世界初企画! キューブリック監督作の全貌を世界17カ国超、300枚以上のポスターデザインから探る書籍が3月発売
2021年12月25日 12:00
スタンリー・キューブリック監督のデビュー70周年、「時計じかけのオレンジ」製作50周年を記念し、映画の歴史を永遠に変えた天才監督の全貌をポスターデザインから探る書籍「スタンリー・キューブリック 映画ポスター・アーカイヴ(仮) 宣伝ポスターまでをコントロールした男」(A4/オールカラー224頁/並製 予価:本体3500円+税)が、キューブリックの命日にあたる2022年3月7日、DU BOOKSから発売される。長編監督作全13作品、世界17カ国超、300枚以上のポスターを掲載した同書籍から、このほど6作品、8つのポスター画像が公開された。
同書には世界初の企画として、キューブリック全監督作品のオリジナル映画ポスターを世界各国から集め、撮影中に制作された先行版ポスターや監督がボツにした幻のポスター案なども掲載。また、主要なポスターに関しては、担当デザイナーのソール・バス、フィリップ・キャッスルやバート・スターン(写真家)によるポスター制作時の背景の解説など、ポスター画像の羅列だけに留まらない充実した文字情報も必読だ。
完璧主義者として知られるキューブリックは、宣伝用ポスターまでをコントロールした。例えば、世界共通のポスターデザインでも国別の作品ロゴまでキューブリック本人に許可を取る必要があった。日本でも公開当時、大きな話題となった「フルメタル・ジャケット」日本語字幕スーパーにおける翻訳者の交代劇など、その徹底的なコントロールぶりは、各国の配給会社を震え上がらせたという逸話がある。
また、ポスター以外にも当時の映画会社が制作した広告、上映映画館のオーナー向けに送られたプレスブック、キューブリック自身が送った資料などを書面で展開し、キューブリック作品がどのように宣伝されたのかを詳細に紹介。映画史上のベストワン作品として不滅の輝きを放つSF超大作「2001年宇宙の旅」の宣材は、その映画のスケールと同様に多様な宣伝が展開され、ジョン・レノンのコメントを掲載したオランダの広告など、レア宣材を紹介しながら、最大限のページを割いて、不朽の名作の宣伝手法を解き明かす。
このほど公開されたポスターは、「2001年宇宙の旅」からはアメリカ版シネラマ上映用、ポーランド版の2種。アメリカ版は、公開当時、全米でも数えるほどしか存在していなかったシネラマ上映館用に制作。本作の宣伝用ポスター中、もっとも多くの本作宣材で使用されたアートワークであり、イラスト担当のロバート・マッコールはNASAで宇宙画を描いていたアーティストだ。コレクター間では「宇宙ステーション」版1シートと呼ばれている。タグライン(惹句/キャッチコピー)は「An epic drama of adventure and exploration(冒険そして探検の壮大なドラマ)」。
「シャイニング」からはアメリカ版、イギリス版の2種。アメリカ版で、ソール・バスは観客に多くの情報を与えずに、彼ら自身でイメージを増幅させるようなアートワークの開発に取り組み、何百ものコンセプト・アートを提出したのちに決定したのがこのポスターだ。「THE」の中で、暗闇から覗いている子供の顔は下からの光で輝いている(シャイニング)ように見える。バスは「怖さ」「不気味さ」を連想させるクールな色合いの赤色をバックに望んだが、キューブリックは暖色系のイエローを選んだ。キャストの顔が配された日本でもおなじみのイギリス版アートワークは、アメリカ以外での世界共通デザインとなった。
「バリー・リンドン」は日本版。本社指定のイラスト版だけでは観客動員を見込めないと考えたワーナー日本支社宣伝部とデザイン担当の檜垣紀六はイラスト版で描かれた元のスチール写真を再度コラージュする逆転の発想で本社、およびキューブリックのアプルーバルを取った。世界共通デザインを強いられるキューブリック作品に対して、写真コラージュを得意とする日本が生み出した傑作ポスター。ロゴはブルー系にして、全体的な配色と馴染ませる効果を出している。
「フルメタル・ジャケット」はアメリカ版。「時計じかけのオレンジ」に続いて、フィリップ・キャッスルのアートワークを採用。「Born to Kill (生まれながらの殺人者)、フルメタル・ジャケット(完全装備の銃弾)とピース・バッチをヘルメットに描き、戦場に赴いた人間の二面性を表現した。アメリカ版のタグラインは「In Vietnam The Wind Doesn't Blow It Sucks(ベトナムでは風は吹かない。飲み込むだけ)」。
「時計じかけのオレンジ」もアメリカ版。エアブラシを使ったイラストレーションを得意とするフィリップ・キャッスルの有名なアートワーク。「Being the adventures of a young man whose principal interests are rape, ultra-violence and Beethoven. (レイプと超暴力、ベートーベンに夢中になる若者のアドベンチャー)」のタグラインはLAのワーナー宣伝部に在籍していたディック・レダーの作。
そして「博士の異常な愛情 又は私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」の西ドイツ版もこのページのフォトギャラリーで確認できる。まさに、映画の顔としての「ポスター」を「展覧会」のように鑑賞できる、キューブリック&映画ファン必携のビジュアルブックだ。
フォトギャラリー
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