうな家族の家に、突然舞い込んだカラスが凶兆をもたらす。ティンヤが孵化させてしまう「それ」の造形が、いまどきのCGクリーチャーでなく、手作り風のアニマトロニクスによるものである点にも好感を持った。
冒頭で挙げた他の2作と同様、観客を選ぶ映画ではある。それでも、ジャンルのファンでちょっと変わった作品を求めている人なら、きっと楽しめるだろう。
2022年4月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:試写会
素直で美しい少女が、張り詰めた思いを心に溜め込むたびに謎の卵が成長。卵が孵化してからは思いもよらない展開になる北欧発イノセントホラー映画。
2022年サンダンス映画祭プレミア上映にて話題を呼び、その後フランスで開催された第29回ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭ではグランプリを受賞した本作。
このように映画界隈で話題になったことよりも、私は本作の題名と広告の絵面が気になっていた。そして見終わった後は、結末に驚くと同時に、妙な納得感があった。
一言で言えば、期待を裏切るような作品ではなかった。
ホラー映画という枠組みには入るものの、特に前半は、北欧スタイルの部屋など美しい描写に目が行く。そしてホラー特有の恐怖よりも、無垢な少女に寄り添って見守るような感覚に引き込まれていく。
ただし、気分が悪くなりそうになる特殊な表現手法などの生々しいシーンもあり、動物や獣風の描写に過敏な人は要注意。さらに、ストーリーは悲しくなるほど恐ろしい面もある。
完璧な幸せの形を自己流に貫く母親と、健気に慕う美しい娘の間で起こっていく変化とは?
1200人のオーディションから選ばれたシーリ・ソラリンナ(主人公)の、少女らしい美しさと演技力は今のうちに見ておかないと後悔するようなレベルであった。
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完璧な家族を世界に発信する事に夢中な母親、特に自分と娘ティンヤは特別。この母親の愛情の偏りが半端ない。息子にはかなり冷たく、お土産もかってこなかったりとかなり冷たい。ダンナには優しいように接するが、心の中で蔑み、浮気相手がいる。ダンナに知られても、平気で休みの日には「彼の所へティンヤと行ってくる」と出かける。その時の父を気遣うティンヤの表情も悲しいが、ダンナが「ママは個性的だから、彼もいい男だし」と笑うダンナがなんとも気の毒。引き攣った笑顔がなんとも可哀想。
孵化したある生き物が生物学的になんなのか?それはわからないけれどティンヤの心のままに行動するもう1人のティンヤなのかな?ママのお気に入りのティンヤでいなくちゃ、と自分を押し殺して我慢してきたティンヤ。友達と遊びたいのも我慢して、手のマメが潰れても練習を続けたり、友達に嫉妬しながらも仲良くしたり、その抑圧された感情をもう1人のティンヤが思う存分発散したのか?
それともある生き物はいないのか?とも思ったが、同じ時間帯に確かに2人いる訳で。
最後にティンヤが育てた生き物をかばって死んでしまったティンヤ。あの後どうなったのか、、、、きっと怖いママは憧れの生活を送るママの動画を配信するために、ある生き物をティンヤとして育てて、自分が娘を殺したことは隠し通すのでは?言いなりのダンナは黙認。
ああ、ホラーだな。恐ろしいママだわ🥶
2023年4月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
謎の卵を孵化させ、化け物のような生物を育てる少女。
ホラーとしてはそこそこおもしろいが、化け物の風貌や、少女の嘔吐物をエサにするなど観るに堪えないシーンも多い。
高評価はつけずらいものがあった。