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映画「名付けようのない踊り」世界的ダンサー田中泯を操上和美、山村浩二が表現したポスター2種公開

2021年11月5日 10:00

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操上和美と山村浩二がそれぞれの表現で手がけたポスター
操上和美と山村浩二がそれぞれの表現で手がけたポスター
(C)2021「名付けようのない踊り」製作委員会

犬童一心監督が、世界的ダンサー田中泯の踊りと生き様を追った映画「名付けようのない踊り」のポスタービジュアル2種が公開された。

ポスタービジュアルは、アートディレクターの町口覚の「身体を映さずにあえて顔だけで“踊り”を表現する」というコンセプトのもと、写真家・操上和美とアニメーション作家・山村浩二に撮影と描き下ろしを依頼し、田中の魂が舞うその一瞬を捉えたデザインだ。

本ポスター(左)は85歳の操上と76歳の田中の2人の撮影の中で生まれたもの。田中は立ち尽くしたまま、表情だけで踊る。その視線は宙を舞い、やがて恍惚とした表情に変わった奇跡的な瞬間を、操上のカメラがとらえた。撮影を終えたばかりの田中は、「操上さんとのセッションは、レンズの存在を感じさせない。私はそこに居ながら、心は遠くへ放たれていた。幸せな瞬間でした」と語る。写真の色は、操上が田中を表現する色として選んだブロンズ色で、田中の圧倒的な存在感と表情を際立たせたいという思いが込められている。

もう1枚のポスタービジュアル(右)は、集中力が極限に高まった「踊る前の表情」を、山村による色鮮やかな画で切り取ったもので、「胸が騒ぐ」「五感が覚醒する映像体験」のコピーと共に力強い視線がこちらに向けられている。山村の作風といえば、米国アカデミー賞短編アニメーション部門に、日本人で初めてノミネートされた「頭山」や、NHK「おかあさんといっしょ」のイラスト等の温かいタッチが知られているが、今回のポスタービジュアルはそれらとは異なり、田中の内なるエネルギーを感じさせる1枚となった。

1978年にパリデビューを果たした田中は、世界中のアーティストと数々のコラボレーションを実現、そのダンスの公演歴は現在までに3000回を超え、映画「たそがれ清兵衛」(02)から始まった映像作品への出演も、ハリウッドからアジアまで広がっている。そんな独自の存在であり続ける田中のダンスを、「メゾン・ド・ヒミコ」(05)への出演をきっかけに親交を重ねてきた犬童監督が、ポルトガル、パリ、東京、福島、広島、愛媛などを巡りながら撮影。また、山村によるアニメーションによって田中の幼少期が情感豊かに点描され、ぶれない生き方を紐解く。

22年1月28日から、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9、Bunkamura ル・シネマ他にて全国公開。

操上和美コメント
田中泯さんはカメラの前に立ったまま旅をしている。
その目は何億光年先を見つめているのか・・・・
やがて魂がその肉体に宿った瞬間にシャッターを切らないと本当の田中泯を逃してしまう。
山村浩二コメント
映画制作時は、泯さんの幼少期の一枚の写真から、子供時代の泯さんを想像して描いていました。
ポスターでは、操上和美さんの写真イメージを参考に描き、現実の泯さんに初めて対峙することができました。
皮膚の皺、顔の筋肉、髭、眼球、それぞれが沸き立ちながら、ギリギリで全体を構成している泯さんの表情を、なんとか捕まえよう
とした痕跡です。

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