「ザ・バットマン」キャラクター造形のカギはニルバーナの楽曲 マット・リーブス監督が語る
2022年2月10日 20:00
![3月11日から公開](https://eiga.k-img.com/images/buzz/94873/ce0cfde3ff57359b/640.jpg)
「トワイライト」シリーズ、「TENET テネット」などのロバート・パティンソンが主演を務める「THE BATMAN ザ・バットマン」が、3月11日から公開される。「猿の惑星:新世紀(ライジング)」「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」などで知られ、本作のメガホンをとったマット・リーブス監督が取材に応じ、本作で描かれるブルース・ウェイン/バットマン像や、パティンソンとの仕事について語った。
ミステリアスな青年ブルース(パティンソン)は両親殺害の復讐を誓い、悪と敵対する存在“バットマン”になって2年が過ぎた。ある日、権力者が標的になった連続殺人事件が発生。その犯人を名乗るのは、史上最狂の知能犯リドラー(ポール・ダノ)。彼は犯行の際、必ず“なぞなぞ”を残し、警察や探偵のブルースを挑発する。
![画像2](https://eiga.k-img.com/images/buzz/94873/e0d8727e753022f1/640.jpg?1644466370)
早くからブルース/バットマン役にパティンソンを希望していたというリーブス監督。その理由について、「何度も素晴らしい形で作られたものに挑むには、新しいものを見つけるしかない。すでにバットマンではあるが、バットマンとしてまだ完璧ではない、自分自身と葛藤しているようなブルースを描きたかった」と、これまでの「バットマン」シリーズと違う形を目指したことが影響していると明かす。
「この作品のブルースは、自分の身に起こったことを乗り越えられていないから、人生に意味を見いだす方法が他に見つけられず、(バットマンとして)活動している。だからちょっと危険だし、制御不能なところがある。それで、この年齢層で求められるレベルの危険性や予測不能さを持っている役者を探そうといろいろな映画を見たんです。その内の一本が『グッド・タイム』で、ロブ(パティンソン)が出演していたサフディ兄弟監督作品です。まさに求めていた危機性を感じて、まるで自由落下しているように見えた。絶望感と怒りを感じさせる一方で共感もある。僕はロブのファンで、彼の映画をたくさん見ていますが、彼は毎回違っていてカメレオンのようです。なぜかはわからないけど、これが僕が求めているバットマンなんだと感じました」
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そこからパティンソンを想定して脚本を書くことにしたそうで、「彼に演じる気があるのかはわからなかったですが、(やりたいと言ってくれて)本当にラッキーでした。でも、ちょっと運命めいた感じで、ロブもバットマンが大好きで、僕と一緒に製作を手掛けているディラン(・クラーク)ともたまたま会っていたんですよね」と明かす。「そしてロブは僕たちがやりたかったバットマンにとても共感してくれた。彼の言葉を借りれば、僕がブルースを変人として描くことを恐れなかったところが気に入ったようです(笑)。だって、ブルースは変わっていますからね。彼は問題を抱えている人物なんです。バットマンだからかっこいいけれど、一人の人間でもあり、ごちゃごちゃしたものを抱えている。ロブもそれらの資質をすべて持っています」と語る。
本作でのブルースは、アメリカの王族をイメージしたといい、「ウェイン家がそういうポジションだったらと。そして彼は両親の殺人という悲劇をきっかけに、手に負えない反逆児のようになる。世捨て人的で、自制心を失い、中毒者のようになり、そのことでさらに無謀になっている。カート・コバーンみたいなイメージだったんです。だから脚本を書いている時に聴いたニルバーナの『サムシング・イン・ザ・ウェイ』は大きかったです。このキャラクター造形のカギですね。コバーンのように音楽にハマり、中毒になっている。でも、このバットマンがハマっているのは音楽でもドラッグでもなく、ミッションを遂行することなんです。彼は夜な夜な街を徘徊し、カウル(マスク)を着けることで匿名性を得て、戦うことに中毒状態。一種のハイになっている」と、本作のトレーラーでも使用された楽曲について解説する。
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パティンソンについては「最高でしたね。これまで一緒に仕事をした中で最もテクニカルな役者の一人でもあります。例えば、『この瞬間はもっと深く入り込んでくれ。ここではもっと混乱した状態でないとダメだ。アツい瞬間なんだ。それと、左足にもたれかかってくれ』と演出できる数少ない役者の一人です。カウルを被っていると、ちょっとしたことで画が変わってしまうので、求めているショットを撮るためには、正確な位置や姿勢を取ってもらうことが必要になるんです。ロブが素晴らしいのは、感情的には完全にオープンで、どんな感情にもアクセスができる状態なのに、生粋の映画俳優としてバミリや位置取りのことを理解し、実行できるところなんです」と称賛する。
「あそこまで自分の感情にアクセスしながらも、そこから離れてとてもテクニカルなことが同時にできる役者にはあまり会ったことがありません」と絶大な信頼を寄せ、再び「すごいです。最高でしたね」と手放しで褒め称えていた。
「THE BATMAN ザ・バットマン」は、3月11日から公開。
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