ハッチング 孵化のレビュー・感想・評価
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「ポゼッサー」「TITANE」に連なる、身体とアイデンティティーをめぐるサスペンスホラー
フランス発の「TITANE」に続き、今度はフィンランドからまたもエッヂの効いた怪作がやって来た。やはり傾向の近いブランドン・クローネンバーグ監督作「ポゼッサー」も英・カナダ合作であり、身体とアイデンティティーをめぐるサスペンスホラーが欧州映画界でちょっとしたトレンドになっているようで興味深い。
スマホ動画を使った私生活の生配信で“リア充”アピールに執心の母親と、期待に応えようと必死で一流の体操選手を目指す12歳の娘ティンヤ。そんな親子の関係性自体は珍しくないが、いかにも北欧らしい明るく洒落たデザインのインテリアと、ティンヤ役の新人シーリ・ソラリンナの天使のようなルックスに、まずたいていの観客が引き込まれるのではないか。
しかし、一見幸福そうな家族の家に、突然舞い込んだカラスが凶兆をもたらす。ティンヤが孵化させてしまう「それ」の造形が、いまどきのCGクリーチャーでなく、手作り風のアニマトロニクスによるものである点にも好感を持った。
冒頭で挙げた他の2作と同様、観客を選ぶ映画ではある。それでも、ジャンルのファンでちょっと変わった作品を求めている人なら、きっと楽しめるだろう。
少女と一緒に寝ている大きな縫いぐるみのお腹で密かに育った不可解な卵。現れた生命の本能と成長する形に唖然
素直で美しい少女が、張り詰めた思いを心に溜め込むたびに謎の卵が成長。卵が孵化してからは思いもよらない展開になる北欧発イノセントホラー映画。
2022年サンダンス映画祭プレミア上映にて話題を呼び、その後フランスで開催された第29回ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭ではグランプリを受賞した本作。
このように映画界隈で話題になったことよりも、私は本作の題名と広告の絵面が気になっていた。そして見終わった後は、結末に驚くと同時に、妙な納得感があった。
一言で言えば、期待を裏切るような作品ではなかった。
ホラー映画という枠組みには入るものの、特に前半は、北欧スタイルの部屋など美しい描写に目が行く。そしてホラー特有の恐怖よりも、無垢な少女に寄り添って見守るような感覚に引き込まれていく。
ただし、気分が悪くなりそうになる特殊な表現手法などの生々しいシーンもあり、動物や獣風の描写に過敏な人は要注意。さらに、ストーリーは悲しくなるほど恐ろしい面もある。
完璧な幸せの形を自己流に貫く母親と、健気に慕う美しい娘の間で起こっていく変化とは?
1200人のオーディションから選ばれたシーリ・ソラリンナ(主人公)の、少女らしい美しさと演技力は今のうちに見ておかないと後悔するようなレベルであった。
☆☆☆★★★ いや〜何だコレ、面白い。 最近の北欧ホラーは全く侮れ...
☆☆☆★★★
いや〜何だコレ、面白い。
最近の北欧ホラーは全く侮れん。
【カラス】
神話・伝承
太陽の使いや神の使いという神話や伝承が世界各地にある。元は違う色だったカラスの羽毛が、何らかの原因で真っ黒になってしまった、という伝承が世界各地にある。
視力が高い、見分ける知能もあるということから「炯眼」「慧眼」とされ、神話や伝承において斥候や走駆や密偵や偵察の役目を持つ位置付けで描かれることが多い。
ケルト神話
ケルト神話に登場する女神(戦いの神)モリガン、ヴァハ、バズヴ(ネヴァン)は、戦場にワタリガラスの姿となって現れる。もしくは、肩にカラスが留まっている姿で描写されたり、バズヴがカラスの化身であると伝承されたりしている。神といっても清廉や崇高な印象ではなく、戦場に殺戮と死をもたらす存在として描かれることが多い。
北欧神話
北欧神話では、主神であり、戦争と死を司る神、オーディンの斥候として、2羽のワタリガラス「フギン(=思考)とムニン(=記憶)」が登場する。このワタリガラスは世界中を飛び回り、オーディンに様々な情報を伝えているとされる。
ギリシア神話
アポロンとカラス
ギリシア神話では太陽神アポロンに仕えていた。色は白銀(白・銀とも)で美しい声を持ち、人の言葉も話すことができる非常に賢い鳥だったとされる。しかし、ある時にカラスは、天界のアポロンと離れて地上で暮らす妻コロニスが、人間の男であるイスキュスと親しくしている(見間違いとも)とアポロンに密告(虚偽の報告とも)をした。アポロンは嫉妬して怒り、天界から弓で矢を放ち、コロニスを射抜いてしまった。死ぬ間際に「あなたの子を身ごもっている」と告げたコロニスの言葉に、我に返ったアポロンは後悔し、きっかけ(密告した・虚偽の報告をした)を作ったカラスに行き場の無い怒りをぶつけ、その美しい羽の色と美声と人語を奪った。カラスは天界を追放され、喪に服すかのように羽は漆黒に変わり、声も潰れて、言葉を話すどころか、醜い鳴き声を発することしかできなくなった。
異説
異説として、アポロンの走駆や密偵、または水くみの仰せをつかったカラスが、地上で道草をしてしまい、地上の状況の報告または水くみが遅れ、「嘘をついて言い訳をした」または「コロニスとイスキュスの密会をでっち上げた」というものもあり、水くみについては、仕えたカラスの死後、天上に星座としてかたどったとしながらも、コップ座がちょうどからす座のくちばしに届かない微妙な位置にあることから、水くみの異説を裏付けるものとして捉えられている。
北米先住民
トリンギット族(クリンギット)とトリンギット亜族(チルカット族・ツィムシアン族・ハイダ族)に伝わるカラスは、創世に関わるものが複数あり、代表的なものとしては、「ワタリガラスが森を作り、人を始めとした生き物が住み着いたが、あるときに寒波が襲い、生き物は死に絶えそうになった。一計を案じたワタリガラスは、ワシに太陽まで飛んで行ってそのかけらを持ち帰ってほしいと頼んだ。ワシは承諾し、身を焦がしながらも火を持ち帰り、大地の様々な所に火を灯した。それが、生きとし生けるものの魂となった」というものがあり、この伝承の影響からかハイダ族は、カラス族とワシ族の2部族に分かれている。
その他のバリエーションとしては、人々が暗闇の中で何も持たず暮らしているのを不憫に思ったワタリガラスが、「二枚貝の暗闇の中から誘い出す」「神が隠した太陽を神の娘の子供としてカラス自身が娘に受胎して神の孫となって神に頼んで太陽を開放する」「天上界(空の家という表現)へ変装して忍び込み星と月と日を盗み出し、人々に開放する」といった各話に、「人々に暮らしや家を与える、作り方などを教える」といったものが付加される形で創世の神話がなっている。
以上、Wikipedia より
古くは太陽に仕えていた…と言われていた様ですが。北欧に於いては、戦場に死と殺戮をもたらす、、、となると、やはりカラスは多くの人から忌み嫌われる存在と言えるでしょうね。
幸せアピールが著しい母親。
映画は冒頭から、ハリウッド性ホラー作品等に多い、グダグタした描写等は無しに、いきなり真向勝負とばかりに本題へと突入。
スクリーンから不穏な空気が漂うまでが、まだほんの数分なのだから、最近のホラーに慣れてしまうと「早え〜よ!」と、ついつい思ってしまう。
そんな冒頭辺りからして既に面白いのですが。更に俄然面白くなるのが、少女に助けられた事で孵化し。少女に対して貢物を捧げる場面。
思わず吐瀉物として吐き出してしまう、其れを餌ととして成長して行く〝 それ 〟こそは〝 営み 〟に他ならない。
幼い少女を対象としてのこの恐ろしい描写。
以降、親の立場からすると《太陽》の存在と言える少女に、この快鳥は《仕え》て行く。
それゆえに〝 営み 〟以降。この両者の間にはシャム双生児の様な関係性が築かれる。
お互いがお互いの弱点を補い合う様に。
最後は【覚醒】したかの様な描写で、サクッと終わらせており。「いやいや!その先がもっと観たいんだよ!」…と、腹八分目で終わるので残念でもあり。いや、これくらいで終わらせるからこそ気持ちが良いとも言える、絶妙な塩梅なホラー作品でありました。
2022年5月4日 シネマカリテ/スクリーン1
それはエッグ(エゴ)を育て続け、肥大化させた人間の姿。
一見誰もが羨む理想的な家庭、しかしそれはまるで洗剤のCMでも見てるかのように妙に白々しい。それもそのはず、その姿はあくまでも母親の願望でしかない。母親は自身が望む理想的な家族の形を動画配信することで幸せアピールをし、自らの欲望を満たそうとする。
彼女の前では夫と息子はもはや記号化した存在でしかなく、実際夫は妻の不倫を知りながら妻の貪欲さを尊敬しているとまで言い放つほど主体性が感じられない。息子に至っては定期的に駄々をこねるだけのかきわりに成り下がっている。
そして母がかなえられなかった夢の実現に向けて日々プレッシャーを感じてるのが主人公のティンヤ。
母の願いをかなえるためひたすら体操の練習に明け暮れる彼女だが、そんな彼女をしり目に母は不倫を楽しんでいる。
母への鬱屈した思いを日に日にため込んでいた彼女はある日森で拾った卵をこっそり温め始める。その卵はまるで彼女の鬱屈した思いを養分とするかのようにどんどん大きくなっていった。
ティンヤも自らの鬱積したエゴを育てるように卵を温め続ける。そうして彼女の肥大化したエゴは巨大な卵となり、やがてそこから禍々しい怪物が生まれる。
アッリと名付けられたその怪物は彼女の思いに呼応し、彼女の心の底で蠢いていた願望を実現していく。彼女にとって邪魔な存在に次々に危害を加えていくのだ。次第にティンヤもアッリが自分の分身だと気づくが、アッリの暴走は止まらない。
彼女のエゴが創り出したもう一人の自分、なんとかしてそれを消し去ろうとするが結局ティンヤはアッリをかばい命を落としてしまう。
ティンヤの血を飲んだアッリはティンヤの姿に。唯一理性的な部分を持ち合わせていたティンヤが消え、エゴの塊のようなティンヤがここに孵化した瞬間だった。
しかしそれは驚くには値しない。ティンヤの母もそうして大人になったのだから。自分の欲望を満たすことしか頭にない母親、彼女もティンヤのように孵化して今の自分になったに違いない。
北欧スリラーといえば、直近では「ボーダー」なる傑作もあったけど、本作はサイコスリラーとしては少々中途半端な出来。
劇場にて鑑賞。再投稿
北欧・美少女ホラー
怖かったです。
主人公の12歳の少女・ティンヤがあまりにも無垢で
美しくて、《卵の中から悪い分身を孵化させる?》
森で拾ってきた卵を温めると、みるみる大きくなる。
やがて殻を割って嘴のある大きな鳥
(私には恐竜のように見えた)
が、現れて、少女はアッリと名付ける。
そしてアッリはティンヤの嫌いな犬や、体操クラブでティンヤの
ライバルになる隣の女の子を襲う。
そしてアッリはやがて人間の外見でティンヤそっくりに成長する。
(鳥の化け物が人間の少女に変化するのは、納得出来ない)
そしてその分身はまるで生体離脱したように、どこにでも現れる。
なので最初この生き物は《意識が作った存在しないけれど、ティンヤにだけ見える》
のかと思ったけれど、実際にティンヤと化物は一緒の空間にいる。
ティンヤは摂食障害があるらしい。
体操選手だからかな?
アッリの餌を貪り食べたり、
やることが異常。
一番ティンヤの異常性を嫌悪したのは、
母親の浮気相手のテロ。
ティンヤは体操のコンクール、
アッリはテロの家で幼い子に斧を振るって殺そうとしている。
その場面が心に浮かんだティンヤは鉄棒を落下して
それを阻止する。
別の場所で自分から孵化した怪物が赤ちゃんを殺そうとする?
なんか嫌な映画でした。
自分の娘がこの役を演じるなら、反対します。
それも親のエゴでしょうか?
ティンヤの母親が怪物で、嫌いでした。
ホラーだから仕方ないけど‥
なんか色々とおかしかった。
卵が大きくなるやら、怪鳥が人になるやら‥ あの家族もおかしく、犬の死骸がテーブルに置かれても動じない等々。
非常に苦手だと思いながら、なんとか最後まで観たけど、全般的に納得の行かない作品だった。観なくて良かったな。
評価:2.7
思っていたよりシンプルなホラーより
主人公の母親にとってまわりのことは全て自分を輝かせるためのアクセサリーだ。夫も娘も娘のバレエの実力も。
実力以上の期待を寄せてくる母親に対して主人公は応えようとする。母親に愛される娘になるために。
しかしもう純粋なだけの子どもでもない主人公は自分でも気づかぬうちに負の感情を蓄積させていくこととなる。
主人公が拾ってきた卵は彼女の中のもう一人の彼女。
溜まっていく負の感情を背負った自身の半身。
主人公が子どもから大人へと成長していくのと同時に、負の感情である卵も育っていく。
全く同一になってしまった主人公と鳥が入れ替わってしまうエンディング。
元鳥だった彼女は母親の望む娘になるのだろうか。それとも、つのらせた負の感情を爆発させるのだろうか。
残された家族はすっかり娘の姿になってしまった元鳥に危害を加えられるのだろうか。
白いホラー
抑圧されたストレスがもう一人の邪悪な自分を孵化させるという話。
面白い設定ではあるがイマイチ盛り上がらない。
母親は承認欲求が強い割と居そうな人。
異常であるけどありそうな感じ。
でも娘のティンヤは確かにストレスではあるがそれを爆発させるには
どれも要因としてはちょっと弱い気がした。
隣の犬がうるさかったことも演出的にはそれだけで?寝てたやん。。って感じだし、隣の娘が体操でライバルになったのも、その危機感が伝わってこない。もっと「私ヤバくない?」という演出がないと危害を加えるに動機が弱く見える。
またそのくらい欲望に歯止めの効かないもう一人の自分に焦りがあまり見えない。
もっとティンヤは焦っていいはず。危機感がなさすぎるので見ている側にそれが伝わってこない。
ラストもなんだかぐだぐだな感じでどうもメリハリのない映画だった。
90分なのがまあよかったかな。
負荷
SNSに理想的な仮面家族の日常をアップして結構なアクセス数を稼いでいる母親は、元フィギュアスケート選手。母親の果たせなかった夢を是非娘に叶えてもらおうと、イヤイヤ体操クラブに通わされている12歳の少女ティンヤ。毒ママのプレッシャーをストレスに感じているティンヤは、どうも摂食障害らしきご様子だ。
本北欧ホラーの考察ポイントは、ティンヤが育てたアッリとは一体なんなのか?につきると思うのだが、母の愛を姉に独占されている弟、引っ越してきたライバル少女とそのペット犬、ママの浮気相手の赤ちゃんに対する攻撃的な態度から察するに、純粋無垢なブロンド少女ティンヤのダークサイドを具象化したクリーチャーなのではないか。
一見すると、毒ママによって首を折られ、娘ティンヤによってとどめをさされたカラスの霊がのりうつった化け物のようにも見えるのだが、本作が長編デビュー作となる新人女流監督の意図としては、もっと観念的な感情のメタファーのように思えるのである。
毒ママから受け継がれたのは、何もブロンドと美しい容姿だけではない。独占欲や嫉妬心、自己中心主義や自己顕示欲といった真っ黒な精神性もちゃんと遺伝的に引き継いでいたのである。母親の愛に応えたいという少女の無垢な心がそれらを🥚の中に押し隠していたものの、母親の浮気発覚とともに“孵化“してしまうのだ。
最終的には、毒ママ自身の手によってティンヤの子供らしいライトサイドが死滅、自分の殻を破り自立したダークサイドのティンヤが誕生するのである。母親から娘へと営々と引き継がれる女性特有の“毒“を、北欧独特のメルヘンタッチで描いたホラームービーなのである。
孤独と不満に呼応して膨らんでいく卵
いかに人から素敵な生活をしているように見えるかばかりを考えている母親。一見愛情深く娘を愛している母親に見えるが自分と娘を同一視しており、自分そっくりに育て、虚栄心を満たすための道具にしている。
母親のために作り笑顔で応じている娘の、押し殺した不満や孤独が愛情に飢えたモンスターを育んでいく。作り笑顔は父親も同じ。
主演のシーリ・ソラリンナが子供から大人になる微妙な年頃の繊細な感じにピタリと当てはまっていたうえ、モンスターを演じたときの動きも不気味な凄みがあり別人のようだ。
ただのサイコホラーで終わらないストーリーで良かった。
暗喩と対立項に溢れたホラー
感想をまとめるとタイトルの通りです。非常に深くて濃い映画だったなあと感じました。
フィンランドの仲良し家族が、ある日、烏が部屋に飛び込んできたことをきっかけにほんとの姿を表してくという作品です。母親の自分本位の欲望と行動から徐々にティンヤの無垢が汚されていく。父親はその奔放な母親をなだめることも咎めることもなく意気地なく自分を誤魔化しながら受け入れ、弟は家族への不満を増幅させる。
ティンヤはある夜、不気味な鳥の鳴き声に導かれるままに林の中を彷徨い、とある卵を拾い、誰にも内緒で育て、やがて不気味な気持ち悪いナニモノかが孵化する。
そんなストーリーです。
・表を取り繕う人って闇も深いよね。
・人って知らず知らずのうちに他人の影響を受けちゃうよね。そして少しづつ変化していくよね。
・結局、家族とはいいながら個人個人、自身が大事だね。でも、その大事のレベルって人によって違うもんだよね。
・ネガティブはネガティブとして認識して対処していくことは大事。我慢するのってそんなに良いことでもない。
・とはいえ、人は、動物は、何かに縋って生きていくものなんだなあ。
・堕ちたことを自覚した時は既に手遅れ。
・母性ってなんだろう?
などと観ながら考えてました。いや、考えろと迫られたような気がします。
なお、主人公の女の子、ティンヤ役のシーリ・ソラリンナさんの演技がぶっ飛んで素晴らしいものでしたし何より可愛い。その可愛い姿が別のものに豹変してしまう。そういうところも見どころでした。
何が怖い?母親だよ
完璧な家族を世界に発信する事に夢中な母親、特に自分と娘ティンヤは特別。この母親の愛情の偏りが半端ない。息子にはかなり冷たく、お土産もかってこなかったりとかなり冷たい。ダンナには優しいように接するが、心の中で蔑み、浮気相手がいる。ダンナに知られても、平気で休みの日には「彼の所へティンヤと行ってくる」と出かける。その時の父を気遣うティンヤの表情も悲しいが、ダンナが「ママは個性的だから、彼もいい男だし」と笑うダンナがなんとも気の毒。引き攣った笑顔がなんとも可哀想。
孵化したある生き物が生物学的になんなのか?それはわからないけれどティンヤの心のままに行動するもう1人のティンヤなのかな?ママのお気に入りのティンヤでいなくちゃ、と自分を押し殺して我慢してきたティンヤ。友達と遊びたいのも我慢して、手のマメが潰れても練習を続けたり、友達に嫉妬しながらも仲良くしたり、その抑圧された感情をもう1人のティンヤが思う存分発散したのか?
それともある生き物はいないのか?とも思ったが、同じ時間帯に確かに2人いる訳で。
最後にティンヤが育てた生き物をかばって死んでしまったティンヤ。あの後どうなったのか、、、、きっと怖いママは憧れの生活を送るママの動画を配信するために、ある生き物をティンヤとして育てて、自分が娘を殺したことは隠し通すのでは?言いなりのダンナは黙認。
ああ、ホラーだな。恐ろしいママだわ🥶
謎の卵を孵化させ、化け物のような生物を育てる少女。 ホラーとしては...
謎の卵を孵化させ、化け物のような生物を育てる少女。
ホラーとしてはそこそこおもしろいが、化け物の風貌や、少女の嘔吐物をエサにするなど観るに堪えないシーンも多い。
高評価はつけずらいものがあった。
いやラスト!
犬に厳しく隣人に厳しい映画
とても嫌な母親と、良い人そうで不倫されても怒らない父親とうざい弟が家族
がっつり卵から異形のカラスがでてきて、そういう映画!?って思ったらだんだんティンヤ(主人公)になってきて痛覚リンクしたり視界ジャックしたり、主人公に危害を加えそうな人物に勝手に襲いかかるというアッリちゃん
テロさんがまとも枠and味方枠かなって思ったけど、全然嫌われた。ゴートゥーヘル言われてた笑
いやそもそも初っ端から人ん家でイチャイチャしてたしてたからとんでもねぇやろうだったわ
でも、テロさんとティンヤとの関わり方はいいお父さんだな〜ってなった(不倫相手)
こういう嫌な母親ネタ色んな作品であるんやろうけど、これは解像度が高くてうざかったなぁ
そしてラストは好き
てか卵でっかくなりすぎ!
ティンヤの憎悪とか負の感情を溜めたのか!?
これは「ホラー」だ!
ふんわりとした抽象的な映画かと思いきや
暴力的ホラーをしっかりしてて予想以上の高評価となった
最後まで部外者で、勝手に現状に納得しようとする父親には笑ってしまった
個人的にはたまごに少し感情移入してしまい切なくなる
ラストの解釈は自由に出来すぎるところが賛否が分かれそう
主人公はママだったのかもしれない
まっすぐに怖い
ETの裏返しのようなフィンランドホラー映画である。少女がよせばいいのに真夜中にベッドを出て森に入り鳥の卵を持ち帰って育てるのだが多少明るい夜でも北欧だから違和感がなくナイトシーンが撮りやすいのだろうなとどうしても制作側の視点で観てしまうだめな観客である。怖い映画であった。ホラーはたいていどこかしらばかげていて笑ってしまうのだが、この映画はまっすぐに怖かった。もともと私は鳥が苦手なのだが孵化した卵の殻を破って爪が出て来るシーンがトラウマになってそれ以来ゆで卵の殻をむくたびにフラッシュバックして困るのだ。やはりだめな情けない父親のお話し。モンスターママに飼い犬のように育てられる娘の心境をETが代弁するのだがあまりに殻から出たそいつが思いがけない方向に進化を遂げる結末に唖然。
アートっぽい質感の皮をかぶった暴力ホラー
チタンと公開時期が近く監督が女性で
センセーショナルな作品同士なので
比較されてたのをきいたが
チタンがアート色が強く
ハッチングはエンタメ色強いって
言ってたのは観て納得
チタンのみ観てただけだと
作品強度も高く激薬さ満点のチタンはアート的だけどエンタメとしても成立してるのでは。。
だったが
ハッチングはいかにも、アートっぽいポスタービジュアルや絵作りのルックに騙されてたけど
ちゃんとB級ホラーっぽい荒さがあって卵の意味するメタファーも分かりやすかったりで、エンタメっぽさがあって面白かった。(どちらが甲乙とかではない)
オリジナル版僕のエリに近い鑑賞感覚かも
だけど、このちょっとアートっぽい質感の皮をかぶった暴力ホラーエンタメの女性版みたいなのは
今までありそうでなかった感じがする。
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