生誕100年、ピエル・パオロ・パゾリーニ「テオレマ」4Kスキャン版と「王女メディア」3月4日公開
2021年12月15日 11:00

詩人、作家、そして映画監督として活躍したイタリアの異端児ピエル・パオロ・パゾリーニの生誕100年を記念し「テオレマ」 4Kスキャン版と「王女メディア」を上映する特集「パゾリーニ・フィルム・スペシャーレ1&2」が2022年3月4日から開催される。
1975年にローマ郊外で非業の死を遂げて45年以上の時を経た今もなお、世界中のシネフィルに支持される異才パゾリーニ。日本国内においては1970年の劇場初公開以来、映画祭以外では上映される機会のほとんどなかった2作品がスクリーンに甦る。
“スペシャーレ1” は、現在公開中の映画「ラスト・ナイト・イン・ソーホー」にも出演しているイギリスの名優テレンス・スタンプ主演の「テオレマ」 4Kスキャン版。謎の訪問者によって次第に狂わされるブルジョワ一家を描いたパゾリーニ代表作の1本で、公開時は訪問者の解釈を巡って大論争を巻き起こした。共演には、当時ジャン=リュック・ゴダールの妻でもあったアンヌ・ビアゼムスキー、「家族の肖像」のシルバーナ・マンガーノら。エンニオ・モリコーネが音楽を手掛けている。第29回ベネチア国際映画祭で最優秀女優賞(ラウラ・ベッティ)と同時に国際カトリック映画事務局賞を受賞したことで、イタリア・カトリック界で物議を醸し、猥褻罪に問われて裁判に発展。その後パゾリーニは無罪となり、裁判沙汰も手伝って映画は大ヒットした。今回は2020年に米クライテリオン社によってなされた、オリジナルネガからの4Kスキャンによる修復版での公開となる。
“スペシャーレ2”は、20世紀が誇る歌姫マリア・カラスとの奇跡のコラボレーションによって生まれた1969年の「王女メディア」。「アポロンの地獄」(67)で初めて古代ギリシャを題材にとったパゾリーニが、エウリピデスのギリシャ悲劇「メディア」を元に再び神話世界を映像化したものだ。一切の映画出演オファーを断り続けていたマリア・カラスが「この映画だけは断れない」と出演を承諾した唯一の映画主演作となっている。トルコ・カッパドキアの岩窟群やピエロ・トージによる美しい衣装も見どころだ。
「テオレマ」 4Kスキャン版、「王女メディア」は3月4日から、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
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